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ソフトビニールキット(Softvinylkit)

概要

ソフトビニールキットは、スラッシュ成型と呼ばれる方法で作られ、液状の塩化ビニルモノマーを金型に流し込んで加熱し重合して得られる、中空の軟質樹脂(ソフトビニール=ポリ塩化ビニル)製部品で構成される。ソフトビニールは中空の成形品を熱で柔らかいうちに脱型するため、型を分割しなくても型の入り口より大きくある程度逆勾配をもつ部品を成形できる。金型であるため大量生産にも向くが、成形には専門の技術者が必要。中空で成形されるので大型の商品に向いている。逆に薄いものや細いものは成形が難しい。脱型の際に一度変形することもあり幾何学形状などを正確に複製するには工夫がいる。また逆勾配でも成形できるといっても抜ける大きさや角度には限度があるため、原型製作および部品分割時にはそれを考慮する必要がある。素材の特質から通常のプラモデル用塗料の定着が悪く、年月の経過と共に素材から揮発する溶剤分で塗膜が溶出する。高い温度の環境に置くと変形し、直射日光の紫外線で変質するなど、経年変形が大きい。塩化ビニルの変質による健康への影響も懸念される。

ソフトビニールは1950年代以降人形などの玩具に広く使用されている。特に1960年代後半の第一次怪獣ブーム時にマルサン商店の発売したソフトビニール製の怪獣人形は大ヒットを記録した。しかしこれらの初期のソフビ怪獣は実際に画面で見た印象とかけ離れた造形のものが多かったため、ガレージキット黎明期にはソフトビニールはレジンキャスト製のリアルなガレージキットと対極の位置にあるものと考えられていた。その考えを180度改めさせたのがビリケン商会が1983年に発売したメタルーナ・ミュータントである。従来のソフビ人形とほぼ同じ手法で作られ、一部の勘着部が動くギミックまで持っていたのにも関わらず、ハママヤオの造形によるリアルなプロポーションと、詳細なモールドは、従来のソフビ人形とは完全に一線を画すものだった。また価格も先行して発売されたレジンキャスト版の1/3と非常に低く設定されていた。この製品はガレージキットファンからの高い評価を受け、以後ビリケン商会はハママヤオ原型によるソフトビニールキットを次々と発売した。程なくツクダホビーが追随し、その後海洋堂などの他のガレージキットメーカーもソフトビニールキットを手がけるようになった。また、初期のキットの多くがムービーモンスターを題材にしていたこともあり、アメリカに輸出されたビリケン商会製のキットは高い人気を得、アメリカでもホライゾン等の幾つかのメーカーがソフトビニールキットを手がけるようになった。
[Wikipediaから引用]