模型を作ってシェアするホビーコミュニティ ホビコム by デアゴスティーニ

水性カラー アクリジョンの性能試験

2013/12/25 19:10

M_image

GSIクレオスの新しい水性塗料アクリジョンを試験した。

塗料自体のニオイの印象は、リキテックスのマットバーニッシュなどに近い。
水性ホビーカラーやタミヤアクリルがイソプロピルアルコールを溶媒にしているのに対し、少なくともアルコール系のニオイではないように感じた。

とりあえず瓶濃度のままで筆塗りした。
瓶濃度の水性ホビーカラーやタミヤアクリルよりははるかに伸びがいいが、ややもたつく。Mrカラーに比べると粘度が低く、垂れたりたまったりしやすいので、筆に控えめに含ませ、適宜ティッシュに吸わせるなどの措置が必要になりそうだ。

塗膜を薄く保っていれば、3から10分程度で乾燥・硬化する。硬化後の塗膜強度は、Mrカラーと水性ホビーカラーの中間程度に感じる。爪でこすると、落ちる部位と落ちない部位がある。おそらく薄塗りの方が強い。

M_image

アクリジョンのつや消しブラックとレッドブラウンを混合し、水で溶いてウォッシングを試みた。エッジ現象(しみ)が激しく使い物にならない。

専用溶剤で溶けばまた結果が違うかもしれないが、未確認。

M_image

塗装がメタメタになったので、落とすことにする。

水性ホビーカラーやタミヤアクリルなら、乾燥・硬化後もマジックリンで簡単に落ちる。
アクリジョンにもマジックリンを吹き付けてみたが、反応しなかった。

アクリジョン専用溶剤を塗布しても反応はない。硬化後の塗膜には影響しないのだ。これは重ね塗りの際に下地がまったく溶けないという意味でもある。

アクリジョン専用ツールクリーナーで洗浄したところ、見た範囲ではポリスチレンに負担を掛けず、綺麗に溶け落ちた。

ツールクリーナーのニオイはなぜか、ハンブロール・エナメル溶剤に酷似している。これでエナメル塗料や油絵の具が溶けるかどうかは確認していない。また、このツールクリーナーでタミヤアクリルの塗膜が溶けることは確認した。

M_image

本体色は、アクリジョンとタミヤアクリルを1:1で混合し、1~2割程度の水を加えたところ、非常に快適に塗装できた。塗布後に筆の痕跡が消える「レベリング効果」が高く、刷毛目はまったく残らない。

私はタミヤアクリルに水を加えて筆塗りする研究を続けてきたが、隠蔽力が大きく下がる、つや消しが強くなりすぎる、塗膜強度が低い、という問題があった。アクリジョンとの混合でこれらの問題はほとんど解決する。

また無論、アクリジョン単体に1~2割程度の水を加えても、瓶濃度よりはるかに快適に塗装できた。

ただし細部塗装には瓶濃度のままが適しているようだ。水を加えると粘度が下がりすぎて、正確な塗り分けが困難になる。

M_image

乾燥・硬化後、油彩によるウォッシングとも非常に相性がよかった。(ペベオ・オドレス・ミネラル・スピリッツ使用)

■2014/02/24追記■
純粋なアクリジョンの他、タミヤアクリルと混合した場合でもアクリジョンの割合が高ければ、★エナメル溶剤を塗った時に塗膜がふやけて剥がれて★くる。少しの墨入れ程度なら耐えられるが、大量に溶剤を使うウォッシングは危ない。これは一般的な油彩用ペトロールを使ったウォッシングでも同じである。ただ、「ペベオ・オドレス・ミネラル・スピリッツ」に限ってはアクリジョンの塗膜に影響しない。

ウェザリングに関しては、いわゆる「アルコール落とし」も使えるだろうと推測される。その場合は本体色をアクリジョンで塗り、汚し色をタミヤアクリルで塗って、乾燥後にアルコールを塗布し落とすことになる。

このビネットの地面と立ち上げ部の黒もアクリジョン塗装である。

M_image

結論。

●エナメル溶剤やペトロールに負けるので、それらでのウォッシングは避ける必要がある。「ペベオ・オドレス・ミネラル・スピリッツ」のみ使える。
●AFV単色塗装の筆塗りには非常に有効。少量の水を加えることで、エアブラシに劣らぬ精度と質感を簡単に達成できる。
●現状ではAFV対応色がほとんどないが、適当なタミヤアクリルと近似のアクリジョンを混合することで両者の長所を生かした応用が利く。
●粘度が低く、垂れやすい。垂れたり溜まったりした余分な塗料は、乾燥・硬化が始まる前にティッシュや綿棒で吸い取っておく。
●必ず塗膜を薄く保ち、隠蔽が不十分な場合には乾燥後に再度薄く塗装すること。薄い方が硬化が早く、塗膜が頑丈になる。

AFV以外の分野などは、今後検証し改めて報告する予定。


製作日誌の公開範囲
インターネット全体
コメントを受け付ける範囲
ホビコムメンバーまで

ブラボー30 お気に入り登録10   ブラボーとは


コメント6件

hiroyuki@マルチ

hiroyuki@マルチ
試験レポートありがとうございました。

12月25日 21:34このコメントを違反報告する

モロちゃん

モロちゃん
興味があったので参考になりました。

12月26日 00:11このコメントを違反報告する

ドーハン

ドーハン
大変勉強になりましたm(__)m

12月26日 13:31このコメントを違反報告する

ブラスコウ/秋友克也

ブラスコウ/秋友克也
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。次はグリーンの戦車や、軍用機(まずゼロ戦?)で検証するつもりです。

12月26日 13:43このコメントを違反報告する

ブラスコウ/秋友克也

ブラスコウ/秋友克也
今回の試験は「AFVの筆塗り」に集中していますが、
おそらく広範囲に勧められるアクリジョンの用途が2つあります。

1)クリアーで、デカールのコーティング。下地をまったく溶かさないから作業が楽で安全。吹きつけより叩き塗りがいい。
2)メタルプライマー。弾力のある塗膜で様々な金属に食いつく。色は任意でいいが、最終仕上げが光沢でないならつや消し色を選んだ方が楽。乾燥が早く、乾いたかどうか見てわかるから。

いずれも筆を使うなら専用ツールクリーナーが不可欠です。専用溶剤は不要。
面積が狭いなら綿棒でも問題なく塗れます。

12月26日 18:46このコメントを違反報告する

ブラスコウ/秋友克也

ブラスコウ/秋友克也
本文に「エナメル溶剤で塗膜が浮く」という情報を追加して更新しました。
お陰で初心者向けのAFVや軍用機の用途は一気に限られた感じです。

02月24日 14:01このコメントを違反報告する


コメントを書く1,000文字以内

Ms_noimage

コメントを投稿するにはログインが必要です。