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「やくも」

【第41回】 「やくも」


出雲大社がある島根県出雲市周辺は、古くから神話の国として名高い。この「出雲」にかかる枕詞「八雲立つ」を列車名の由来に持つのが「やくも」だ。34.9改正で山陰本線西部と九州を結ぶ気動車準急として登場した「やくも」は、40.10改正で一躍、新大阪〜浜田間の気動車特急に抜擢され、以後、特急としての道を歩み始めた。47.3改正では伯備線を経由する岡山発着の陰陽連絡特急として定着した。

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分割し再び併結する運用を持つ 初代の気動車準急時代

デアゴスティーニ編集部

運転系統の違いはあれ、「やくも」はその名が誕生した34.9改正以来、ずっと山陰地方を指向して運転されている。現在の「やくも」は47.3改正で登場した3代目で、381系4〜6連の陰陽連絡特急として活躍した。

山陰本線は京都、兵庫、鳥取、島根、山口の1府4県を股にかける673.8kmの長大幹線だが、昭和31(1956)年11月19日改正時点では、優等列車が東部からの運転に集中しており、それも松江や出雲市(当時は出雲今市)、浜田までの運転だった。島根県を越えて山口県へ入る西部の方は客車普通列車のみで、それらの一部のみに大阪や京都へ直通する長距離普通列車が存在する状況だった。
このように、昭和30年代前半の山陰本線西部は著しく近代化が遅れていたわけだが、そこに光明が差して来たのは昭和34(1959)年のことだった。前年から着々と増備され始めた準急型のキハ55型気動車グループが当時の米子機関区にも配置されるようになり、同年 9月22日改正で山陰西部では初の優等列車となる準急「やくも」が米子〜博多間に設定された。その当時のダイヤは803D/米子9時 00分→博多17時20分、804D/博多10時00分→米子18時25分で、蒸機牽引の客車列車ばかりだった地域において、煙のない快適な旅ができるキハ55型気動車グループは人気の的になった。
そして、翌年9月1日からは、編成の一部を美祢線経由とする運転が開始されている。昭和36(1961)年9月当時のダイヤは、803D(〜703D)/米子9時00分→正明市(現・長門市)14時08分・14時13分→下関15時48分(正明市14時13分→厚狭15時10分・15時13分→下関15時43分)・15時52分→博多17時16分、804D(〜704D)/博多10時03分→下関11時26分・11時29分→正明市12時58分(下関11時34分→厚狭12時02分・12時02分→正明市12時56分)・13時03分→米子18時35分で、下り列車の場合、正明市では、山陰本線をそのまま西進する803Dと美祢線を経由する703Dが分割され、約1時間30分後には下関で両編成が再び併合するという、「離れ業」的運用が組まれていた。このような形の分割・併合が行なわれていたのは、この「やくも」と後身の「やえがき」、さらに「やえがき」を改称した「さんべ」のみで、昭和60(1985)年3月14日改正まで続けられた。

47.3では岡山発着で新幹線への接続列車に

デアゴスティーニ編集部

94.12改正ではパノラマグリーン車を連結した「スーパーやくも」が登場したが、06.3改正からはこの編成も「やくも」として運転されるようになった。

この2代目「やくも」は、山陰本線東部での利用率が高かったことから、昭和40年代前半は「まつかぜ」とともに山陰の2大看板としてすっかり定着した感があったが、山陽新幹線が岡山まで開業した昭和47(1972)年3月15日改正では、同駅を軸に新幹線接続の特急列車体系が整備され、山陰方面の特急は伯備線を経由する岡山発着の列車が登場することになった。伯備線では改正前から新大阪〜出雲市間で特急「おき」(2代目)が運転されていたが、新幹線に接続する「陰陽連絡」の新たな使命を帯びた意味合いからか、岡山発着特急には知名度の高い「やくも」の名が採用されることになった。これが現在の3代目「やくも」で、運転開始当初は次の4往復が設定された。
・「1・4号」=2031D/岡山10時43分→出雲市14時20分、2032D/出雲市14時50分→岡山18時22分
・「2・3号」=2033D/岡山13時18分→出雲市16時53分、2034D/出雲市11時04分→岡山14時47分(「3号」は多客時に浜田始発になる場合あり)
・「3・2号」=2035D/岡山15時18分→益田21時08分、2036D/益田7時00分→岡山12時47分
・「4・1号」=2037D/岡山18時43分→出雲市22時22分、2038D/出雲市6時40分→岡山10時22分
車両は、伯備線が山岳線区であることから、強馬力の181系気動車が使用され、全列車に食堂車が連結されていた。
この3代目「やくも」は、JR移行後の平成6(1994)年12月3日改正で智頭急行経由の特急「スーパーはくと」が登場するまで、名実ともに陰陽連絡特急のエースとして君臨し、6往復となったのちの昭和50(1975)年3月10日改正では、気動車特急として初めてエル特急に指定された。

