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208GTBターボ

【第8回】208GTBターボ


ターボチャージャーが隆盛を極めていた1982年、フェラーリは同社初の市販ターボ車である208GTBターボを発表。大きなエンジンに匹敵するような性能を得たこのスポーツカーは、後に日本製のターボチャージャーに変更され、よりパワーアップされた。

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フェラーリ初の市販ターボ車

▲208GTBターボの基本的な外観は、1980年に登場した208GTBと変わらず、その源流は1975年デビューの308GTBにまで遡ることができる。(写真/DeA Picture Library)

F1などのレーシングカーだけでなく、公道を走るクルマも、ターボの全盛期を迎えたのが1980年代。そこでエンツォ・フェラーリも、「時代の要求に即応したスポーツカーらしいスポーツカー」となるターボ車をつくることにした。このフェラーリの市販車としては初の試みとなる新技術を与えられたのが、1982年に発表された208GTBターボ。前モデル(1980年登場の208GTB)のV8エンジンをベースにターボチャージャーで武装した結果、最高出力は155馬力から220馬力にまで大幅に向上した。その裏には、当時のイタリアにおける税制も深く関係していた。政府が奢侈税的な観点から排気量2000ccを超えるクルマへの課税額を大幅に引き上げたため、性能を向上させるには排気量を拡大するより、それと同等の効果を持つ「過給」方式をとる方が得策だったのだ。過給には大きく分けてターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類があるが、1980年代の主流はターボであり、フェラーリとしてもすぐ使える手法としてこれを選択。その結果、208GTBターボは基本的には1991ccでありながら、はるかに大きいエンジンに匹敵する性能を獲得したのだった。

ターボによる大幅なパワーアップ

▲こぢんまりとまとまった208GTBターボのリヤエンド。オーナー向けのオプションとして、スペースの限られたトランクルームにぴったりはまる専用の革製スーツケースなどが販売された。(写真/DeA Picture Library)

ターボの利点は、エンジン自体の構造に大きく手を加えないまま充填効率を高めることによって、排気量の増大に匹敵するパワーとトルクを得られるところにある。普通に空気を吸い込むだけのノンターボと異なり、排気で駆動されるタービンと同軸のコンプレッサー・タービンにより、大気圧を上回る圧力で本来のシリンダー容積相応以上の空気を取り込むことができ、供給する燃料もそれに応じて多くできるからだ。208GTBターボの場合、原型となった208GTBと比べると、異常燃焼を防ぐため圧縮比が9:1から7:1に引き下げられたほか、長いダクトを引き回したため吸気管系の容積が2リッターほど増大し、ウェバー34DCNFキャブレターに代えてボッシュ製Kジェトロニック燃料噴射装置を装着したことが違う程度。それまでのピッコロ(スモール)・フェラーリ各世代と同じくエンジンはコクピットの背後に横向きに搭載され、5速MTを介して後輪を駆動する。ただし、完成したものの、208GTBターボの性能(220馬力)はフェラーリが期待した水準に達していなかった。後にターボチャージャーをドイツのKKK製から日本のIHI製に替え、吸気を冷却して密度を上げるためのインタークーラーも併用することによって、GTBターボ用の254馬力仕様へと発展することになったのである。

フェラーリ 栄光の系譜 <1970年~1973年>

▲十数年ぶりにベルトーネがデザインを手がけたディーノ308GT/4は、ミッドエンジンながら2+2の4人乗りであることが最大の特徴。

●512S (1970年)
公道を走ることのできない純粋なレーシングカーとして、1970年のスポーツカー世界選手権に参戦するために開発された。アルミモノコックの背後にツインカム4バルブの大排気量エンジンを積み、サーキットの性格に合わせて長さの異なるテールを使い分けた。ただし、打倒をめざしたポルシェ917に対して性能と耐久性でわずかに及ばず、セブリング12時間で1勝を挙げたにとどまる。翌年512Mに進化するが、規則の改定にともない、312PBに道を譲った。

●365GTC/4 (1971年)
DOHCのエンジンなど、メカニズムの面では新しい世代に属するグランツーリズモだったが、最大の特徴は、ボディ全体をひとつの翼に見立てたようなデザインにあった。きわめてシンプルで新しい提案だったが、スーパーカーの顧客には保守的な感性の持ち主も多かったため、ひと足時代を飛び超えてしまったと批判する声も多かった。ただし、このクルマに採用されたモチーフ(特にフロント)は、やがてディーノなどに広く応用されることになる。

●365GT/4 2+2 (1972年)
すっきり簡潔な直線によって構成された新デザインを持つ4シーター・フェラーリ。このデザインと、フロントシートを前寄りにした配置のため、それ以前の2+2系よりリヤシートの居住性は改善されている。このように大きな抑揚を排した造形は、1970年代のピニンファリーナによく見られる手法だ。車体サイズは大きいが、フレーム設計の考え方などには365GTB/4デイトナとの共通点も多い。エンジンはDOHC化されている。

●ディーノ308GT/4 (1973年)
1950年代の166シリーズや1960年代の250GT SWB(の一部)以来、フェラーリと縁がなかったベルトーネが、フィアットの仲介で久しぶりに手がけたクルマがディーノ308GT/4。ミッドエンジン(横置きV8)ながら2+2の4人乗りを実現したユニークさが最大の特徴だ。全体のなかでキャビン部分が占める比率の大きいデザインが、実用性の高さを物語る。フェラーリらしい迫力は乏しいが、まとまりの良さが評判を呼び、3000台以上も売れるヒットになった。

(この記事は、フェラーリ・グランツーリズモ<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真] DeA Picture Library

公開日 2013/08/28


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