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M1エイブラムズ・シリーズ

【第1回】 M1エイブラムズ・シリーズ <主力戦車>


M60の後継戦車として開発されたM1エイブラムズは、さまざまな改良が施され、湾岸戦争やイラク戦争でその能力の高さを証明。いまなお進化し続けるアメリカの主力戦車である。

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M60シリーズの後継主力戦車

デアゴスティーニ編集部

▲2004年4月、イラクで活動するアメリカ陸軍第1歩兵師団第4騎兵連隊第1大隊のM1A1エイブラムズ。(写真/U. S. Army)

 1970年代初め、105mm砲搭載のM60シリーズがすでに開発の限界に達していたことから、アメリカ陸軍はM60の後継となる新型主力戦車(MBT)の開発に着手した。1973年の中期に、クライスラー(その後、ゼネラル・ダイナミックスの一部門として吸収された)とゼネラル・モーターズの2社に対して、それぞれ新型MBT試作車の設計と製作を発注。当初「XM815」と呼ばれ、後に「XM1」という名称が与えられた試作戦車には、M60シリーズに搭載されていたものと同じM68 105mm砲が装備された。そして評価試験の結果、クライスラー社の設計が採用され、M1エイブラムズとして量産発注がスタート。生産はデトロイト戦車工場とリマ陸軍戦車工廠の2か所で行われたが、最終的にはリマ陸軍戦車工廠に集約されることになった。ちなみに、「エイブラムズ」という名称は、第二次世界大戦中の第4 機甲師団の陸軍大将であり、XM1 プロジェクトの熱心な推進者であったクレイトン・エイブラムズに由来する。

電子機器類の改良が施されたM1A2

デアゴスティーニ編集部

▲2012年6月、マリーンウィークのイベントに備え、アメリカのクリーブランド中心部を走るアメリカ海兵隊第4海兵師団第4戦車大隊のM1A1エイブラムズ。(写真/U.S. Marine Corps Cpl. Marcin Platek)

 M1の最初の量産車両はM68 105mm旋条砲を搭載していた。その後、装甲をさらに強化した改良型M1(IPM1)が製作された。1984年8月に完成したM1A1では、120mm滑腔砲を採用するなど多くの改良が盛り込まれたが、この主砲は、レオパルト2(ドイツ)の主砲の改良版である。湾岸戦争に投入されたM1A1は、その能力の高さを証明し、2003年のイラク戦争でも活躍した
 M1シリーズは、全モデルが7.62mm同軸機関銃を装備し、さらに装填手ハッチに同口径機関銃、車長ハッチに12.7mm機関銃を搭載している。さらに、NBC(核/生物/化学戦)システムと火災探知/消火システムが標準装備されている。また、M1A1HAでは、車体と砲塔の防御に劣化ウラニウム装甲が採り入れられた。
 現行量産型のM1A2には、車長専用の視察システムである独立感熱画像視察装置、最新の自己位置測定・航法装置、戦場での情報共有を可能にするデータ取得や通信用のインターフェイスが搭載されるなど電子機器類のシステム向上をはじめ、さまざまな改良が加えられており、さらにM1A2 SEP(システム強化パッケージ)仕様へとアップグレードされている。
 一方で、車体重量を50t台にまで軽量化したM1A3の開発も現在行われており、2014年までに試作車が登場し、2017年には試験的に投入される予定。なお、現在までのM1シリーズの海外運用国は、エジプト(M1A2)、クウェート(M1 A2)、サウジアラビア(M1A2)、オーストラリア(M1A1)である。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲イラクの首都バグダードの通りをパトロールするアメリカ軍のM1A1エイブラムズ。(写真/U. S. Army)

M1A2
乗員:4名
寸法:全長9.83m、全幅3.66 m、全高2.89m
エンジン:出力1,500馬力のガス・タービンと全自動トランスミッション
重量:63,036kg
性能:最大路上速度68km/h、最大航続距離426km、渡渉水深1.219m、登坂能力60%、越堤能力1.067m、越壕能力2.743m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真] U. S. Army/U.S. Marine Corps

公開日 2012/12/14


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