47.3では岡山発着で新幹線への接続列車に

デアゴスティーニ編集部

「やくも」の3代目は181系気動車の長大編成が圧巻だった。奥羽特急「つばさ」が昭和50(1975)年11月25日に485系化されてからは、食堂車を営業する181系気動車は「やくも」だけになっていた。

この2代目「やくも」は、山陰本線東部での利用率が高かったことから、昭和40年代前半は「まつかぜ」とともに山陰の2大看板としてすっかり定着した感があったが、山陽新幹線が岡山まで開業した昭和47(1972)年3月15日改正では、同駅を軸に新幹線接続の特急列車体系が整備され、山陰方面の特急は伯備線を経由する岡山発着の列車が登場することになった。伯備線では改正前から新大阪〜出雲市間で特急「おき」(2代目)が運転されていたが、新幹線に接続する「陰陽連絡」の新たな使命を帯びた意味合いからか、岡山発着特急には知名度の高い「やくも」の名が採用されることになった。これが現在の3代目「やくも」で、運転開始当初は次の4往復が設定された。
・「1・4号」=2031D/岡山10時43分→出雲市14時20分、2032D/出雲市14時50分→岡山18時22分
・「2・3号」=2033D/岡山13時18分→出雲市16時53分、2034D/出雲市11時04分→岡山14時47分(「3号」は多客時に浜田始発になる場合あり)
・「3・2号」=2035D/岡山15時18分→益田21時08分、2036D/益田7時00分→岡山12時47分
・「4・1号」=2037D/岡山18時43分→出雲市22時22分、2038D/出雲市6時40分→岡山10時22分
車両は、伯備線が山岳線区であることから、強馬力の181系気動車が使用され、全列車に食堂車が連結されていた。
この3代目「やくも」は、JR移行後の平成6(1994)年12月3日改正で智頭急行経由の特急「スーパーはくと」が登場するまで、名実ともに陰陽連絡特急のエースとして君臨し、6往復となったのちの昭和50(1975)年3月10日改正では、気動車特急として初めてエル特急に指定された。

JR移行後は381系を新製投入し 四国乗入れ列車も

デアゴスティーニ編集部

中央西線、紀勢本線に引き続き、3番目に振り子車両381系が投入された伯備線。カーブが多い同線のスピードアップに貢献した。

昭和50年代に入っても「やくも」の6往復態勢は続いていたが、勾配が多い伯備線では気動車によるスピードアップにも限界があり、陰陽連絡のエースとしてその高速化は永年の課題となっていた。そこで、昭和57(1982)年7月1日改正では、新設された当時の出雲電車区(現・出雲鉄道部出雲車両支部)に381系電車81両が新製投入されたのを機に全列車が同系に置き換えられ、岡山〜出雲市間の所要時分は30分以上短縮された。また、運転本数は気動車急行「伯耆」2往復を格上げし、季節列車1往復を含む8往復に躍進したが、電車化により「やくも」から食堂車が姿を消している。
以後、「やくも」の増発は緩やかに行なわれ、昭和61(1986)年11月1日改正では季節1往復を含む9往復(季節列車は63.3改正で定期化)に、JR移行後の平成4(1992)年3月14日改正では大台の10往復に達した。その間、平成元(1989)年3月11日改正では、1往復で高松までの季節延長が開始され、平成3(1991)年3月16日改正まで続けられた。

パノラマグリーン車連結の「スーパーやくも」が登場

デアゴスティーニ編集部

97.11改正では、「スーパーやくも」色の381系在来編成も登場し、「やくも」グループは2時間間隔での運転となった。

13往復態勢となった平成6(1994)年12月3日改正では、パノラマ型グリーン車を連結したグレードアップ編成が4往復に充当されるようになり、これらは「スーパーやくも」と命名された。
「スーパーやくも」は、平成9(1997)年11月29日改正では7往復に拡大され、「やくも」グループは14往復に。さらに平成11(1999)年3月13日改正では、「やくも」8往復、「スーパーやくも」7往復の15往復態勢となった。しかし、平成18(2006)年3月18日改正では、「やくも」グループの等間隔運転化と到達時分の均一化が図られたため、「スーパーやくも」は「やくも」に吸収され姿を消している。また、「やくも」では、一部列車でグリーン車が連結されない場合があったが、この改正では全列車にグリーン車が連結されている。

※この記事は、週刊『鉄道データファイル』(デアゴスティーニ・ジャパン刊)を基に構成したものです。

公開日 2016/05/13


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