模型を作ってシェアするホビーコミュニティ ホビコム by デアゴスティーニ

M41ウォーカー・ブルドッグ

【第25回】M41ウォーカー・ブルドッグ <戦車>


M41ウォーカー・ブルドッグは、第二次世界大戦の戦訓を生かしてアメリカが開発した軽戦車だ。1946年にゼネラルモーターズ社がM24軽戦車の後継として開発し、アメリカ陸軍を中心に使用された軽戦車である。ウォルトン・ウォーカー中将にちなんでウォーカー・ブルドッグと名付けられた。

ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは


新世代の装甲戦闘車

デアゴスティーニ編集部

▲M41ウォーカー・ブルドッグは、1946年にゼネラルモーターズ社がM24軽戦車の後継として開発。アメリカ陸軍を中心に冷戦時の西側陣営で多数使用された。

第二次世界大戦まで、戦車は、軽戦車、中戦車、重戦車に分類されていた。しかし、砲弾の徹甲能力が急速に向上したため、重戦車は時代遅れのものとなった。イギリス軍のコンカラーやソ連軍のT-10といったモンスター級の重戦車は姿を消し、新世代の装甲戦闘車を表す「主力戦車(MBT)」という言葉が生まれた。しかし、軽戦車は生き残った。1950年代前期、ゼネラル・モーターズ社は5,500両のM41ウォーカー・ブルドッグ軽戦車を製造した。この車両は1970年代前期までアメリカ軍の第一線部隊に配備されており、現在でも世界の多くの地域で現役を保っている。一般に軽戦車は、いくつもの任務を遂行できるように設計されている。軽戦車は、機関砲装備の装甲車よりも火力、装甲防御力、機動性に優れ、偵察情報を巡る戦闘に打ち勝つことができる。さらに、軽戦車は車重が軽いため、30tの中戦車が立ち往生してしまうような地形でも戦闘が可能である。アメリカ陸軍はM41を南ベトナム陸軍に供給し、同陸軍の最も効果的な兵器の一つとして使用された。1965年から1975年の間、南ベトナム軍のM41はしばしば世界中のテレビに放映されたものである。
南ベトナム政府軍(ARVN)機甲部隊の最初の大きな戦いは、1965年10月に発生した。戦車と装甲兵員輸送車(APC)から成る機動部隊が、包囲されたプレイクー南東の特殊部隊キャンプへ救援に向かったのである。この戦いがアメリカ軍第1騎兵師団のイアドラン渓谷への介入を決定させることとなった。
M41のメリットのひとつは経済性で、M41の所要コストは同時代の主力戦車の約半分である。このため同戦車は輸出市場で人気を集め、多くのNATO加盟国や中南米諸国、そして日本の陸上自衛隊が取得した。

各国のM41

デアゴスティーニ編集部

▲南ベトナムに供給されたM41戦車。

最初の生産車両は1951年中期に完成し、その後マイナー・チェンジのみを伴うM41A1、M41A2、M41A3の派生型を経て、最終的に合計約5,500両が製造された。冷戦下の戦場では軽戦車の活躍の場は限られていたが、内戦などで有効に活用されている。M41は少なくとも8か国で現役にとどまっている。
クーデターが一般的な政権交代の手段だった南ベトナムで、M41は権力者が変わるたびにサイゴンの街路に姿を現した。これらの戦車は、政治の世界で決定的な役割を果たしたことから「投票箱」と呼ばれた。1970年と1980年のトルコ軍によるクーデターの際にはアンカラ中の道路を封鎖した。チリでは1973年、軍事政権によるアジェンデ大統領打倒に抗議する狙撃手や武装市民を摘発するため、サンチアゴの繁華街に
タイでは1981年、未遂に終わったクーデターの間に、M41はバンコクの街路を封鎖した。タイの国土には重量級装甲車両の使用に不向きな地域が多く、M41は新型のスティングレイ軽戦車の導入後も現役にとどまった。
また、デンマークでは、「ゼーラント」師団に就役した。M41というと東南アジアや南米を連想しがちであるが、この戦車はヨーロッパの陸軍でも人気があり、その小ぶりな車体は、揚陸艇を使用する上陸作戦には最適であった。

諸 元

M41ウォーカー・ブルドッグ

製造者:ゼネラル・モーターズ(キャディラック部門)
タイプ:軽戦車
乗員:4名
寸 法
全長:8.20m(主砲含む)
車体長:5.82m
全幅:3.20m
全高:2.73m(キューポラまで)
キャタピラ幅:533mm
パワープラント
エンジン:出力500馬力(2,800 rpm)のコンチネンタルAOS-895-3 6気筒空冷スーパーチャージャー付きガソリン・エンジン1基(M41およびM41A1)
トランスミッション:クロス・ドライブ式、前進1速/後進1速
サスペンション:トーションバー式
戦闘重量
23,496kg
燃料搭載量
530r
性 能
最大路上速度:72km/h
最大航続距離:161km
渡渉水深:1.02m(事前準備あり)
登坂能力:60%
越堤能力:0.71m
越壕能力:1.83m
兵 装
主砲:76mm M32旋条砲1門
副砲:7.62mm M1919A4E1同軸機関銃1挺、12.7mm M2対空機関銃(砲塔上部)1挺
弾薬:主砲57発(M41)または65発(M41A1/M41A2/ M41A3)、同軸機関銃5,000発、対空機関銃2,175発

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2015/01/29


ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは



コメント0件


コメントを書く1,000文字以内

Ms_noimage

コメントを投稿するにはログインが必要です。