模型付きマガジン・特選商品を買うなら、ホビー好きが集まる、ホビコム by デアゴスティーニ

タイガーロケッティ

タイガーロケッティは、タイガー製作所が1954年から1975年頃まで製造・販売していた模型用固体燃料ロケットエンジン。安全で扱いやすい。

概要

現在、この小型のロケットエンジンは製造中止となり専用の燃料も入手できないため、これを用いた飛行を見る機会はほとんどない。一頃は人気の商品であったらしく、相当数が出まわっていたために現在でも稀に玩具店の倉庫から「発掘」されてインターネットオークションに出品されたり、一部の好事家が入手した写真などがインターネット上に掲載されていることがある。

ボディはアルミニウム削り出しやプレス加工で、取り外し可能な容器底面はピアノ線のバネ付きストッパーでボディ頂点に引っ掛けられて固定される。この容器底面の中央に、点火用導火線を通す穴とガス噴出口を兼ねた直径約1mm程度の穴が空いている。A型とB型の2種類があり、全長5cm程度、直径2cmほど。燃焼時間は専用固形燃料で約20秒。

なお容器底面の噴出口が何らかのトラブルで詰まった場合は、このピアノ線が変形して内部圧力により容器底面が本体から引き離されて僅かながら隙間ができ、破裂などの深刻な事故が起こらないよう設計されている。ただこの底面と本体の隙間から高速高熱のガスが漏れるような事態になった場合、燃焼ガスの熱でボディの縁が僅かながら溶けて底面との密閉性が損なわれるため、破損してしまう。

・性能・使い方

推力重量比的には垂直に設置して点火しても、自重を噴射の反作用で押し上げ飛んでいくほどではなく、滑空する模型飛行機などに取り付けて噴射されるガスの推力で高速飛行させるための推進器として用いる。

とはいえ特に飛行機模型に限ったことではなく、ようは「取り付けられる模型なら、何にでも取りつけて利用できた」という汎用エンジンであった。しかし自動車模型や船の模型に付けても、推力は小さいことから、たいした推進は期待できなかった。水面から受ける抗力が小さい専用設計の船舶模型か、軽量なグライダー模型に取り付けるのが、最も適切な使い方だったといえよう。中には一種のガスタービンエンジンの可能性を模索した者すらいたことも販売当時の雑誌からうかがえる。

本体は燃焼中、それなりの温度に加熱するため、本体から浮いた形で側面を通っている底面固定用のバネ部分がそのまま模型用のマウント部となっており、これを模型に取りつけた同製品に付属の金属製のホルダーに挿し込んで固定する。

点火には金属芯入りの導火線を用いるが、この金属芯が燃え残ってガス噴出口に詰まると、先に述べた容器破損の原因となりかねない。なお付属の取扱説明書には、点火直後のガスはまだ熱くないため、燃え残りの金属芯を手で持って引き抜くようにと記載されている。

当時の模型雑誌には、これを2個使った回転翼機模型も紹介されており、そのセットも販売されていた。

製造中止と国外製品

加工に手の掛かる削り出しボディながら、最盛期には月数千セットが製造・販売されていたという。

製造中止に至った原因は、誠文堂新光社より発刊の『おとなの工作読本』3巻に「オイルショックに因る原材料費高騰のため」という旨が記述されている。

日本国外では、これの原型ともなったJETEXが販売されていたが、こちらも世界中に根強い愛好家を擁する。このため近年になってJET-Xとして50周年記念モデルも販売されたとのことで、こちらは現在でも入手が可能な模様だ。

固体燃料の主成分は硝酸グアニジンとされる。発売されていた当時は工作を愛好する多くの少年達(→工作少年)に親しまれた商品であり、前述のように垂直上昇するロケットを作るのは困難な程度の性能ではあったが、日本のモデルロケット史を語る上で重要な製品である。
[Wikipediaから引用]