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F50

【第5回】F50


1995年に登場したF50は、フェラーリ創設50周年を記念して製作された近未来のスポーツカー。F1レースから得た経験をもとに新しい材質や技術が用いられた同車は、まさにフェラーリのフラッグシップ・マシンともいえる存在だ。

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新しいコンセプトをもつスーパースポーツカー

▲F1と同じコンセプトで開発設計されたF50は、長さ4.480メートル、高さ1.120メートルで、ハードトップを装着してベルリネッタへも変身できるスーパースポーツカーだ。(写真/DeA Picture Library)

過去から現代まですべてのグランツーリズモと異なり、F1でのレース経験からフィードバックして設計された、近未来のスポーツカーであるF50は、まさにフェラーリの技術が結集されたフラッグシップ・マシンである。4年という長い歳月をかけて設計され、1995年にカーマニアを対象として限定349台が生産された同車は、フェラーリ創設50周年を記念すべく、高額投資によりつくられ、その価値に見合う価格で発売された。その桁違いな性能は、各パーツにおける品質の高さが物語っている。最高出力520馬力、4.7リッター、5バルブ、12気筒のミッドシップエンジン、カーボンファイバー製198kgの超軽量高剛性のシャシー、空力を充分に配慮して設計されたピニンファリーナ製ボディ(同じくカーボンファイバー製)、運転の正確さと安全性を高めるプッシュロッド式サスペンションなど、すべてが最高の品質=高性能。スポーツカーとしての適性が充分過ぎることは言うまでもないが、エンジンの柔軟性、操作のしやすさなど、公道でも難なく運転できるスーパースポーツカーである。

レースに学ぶ数々の教えと徹底した軽量化

▲リヤについた大きなウイングは、リヤ部分のダウンフォースを統合するよう研究されつくり上げられたもので、タイヤのグリップ力を高めている。(写真/DeA Picture Library)

F1レースから得た経験をグランツーリズモに結びつけることができたフェラーリは、当時、ほとんど使用されていなかった材質や技術を用いて、スーパースポーツカーF50をつくりあげることに成功した。たとえば、シャシーをつくるにあたっては、カーボンパネル2枚の間にエポキシ樹脂製の強度部材をサンドイッチしたハニカムプレート(ノーメックス社製)が使用された。結果として、ねじれ剛性(3550kgm/度)が高いにもかかわらず、シャシーの重量はわずか102kg(F1マシンの2倍弱)で、車体総重量はおよそ1230kgとなった。
シート後方にある厚さ30ミリの防音素材を使ったバルクヘッドで、コクピットはエンジンルームと遮断されている。また、F1用に開発された12気筒エンジンは、サーキットで200時間以上耐久テストを行い、グランツーリズモ用に再開発された。鋳鉄製、ドライサンプ、65度V型12気筒、5バルブで、ブロックの肉厚は2ミリと非常に薄く、総排気量は4700ccでシリンダーの壁面には特殊なコーティングが施されている。シリンダーヘッド(アルミ製)は、2本のチェーンで駆動するDOHCを備えていた。サスペンションも、最高レベルの技術を導入。F50では高いレスポンスと正確な操作性を追求した結果、F1と同じく、スプリングとショックアブソーバーを車体内部の高い位置に寝かせて配置し、ホイールとの間を長いプッシュロッドで結んだ特殊なダブルウィッシュボーン方式になっている。
さらに、50には徹底した軽量化が導入されている。そのためコクピットは、シャシーとボディが一体化されたモノコック構造が採用され、これはF50の核を担うコンセプトとなっている。高級レザーが張られたシートのフレームは、カーボンファイバーでできており、中央部分は吸湿性の高い特殊繊維を使用。スーパースポーツカーのユーザーに最高の品質と快適さを提供している。シート両サイドのサポートはゆったりしているが、ドライバーの体をしっかりとホールドするため、急コーナーでも安定してステアリング操作が行えるのだ。また、機能性を重視したメーター周りも、徹底してカーボンファイバーを使用することで軽量化を計り、車内空間はレーシングカー感覚たっぷりのラグジュアリースペースとなった。

フェラーリ 栄光の系譜 <1965年~1966年>

▲それまでのSOHC形式ではなく、DOHCが採用された275GTB/4。(写真/DeA Picture Library)

●330GT 2+2(シリーズⅡ) (1965年) 
実用性の高さを求めるファンからは歓迎された330GT2+2だったが、ただ1点不評だったのがフロントエンドのデザインで、大きく目を見開いたようなデュアル・ヘッドライトがスマートさを損なうとの声が多かった。発売の翌年には、さっそく手直しを施されたセカンドバージョンが登場した。それまでの250GTにも似た円形の2灯式ヘッドライトに変えるだけで、誰もが安心して受け入れられるフェラーリの雰囲気に戻ったのは事実だ。

●275GTB/4 (1966年)
フェラーリ・グランツーリズモでは創業以来SOHC形式が用いられてきたが、スポーツカー界でDOHCが勢力をのばしてきたため、最もホットな275GTBから設計変更され、DOHCが採用された。V型エンジンで左右のバンクごとにカムシャフトが2本だから合計4本になり、車名も275GTB/4と改められた。同時にノーズとテールのデザインも少し変更され、やや全長ものびている。スパイダー仕様の275GTS/4は、空気抵抗の増加で最高速度が20キロ低い。

●275GTS/4 NART (1966年) 
アメリカの東半分を受け持ち地域とする販売店網を率い、フェラーリの伝導者として活躍したルイジ・キネッティが独自に企画し、スカリエッティの協力を得て発売した特別仕様の275GTS。ほとんど全面的にベース車のままだが、特別の塗装や内装に凝り、往年のレーシングスパイダーの雰囲気を醸している。キネッティのチーム(NART)からレースに出走したこともあった。製造数は10台だけで、オーナーのなかには俳優スティーブ・マックィーンの名もある。

●330GTC (1966年) 
成功作330GT 2+2と共通のエンジンやギアボックスを使いながら、ホイールベースを2400ミリに短縮した2シーターのクーペ。高性能のスポーツカー風味と適度の快適さを同時に味わえるという点では、ロングセラー250シリーズの後継モデルと言える。快適さという点では、使い慣れたGTB(ベルリネッタ)の名称を使わず、わざわざクーペと名乗っているところにもポイントがありそうだ。リヤサスペンションは275GTB/GTSと同様の独立式を採用した。

(この記事は、フェラーリ・グランツーリズモ<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真] DeA Picture Library

公開日 2013/05/24


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