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ウォリア

【第22回】ウォリア <装甲戦闘車>


ウォリア装甲戦闘車はイギリス陸軍が装備するウォリア装甲戦闘車両ファミリーの総称で、FV510ウォリア歩兵戦闘車を始めとして数種類の型が存在する。高速で重武装、そして卓越した運動性を備え、歩兵を安全かつ迅速に戦場へ送り届けるだけでなく、自らも戦闘に加わることができる。

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ウォリアの誕生

デアゴスティーニ編集部

▲砂漠地帯で撮影されたイギリス陸軍ウォリア。

1960年代後期から1970年代初期にかけて、イギリス陸軍は、それまで使用していたFV432装甲兵員輸送車(APC)の後継車両実用化に向けた一連の研究を行い、1970年代末に当時のGKNサンキー社(現アルヴィス・ヴィークルズ社)がMCV-80(機械化戦闘車両80)と呼ばれる新型車両の開発担当会社に選定された。
試作車を製作して徹底的な評価試験を実施した後、新型車両は1985年にウォリアと命名されて量産発注が行われた。イギリス陸軍向けに合計789両が製造され、最終号車が引き渡されたのは1995年であった。
基本型ウォリアは制式名称FV510と呼ばれ、30mmラーデン機関砲と7.62mmの同軸機関銃を備えた定員2名のヴィッカース・ディフェンス・システムズ砲塔が装備された。乗員は、車長、砲手、ドライバーの3名で、ほかに完全装備の兵員7名を乗車させ、後部ドアから素早く下車させて、戦闘に送り出すことができる。車体内部は、核/生物/化学兵器(NBC)に対し完全に遮蔽されている。
イギリス陸軍で採用されたウォリア派生型としては、FV511指揮車両、FV512修理車両、FV513回収車両、FV514砲兵観測車両、FV515砲兵指揮車両、FV516対戦車車両などがある。
1991年の湾岸戦争では、イギリス派遣軍が6種類のウォリアを展開させ、1993年には、クウェートが合計254両の「デザート・ウォリア」を発注した。「デザート・ウォリア」の仕様は、イギリス陸軍向けのウォリアよりもかなり高レベルとなっており、ATKガン・システムズ25mm M242機関砲1門と7.62mm同軸機関銃を備えたUSデルコ・ディフェンス2名定員砲塔を採用している。砲塔の両側にはTOWミサイル発射装置が備えられ、昼間用/感熱火器管制システムと組み合わせて運用される。イギリス陸軍はその後も、ボスニアの国連任務や「イラクの自由」作戦などに、ウォリアを投入した。
イギリス陸軍向けの派生型には、歩兵分隊車両、歩兵指揮車、修理/回収車、観測車、砲兵指揮車、ミランATGW搭載車などが存在する。

現代の装軌歩兵戦闘車両

デアゴスティーニ編集部

▲ウォリアの派生型、FV512 機械化戦闘修理車。

30mm L21ラーデン機関砲は、装弾筒付徹甲弾(APDS)や榴弾を2,000mの射程に撃ち込むことが可能で、砲塔内には225発の弾薬が収容されている。これに加えて、有効射程1,100mの7.62mm M242チェーン・ガンが機関砲に同軸架装されている。
これほどの重火力を備えていながら、ウォリアを戦車として使用することは想定されていない。APCや機械化歩兵戦闘車(MICV)に、主力戦車(MBT)と同等の防御力は期待できないからだ。ラーデン機関砲は敵のAPCとの交戦用であり、戦車を相手にするためのものではない。またチェーン・ガンは、下車歩兵支援のために設計されたものだ。
それでもウォリアは、ある程度の対戦車攻撃能力を備えている。兵員区画内にはLAW80(軽量対戦車兵器)が搭載されており、天井ハッチから身を乗り出して発射できる(ただし、通常は歩兵が下車した状態で使用する)。また、車長や砲手が砲塔から発射することも可能だ。このように、車両からロケット弾を発射するのは、近接戦闘や密集地域での戦闘には有効な戦術である。
ウォリアは設計上、車長と操縦手を含めて兵員10名が乗車できる。ウォリアは歩兵下車後の分隊支援を目的に設計されているため、車長は車内に留まって、目標捕捉や機関砲の装填などをすべて一人で行う。典型的な戦場突撃のシナリオでは、分隊は2個のファイア・チーム(1個は4名、もう1個は3名)に分かれて下車し、それぞれがLSW 1挺を携行する。下車後は、ウォリアが第3のファイア・チームとして機能する。分隊長は歩兵チーム1個を率い、分隊の次席がもう1個を率いる。さらに、もう一人の下士官が車両を指揮する。
ウォリアの乗員区画は当然ながら狭苦しいが、室内天井高を可能な限り大きくとるように設計されている。サスペンション・システムは良好だが、それでも高速クロスカントリー走行時には、兵員はハーネスで体を固定する必要がある。この車両には、高効率空気濾過システムも備わっている。アルミニウム装甲は、14.5mm徹甲弾と155mm空中破裂榴弾の破片、9kg対戦車地雷などに耐えるが、追加の装甲としてアップリケ装甲板を取り付けることも可能だ。
今日では、新型装甲車の多くが一連の車両ファミリーを形成しているが、ウォリアも多様な用途に転用できることを念頭に設計されている。最初の計画では、APC 2種、指揮車、回収車、戦闘修理車、自走迫撃砲、対戦車ミサイル車両、偵察車、対空車両、ロケット弾発射車両、貨物運搬車、そして105mm砲搭載30t軽戦車など、13種類が考案されていた。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲基本型ウォリアであるFV510ウォリア歩兵戦闘車。

ウォリア(イギリス陸軍向け)
乗員:3名+兵員7名
寸法:全長6.34m、全幅3.03 m、全高2.74m
エンジン:出力550馬力のディーゼル・エンジンとオートマチック・トランスミッション
重量:28,000kg
性能:最大路上速度75km/h、最大航続距離660km、渡渉水深1.13m、登坂能力60%、越堤能力0.75m、越壕能力2.5m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/10/29


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