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【模型技法】初心者入門用■安くて簡単でかっこいい戦車プラモデル塗装

2014/10/20 14:40

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初心者にいきなり「数万円の道具を買え」なんて勧めるハウツーは、おかしいと思いませんか?
缶スプレーは簡単だけど、塗料のにおいが気になりませんか?

本稿では模型の塗装経験がまったくない人を対象に、
なるべく安い初期投資で失敗しにくく見栄えのいい塗装法を解説します。
人呼んで「水溶きアクリル塗装」。
使う塗料のにおいが少ないのも特徴です。

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準備物。
・新聞の上に白い紙を敷く(新聞のままだとゴチャゴチャして見にくいので失敗しやすい)
・組み立てた模型(しっかりした持ち手をつけると楽)
・タミヤアクリル塗料(本体色は指定の物より少し明るめがいい)
・筆(大きめの筆2本程度と、細部用に3ミリぐらいの丸筆。面相筆は使いにくい)
・アルミ箔(パレットに。他にもいろんな物が使える)
・ティッシュ
・適当な容器に水をくむ
・説明書の塗装指示の他、箱絵も資料になるので参照できるとよい

・ドライヤー(ここには写っていないが、あればかなり便利)
・タミヤエナメル スミ入れ塗料 ダークブラウン(ここには写っていない、後で必要)
・タミヤエナメル溶剤(ここには写っていない、後で必要)
この「エナメル系塗料・溶剤」は、上の「タミヤアクリル」(アルコール系)と混ぜる事ができない。筆も別の物を使う。

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パレットのアルミ箔に、よく撹拌したタミヤアクリル塗料の本体色を出して、筆に含ませた水を混ぜる。
目安として2割程度。

塗料瓶のフチやフタの内側についた塗料をちゃんと拭いておかないと、固まって開かなくなるので注意。

指定色「ジャーマングレイ」に対し、それより明るい「ダークグレイ」を使用。汚すと暗くなるため。

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本体塗装の1層目。
太い筆でなすりつけるように塗る。
見えにくい、筆が届きにくい場所を先に。目立つ箇所は後。

水を混ぜたタミヤアクリル塗料はたいへん流動性が高く、刷毛目や気泡など残らないから筆運びなど気にしない。「平行に、垂直に」なんて技法は忘れること。

塗料が流れて溜まった場所はティッシュで吸う。ドライヤーの冷風モードで吹き寄せてから吸うのもいい。

1層目は下地と割り切って、少しぐらいの透けなどは気にしない。

たいてい15分も置けば乾燥するが、ドライヤーを使えば数分ですむ。温風を当てすぎると細部が変形することがあるので、心配なら冷風で。

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本体塗装の2層目。

1層目が乾燥したかどうかは、つや消し(フラット)色なら、ツヤの具合でわかる。ツヤが消えた部位は完全に乾燥・硬化していて、重ね塗りでもほとんど溶けない。つまり理論上は、何度でも層を重ねることが可能。これは結構大きな利点。

塗り残しや色の透けている場所を探しながら、やはりどしどし塗る。

2層目以降の乾燥は、格段に早い。1層目のつや消しで凹凸が増えて表面積が増すため。

この場合はキットのプラスチックと塗装する色が近いので、2層ぐらいで十分。暗い色の模型に明るい色を塗る場合は、下地塗装に明るいグレイや白を使うなど工夫して。

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細部塗装。

これも、水をやや少なめに混ぜたタミヤアクリルで塗る。
たいへん流れやすく垂れやすいので、一度に多くの塗料を乗せようとしない。
薄く塗っては乾かし、2~3度繰り返す。
こういう時にドライヤーがあると本当に楽。

はみ出したら、乾く前にティッシュで吸い取ればいいし、乾いてしまっても本体色を塗り直せばすむこと。お気軽に。

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本体と細部の塗装が完了。

細部の塗り分けは神経質にならなくても大丈夫。汚せば馴染むので。
使った色は4色(ダークグレイ、ダークイエロー、メタリックグレイ、フラットブラック)で実勢価格500円強。
時間は40分程度。

缶スプレーや、エアブラシのベタ塗りと違って、筆塗りの適度なムラが「現場で使われた大きな機械」の雰囲気を演出する。

ここまでの塗装技法はガンプラにも使える。ただし塗膜がたいへん弱いので、動かすとどんどん剥げる。この先の、エナメルによる汚しをガンプラに施すと、関節などが割れやすいのでオススメしない。

