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「由布」

【第7回】「由布」


久留米と大分を結ぶ久大本線は、雄大な由布岳や全国的にも名高い温泉リゾート地・湯布院を控えた観光路線として知られているほか、別府への温泉行楽の足としても機能していることから、博多と別府を結ぶ行楽向け列車が昭和20年代から運転されていた。一時は「ゆのか」「由布」「西九州」という3列車がラインアップを飾っていたが、昭和50年代には急行「由布」に統一されJR移行後も走り続けた。そして現在は、「ゆふ」と「ゆふいんの森」の2本態勢で運行されている。

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「ゆのか」を補完する北九州の半循環列車として登場

デアゴスティーニ編集部

由布岳をバックにヘッドマークを掲げて走る急行色の「由布」。博多〜別府間は久大本線経由でも日豊本線でもほとんど距離が変わらなかったため、「由布」は温泉行楽の足としても重宝されていた。

久大本線を走る行楽列車は、昭和26(1951)年11月25日から運転が開始された博多〜別府間の臨時客車快速3601・3602列車に端を発する。別府行きの3601列車が土曜運転、博多行きの3602列車が日曜運転という典型的な温泉行楽列車で、久大本線内はC58が牽引していた。この列車は、昭和28(1953)年5月に「ゆのか」という愛称名が付き、昭和31(1956)年11月19日改正では毎日運転の定期列車に格上げされた。昭和35(1960)年2月5日からは気動車準急に格上げされ、博多〜久留米〜大分〜小倉〜博多間の循環列車となった。
この「ゆのか」は、準急格上げ後も人気は上々で、その混雑を緩和する目的で昭和36(1961)年10月1日改正で博多〜門司港間に準急「由布」が次のダイヤで設定された。
605D/博多8時33分→久留米9時07分・9時08分→大分11時38分・11時42分→小倉14時07分・14時09分→門司港14時27分
606D/門司港14時53分→小倉15時07分・15時10分→大分17時34分・17時37分→久留米20時13分・20時13分→博多20時48分
「由布」は、北九州をUの字状に走る半循環列車で、姉妹列車の循環列車「ゆのか」は、「由布」とはほぼ逆の時間帯で運転されていた。なお、「由布」の博多〜門司港間のうち、昭和37(1962)年12月には利用率の低い小倉〜門司港間が廃止されている。
一方、昭和39(1964)年4月10日には、久大本線に第3の優等列車として準急「西九州」が設定されたが、この列車は長崎、佐世保と別府を結ぶ東西横断型の列車で、「ゆのか」「由布」とはやや趣が異なる列車だった。
さて、久大本線は、夜明で日豊本線の城野から分岐する日田彦山線と合流するが、「由布」は昭和40(1965)年10月1日改正で同線を経由する直方〜由布院間の「日田」を、昭和43(1968)年10月1日改正で門司港→由布院間の「はんだ」を日田〜由布院間で併結するようになった。この併結は「はんだ」が昭和55(1980)年10月1日改正まで、「日田」が昭和60(1985)年3月14日改正まで続けられ、昭和50(1975)年3月10日改正では「はんだ」「日田」側がキハ66・67に置き換えられたことから「由布」のキハ58型気動車グループとのコンビを見ることができた。

「ゆのか」「西九州」を吸収3往復の最大勢力に

デアゴスティーニ編集部

急行「由布」に代わって92.7改正から登場した特急「ゆふ」。JR四国で余剰となった185系特急型気動車が充当され、「ゆふDX」登場後は、その代走的役割を担っている。

「ゆのか」「由布」「西九州」の久大3準急は、昭和41(1966)年3月5日に揃って急行に格上げとなり、昭和43(1968)年10月1日改正では「ゆのか」の日豊本線内が電車化され、残る博多〜久留米〜大分間が「由布」に編入された。その結果、「由布」は次の2往復となった。
・「1・2号」=601D/博多7時53分→別府11時30分、604D/別府17時20分→博多21時07分(日田〜由布院間「日田」併結)
・「2・1号」=603D/博多15時35分→別府19時34分(日田→由布院間「はんだ」併結)、602D/別府11時42分→博多15時15分
このときから、「ゆのか」の系統分離や日豊本線内で急行「フェニックス」とダイヤが競合するなどの理由で半循環運転が解消されている。さらに、昭和55(1980)年10月1日改正では、久大本線内で並走していた「西九州」の長崎、佐世保〜鳥栖間が廃止され、残る区間が「由布」に編入された結果、「由布」は次の3往復となった。
・「1・4号」=601D/博多7時47分→別府11時25分(日田→由布院間「日田」併結)、604D/別府11時42分→博多15時29分
・「3・6号」=603D/博多13時02分→別府16時47分、606D/別府17時30分→博多21時28分
・「5・2号」=605D/博多17時26分→別府21時05分(大分→別府間普通列車)、602D/別府8時10分→博多11時48分
なお、日田〜由布院間で併結していた「日田」は、この改正で快速に格下げられ、上りは久大本線へ乗り入れなくなったが、下りでは「由布1号」との併結が継続された。

