模型付きマガジン・特選商品を買うなら、ホビー好きが集まる、ホビコム by デアゴスティーニ

エンツォ・フェラーリ

【第18回】エンツォ・フェラーリ


眺めるだけで身震いするほどの、空力特性を追求したボディライン。その名はエンツォ・フェラーリ。GTカーの中では他に追従を許さない存在である。時速350キロの興奮を味わいたい者のために、マラネロの技術陣が生んだ極限のグランツーリズモだ。

ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは


最速のスピードと快適な車内空間

デアゴスティーニ編集部

▲フロント部はボディの空力特性を活かす設定。中央には空気の流れを調節する可変式ミニスポイラーがある。

エンツォは2002年に製造されたフェラーリF50の発展型として生まれた究極のクルマである。公道走行用として公認され、販売されたが、そのルーツが真紅のF1にあるのは明白な事実と言える。エンツォは、フェラーリがレースで長年培ってきた技術の粋を集めてつくられたマシンなのだ。それ故に、すべてのスポーツカー愛好家の羨望の的となっている。エンツォには、最新にして最高の技術、すなわちピニンファリーナの空力とフェラーリのエンジンテクノロジーが集結している。わずか399台のみが限定製造され、1台66万5000ユーロ(当時の日本円で約7800万円)の値がつくのは当然のことと言えよう。
エンツォは1984年のGTO、1987年のF40、そして1995年のF50と同様に特別限定車である。これら歴代の名車のように、技術的な進化だけではなく、世界中の顧客に求められ、サーキットでは最速、そして一般市場では商業的な成功を収めたのである。安全に関してもまた、最高のグランツーリズモ・レベルである。エンツォは、衝撃を緩和するためにCAEコンピューター方式を使用し、またボディ補強の効果を高くして、衝突時に最も圧力がかかる部分を強化することで、すべての衝突テストに合格。コンピューターの導入により、フレームはF50に比べ92kgも軽減することができた。またフレーム剛性を高めたことにより、さらに安全で操作に忠実なハイレベルの運転性を得ることができた。エンツォの設計開始は1998年だったが、なお最高水準の性能として評価されている。

時速350キロの確かな安全性

デアゴスティーニ編集部

▲エンツォはフェラーリ伝統の65度V型12気筒エンジンを受け継いだ。極めてコンパクトながら、660馬力を生む5998ccもの排気量をもち、単体重量はわずか225kg。これは通常4000cc級に匹敵する軽さだ。

エンツォは一般のクルマとは全く異なり、設計者の独自な趣向によってつくられたクルマである。運転する前にマニュアルを注意深く読み、専門家のアドバイスを受け、精密なコンピューターシステムの仕組みを学ぶことを勧める。たとえば公道上では「スポーツ(モード)」を使うか、サーキットでは「レース(モード)」を選ぶかなど、正確なドライブモードを判断をすることによってのみ、安全運転は可能となる。
最高出力660馬力、最大トルク657.3Nmという数値を叩き出す。潤滑系はレース仕様のドライサンプ。このV12エンジンには、電子制御6速トランスミッションが組み合わされ、ステアリングに2つのパドルシフトが付けられていることにより、通常のフロアシフトよりも敏速な操作ができるのである。シャシーは致命的な衝撃にも耐えられるよう、カーボンファイバーのハニカムサンドイッチ構造パネルを使用し、パネルの底はフラットでグラウンド・エフェクト(車体を下向きに吸い付ける力)を得るためのベンチュリートンネル(空気の通り道)が設置されている。性能については、メーカーの公式データによると時速350キロ以上も可能とあるが、この速度は一般道路では無理である。できるとすれば、長いストレートがあるサーキットで、しかも高速でレーシングカーを運転した経験が必須条件となるだろう。
コンピュータで制御された安全装置のABSとASRが付いているとはいえ、総重量およそ1.4トンの軽量に660馬力を誇るエンツォは、慎重にドライブしなければならない。エンツォの性能はフェラーリF1に匹敵するほどで、わずか3.68秒で時速100キロに到達。それは公道を走ることができるクルマとしては驚異的なスピードである。さらに、時速200キロに達するにはわずか10.74秒と加速性能は素晴らしく、400メートルで時速209.1キロに達し、1kmの走行で時速265キロを突破するのだ。

フェラーリ 栄光の系譜 <2005年〜2007年>

デアゴスティーニ編集部

▲430スクーデリアはF430シリーズをベースとしたが、レースの探究心を徹底的に追求した最高性能バージョンだった。

●F430スパイダー (2005年)
2005年春のジュネーブ・ショーで発表された、2シーター・オープン・フェラーリの最新世代。基本的にはF430と共通で、差異はボディの後半部に集中している。折り畳まれたルーフはコクピットの背後の蓋付きボックスに収納され、その蓋は2列のヘッドフェアリングとなって2個のロールバーにつながる。エンジンフードには内部を眺められるよう、透明の窓が切り抜かれている。調整可能なダンパーなど、電子制御もF430と共通だ。

●FXX (2005年)  
エンツォをベースに実質的なレーシングカーとして仕立てたモデルで、フェラーリとしてもサーキット以外で走行させることを禁じている。タイヤもレーシングタイプ以外は装着できない。顧客は過去の実績や技量によって厳しく選別され、生産台数も29台のみに限定された。このクルマの目的は、顧客がミハエル・シューマッハーなどのトッププロの指導による走行会に参加し、テストドライバーを演じ、フェラーリに各種データをフィードバックするところにある。

●599GTBフィオラノ (2006年)  
フェラーリ社内のテストコースとして知られたフィオラノの名を冠するが、日本では単に599とだけ呼ばれている。最新の空力理論で磨かれながら、丸みのあるフェンダーの先端に埋め込まれたヘッドライトなど、懐かしい1950〜60年代的な味わいも宿す。あらゆる電子制御装置で武装し、インテリアの装備も万全。ハードなスポーツ走行を楽しめる一方、手元のスイッチでマイルドなモードを選び、ゆったりした旅行にも使える万能の超高性能車だ。

●430スクーデリア (2007年)
ロードカーではあるが、ポルシェ911 GT3RSと同様に、レーシングカーとの境界線ぎりぎりのハード仕様車。1350kgの重量はノーマルのF430より100kgも軽く、全高も1200ミリとノーマルより15ミリ低い。20馬力アップしたエンジンの咆哮も挑戦的だ。トランスミッションも2ペダル6速シーケンシャル(パドルシフト)のF1マチックのみである。ただし、エアコンを標準で装備するなど快適性はそれほど損なわれておらず、実用的に使うことも不可能ではない。

(この記事はフェラーリ・グランツーリズモ<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]DeA Picture Library

公開日 2014/06/25


ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは



コメント0件


コメントを書く1,000文字以内

Ms_noimage

コメントを投稿するにはログインが必要です。