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ウォッシング・スミ入れ。

タミヤのエナメル系スミ入れ塗料「ダークブラウン」をよく撹拌し、太い筆(水に濡れてない物)で、奥まった見えにくい箇所から、なすりつけるように塗る。

ウォッシング(洗い塗り)という言葉に惑わされて、ジャバジャバ浴びせるように塗ってはいけない。あくまでも垂れない程度に。垂れそうな時はティッシュで吸う。

ポリエチレン製のベルト式キャタピラは「色が塗れない」と言われているが、エナメル塗料なら塗装可能。これもスミ入れ塗料「ダークブラウン」で塗っておく。

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スミ入れ。

込み入った箇所は汚れがたまりやすい。強い汚れを再現するために付属の筆で直接スミ入れ塗料を流し込み、必要に応じてティッシュで吸う。

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広く開けた場所の汚れに、直接スミ入れ塗料や普通程度に薄めたエナメル塗料を塗ると、色が強く残りすぎるのでよくない。

筆でタミヤエナメル溶剤を塗り、軽くティッシュで押さえてから、継ぎ目や角や凹凸などの要所にスミ入れ塗料を置いていく。こうすると汚し色がうまくにじんで広がる。

弱すぎる汚れは後から足せばいい。もし汚れが強すぎると思ったら、エナメル溶剤を含ませた筆でスミ入れ塗料を濡らし、ティッシュや綿棒で少しずつ拭き取る。それでも強すぎるなら、しっかり乾かしてから本体色を被せ、汚しをやりなおす。

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完成。

タミヤアクリル、タミヤエナメルとも、作業の最後にマジックリン原液で筆を洗うと、汚れがよく落ちる。なければアクリルは水で、エナメルはエナメル溶剤でよく洗うこと。

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おおむね1時間程度、1000円ちょっとの費用でこれぐらいの事はできます。
慣れないと試行錯誤で手間取るかも知れませんが、それでも夕食後の2~3時間で仕上がるはず。
皆様、興味があればぜひお試しを!

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使用した工具、塗料、材料


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コメント7件

妄想くん

妄想くん
こんにちはブラスコウ先生

これは為になります。
これを基本に徐々に自分なりのアレンジをしていくとオリジナルな塗装の戦車が出来そうな気がします。
マジックリンの原液は知らなかったです。

あと、自分はデカール貼りが苦手なのでデカール編期待してます^o^

10月20日 16:35このコメントを違反報告する

ブラスコウ/秋友克也

ブラスコウ/秋友克也
>妄想くん さん
コメントありがとうございます!
お役に立てるようなら幸いです。
この「タミヤアクリル水溶き」、少しアレンジすればボカシ迷彩にも使えたり飛行機にも使えたりしますが、まずは一番単純で失敗しにくい戦車単色塗装にしました。

デカールは「安くてちょっと難しい」というのと「高いけど絶対確実」というのがありまして、両方説明する予定です。

10月20日 21:40このコメントを違反報告する

トロ

トロ
成程、成程、勉強になりました。  細部までご説明頂きありがとうございます。
しばらく離れてましたのでまた、戦車を作りたくなりました。  これからもよろしくお願いいたします。

10月22日 19:10このコメントを違反報告する

ブラスコウ/秋友克也

ブラスコウ/秋友克也
>トロさん
コメントありがとうございます!
お役に立てそうなら幸いです。
塗装作業をぜひ楽しんでください!

10月22日 19:19このコメントを違反報告する

Yoshikita

Yoshikita
この記事を見て、俄然やる気が出てきました。ありがとうございます。!!

02月26日 15:53このコメントを違反報告する

ブラスコウ/秋友克也

ブラスコウ/秋友克也
Yoshikita さん、お役に立てれば幸いです。
設備投資が格段に安いですし、汚しは「奥まった箇所から塗る」という原則さえ心がければまず失敗しませんし、万一うまくいかなくてもマジックリンで落ちますから、お気軽にどうぞ!

02月27日 15:35このコメントを違反報告する

ブラスコウ/秋友克也

ブラスコウ/秋友克也

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04月27日 16:26このコメントを違反報告する


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