JR移行後のニューウェーブ「ゆふいんの森」

デアゴスティーニ編集部

89.3改正から風光明媚な久大本線に登場したハイデッカー編成の「ゆふいんの森」。現在は71・72系気動車の4両編成による3往復となり、湯布院への足としてすっかり定着した。

55.10改正で最大の3往復となった「由布」も、国鉄末期にはやや翳りを見せるようになり、昭和59(1984)年2月1日改正ではグリーン車の連結が中止された。それでも、JR移行後は3往復が揃って生き残り、平成元(1989)年3月11日改正では車両のアコモデーションが改善される動きもあったが、特急化の波には抗しきれず、平成4(1992)年7月15日改正ではJR四国で余剰となった185系気動車を活用した特急「ゆふ」に格上げされた。その当時のダイヤは次の通りだった。
・「1・4号」=81D/博多7時48分→別府10時58分、84D/別府11時57分→博多15時07分
・「3・6号」=83D/博多11時49分→別府14時52分、86D/別府17時50分→博多20時53分
・「5・2号」=85D/博多16時40分→別府19時41分、82D/別府8時04分→博多11時13分
その間、平成元(1989)年3月11日改正では、季節列車ながら久大本線の目玉として特急「ゆふいんの森」が博多〜別府間に新設され、キハ58やキハ65を改造したハイデッカータイプの71系気動車が投入された。さらに、平成4(1992)年7月15日改正では、「オランダ村特急」に使用されていた183系1000番代気動車を転用して博多〜別府〜小倉間に1往復が増発されたが、平成7(1995)年4月20日改正では別府以北が廃止されている。
「ゆふいんの森」は、久大本線を代表する観光列車としてうなぎ上りに人気が高まり、平成11(1999)年3月13日改正では、71系気動車と類似した新製車である72系気動車が投入され、次のように3往復化された。
・「1・2号」=7001D/博多9時38分→由布院11時47分、7002D/由布院12時09分→博多14時31分
・「3・4号」=7003D/博多10時20分→別府13時38分、7004D/別府15時11分→博多18時34分
・「5・6号」=7005D/博多15時06分→由布院17時12分、7006D/由布院17時32分→博多19時52分
 その結果、183系1000番代気動車は長崎本線、佐世保線系へ戻り、特急「シーボルト」に転用された。

プレミアムイエローの「ゆふDX」の登場

デアゴスティーニ編集部

平成20(2008)年からプレミアムイエローに塗色変更された「ゆふDX」。

一方、「ゆふ」の方は、この改正で由布院〜別府間の区間列車が増発され4往復となったが、平成14(2002)年3月23日改正では再び3往復となり、2往復が博多〜別府間、1往復は博多〜大分間の運転となった。
平成16(2004)年3月13日改正では、「ゆふ」の体質改善の一環として、「シーボルト」に転用されていた183系1000番代気動車が久大本線に戻り、博多〜大分、別府間の「ゆふDX」として運転されるようになった。これにより、久大本線系の優等列車は、基本的に「ゆふDX」「ゆふいんの森」の2本建てとなったが、71・72系気動車や183系1000番代は予備編成を持たないため、「ゆふDX」の場合は、指定する一部の期間と奇数日、偶数日の別に185系気動車を使用する「ゆふ」として運転される変則運用となっている。
そんな「ゆふDX」も、平成20(2008)年3月11日からは、登場当初の漆色をイメージしたカラーから、「緑の森の中に光り輝く山吹色」をイメージしたというプレミアムイエローに塗り替えられ、面目を一新した。
しかし、そんな「ゆふDX」も、平成23(2011)年1月には廃止の憂き目をみることになった。
現在は、「ゆふ」と「ゆふいんの森」の2つの態勢で運行されている。

※この記事は、週刊『鉄道データファイル』(デアゴスティーニ・ジャパン刊)を基に構成したものです。

公開日 2013/07/22


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