模型を作ってシェアするホビーコミュニティ ホビコム by デアゴスティーニ

T-54/T-55

【第18回】T-54/T-55  <主力戦車>


T-54は、第二次世界大戦以降のソ連/ロシア軍戦車の中で最も大量に生産された戦車である。T-54の試作車両は1946年に完成し、量産はその数年後に開始されたが、改良型のT-55が生産を終了したのは1980〜81年のことであった。このシリーズは、合計50,000両以上が生産されたと見られている。

ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは


戦後第一世代の主力戦車T-54

デアゴスティーニ編集部

▲T-54-2(1949年型)砲塔の形状は、完全なお椀形ではなく、後部にショットトラップが存在する。

1940年代後半に開発されたT-54の車体は全溶接構造で、前部操縦区画、中央戦闘区画、後部動力区画に区分されている。車体前部の傾斜装甲板に前方射撃用の7.62 mm機関銃が取り付けられていることで、車体前部に座る操縦手がステアリング右側のボタンを押して射撃する。車長と砲手は砲塔の左側に、装填手は右側に配置。砲塔は鋳造製で、頭頂部は溶接されている。エンジンとトランスミッションはT-54の大きな弱点の一つで、実用部隊における信頼性も非常に低い。
主砲は100mm D-10旋条砲で、熟練の乗員であれば毎分4発のスピードで発射することができる。弾薬34発を携行でき、発射可能な弾薬には、曳光徹甲弾(AP-T)、曳光被帽徹甲弾(APC-T)、榴弾(HE)、破片榴弾(HE-FRAG)、翼安定式対戦車榴弾(HEAT-FS)、高速装弾筒付曳光徹甲弾(HVAPDS-T)がある。HVAPDS-Tは、T-54の量産開始後しばらくしてから採用されたもので、1,000mの距離から200mm超の装甲を貫通することができる。しかし、主砲の俯角はわずか−5°で、このため車体下方に向けての砲撃はほぼ不可能で、これは、T-54の大きな欠点の一つとなっている。
副兵装は、車体前部および主砲同軸の7.62mm SGMT機関銃と、装填手ハッチに取り付けられた12.7mm DShKM対空機関銃である。T-54は煙幕発生装置を有していないが、車体左側のキャタピラのやや上にある排気管にディーゼル燃料を送り込み、ディーゼル排煙を散布することができる。
T-54は、おそらく戦後最も大量に生産されたソ連製戦車と思われる。第二次世界大戦以降、T-54は幾度となく戦場に登場し、特に中近東ではアラブ諸国がイスラエルとの戦闘に使用した。

T-55の登場

デアゴスティーニ編集部

▲ポーランド軍のT-54。

T-54の後期型では数多くの改良が加えられたが、これらをすべて盛り込んだ戦車がT-55という新しい名称で生産されることになった。この戦車は、1950年代後半から採用された。
T-55には砲塔内換気装置がなく、装填手キューポラと12.7 mm機関銃は取り外され、動力機関は580馬力のV-55ディーゼル・エンジンに換装された。車内燃料積載量は812rから960rに増加され、行動半径は400kmから500kmに拡大している。主砲はD-10T2Sで、携行弾薬数は37発である。その後、一部の車両には12.7mm機関銃が再搭載され、T-55(M)と命名された。
最終量産型はT-55Aで、このモデルは1963年に初めて確認された。T-55AはT-55と類似しているが、従来のSGMT機関銃に代えて7.62mm PKT機関銃が主砲同軸に搭載され、車体前部の機関銃は撤去された。また、主砲の携行弾薬数は43発に増やされ、対放射能材を採用するなど、細部にもいくつかの改良が施されている。T-55Aに対空機関銃を装備したモデルはT-55A(M)と呼ばれる。
T-55はさまざまな改良を施された車両が現在も広範に使用されており、またT-55をベースとした特殊車両も数多く存在する。オムスク工場におけるT-55の生産は、より高性能のT-62の生産中止後も続けられ、1980〜81年頃に終了したと考えられている。冷戦終結に伴う東ヨーロッパ諸国の軍備縮小によって、大量のT-55が輸出されてた。T-55はT-54とひとまとめにされてT-54/55と表記されることも多い。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲T-55は現在では旧式化しているが、改良を施された車両や特殊車両も数多く存在する。

T-54
乗員:4名
寸法:全長9.00m(主砲含む)、車体長6.45m、全幅3.27m、全高2.40m
エンジン:出力520馬力のV型12気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:36t
性能:最大路上速度48km/h、最大路上航続距離400km、渡渉水深1.4m、登坂能力60%、越堤能力0.8m、越壕能力2.7m
兵装:100mm D-10主砲1門、7.62mm機関銃2挺、12.7 mm DShKM機関銃1挺

T-55
乗員:4名
寸法:全長8.99m(主砲含む)、車体長6.45m、全幅3.27m、全高2.39m(砲塔頂部まで)
エンジン:出力580馬力のV-55液冷V型12気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:36t
性能:最大路上速度50km/h、最大路上航続距離500km(車内燃料のみ)または600km (車外燃料搭載時)、渡渉水深1.40m(標準)または4.55m (シュノーケル使用時)、登坂能力58%、越堤能力0.8m、越壕能力2.7m
兵装:100mm D-10T2S主砲1門、7.62mm機関銃1挺(主砲同軸)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/06/25


ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは



コメント0件


コメントを書く1,000文字以内

Ms_noimage

コメントを投稿するにはログインが必要です。