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M24チャフィー

【第32回】M24チャフィー <軽戦車>


M24チャフィーは、第二次世界大戦においてアメリカ軍が開発した軽戦車である。愛称は戦車開発のパイオニアであったアドナ・R・チャーフィー・ジュニア将軍にちなんでいる。約4,700輌が生産され、戦後は西側諸国に広く供与されて長らく使われた。

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M24チャフィーの誕生

デアゴスティーニ編集部

▲1945年イタリアでの撮影されたM24チャフィー。

連合軍とドイツ軍の戦いが激しさを増していた1942年に入ると、37mm戦車砲はもはや時代遅れと見なされ、前線からは75mm主砲搭載の軽戦車を求める声が上がるようになった。M5軽戦車に大口径主砲を搭載する試みは失敗に終わったため、キャディラック社が新型設計に着手し、1943年の末頃に最初の車両を完成させた。この車両は、エンジンを2基装備するなどM5の特徴を多く引き継ぐ一方で、砲塔と主砲には大きな変更が加えられていた。新しい砲塔は要求通り75mm砲を搭載したが、軽戦車用の小型軽量の75mm砲の開発は困難であった。そこで、アメリカ陸軍航空軍のB-25爆撃機のH型が対艦攻撃用に装備していた75mm砲に目がつけられ、これを軽戦車に搭載。この戦車砲型には、T13E1という制式呼称が与えられた。
新型軽戦車は当初T24と呼ばれたが、軍制式採用と同時にM24軽戦車となり、後にチャフィーの愛称が与えられた。M24は1944年末より部隊配備が開始され「バルジの戦い」で初陣を飾った。機甲師団戦車大隊と機械化騎兵偵察大隊の軽戦車中隊に配備され、ドイツ軍のIV号戦車を撃破している。以降、配備された車輌の少数が実戦を経験している。しかし、それまでのずんぐりしたアメリカ戦車と異なり、敵のパンター戦車のようなスマートな形状ゆえ味方から誤射されることもあった。また、イギリス軍へも289輌が供与されたが、実戦投入前に終戦を迎えた。

異例の重武装

デアゴスティーニ編集部

▲高崎市を行進する保安隊のM24チャフィー。アメリカ軍の星が描かれたままになっている。1953年1月の撮影。

M24チャフィーは、そのサイズと重量のわりに武装はかなり強力であった。しかし、中戦車や重戦車並みの防御装甲は諦めざるを得ず、装甲厚は12〜38mmであった。これは、軽戦車の機動性を確保するための思い切った決断だったと言える。乗員数は5名で小型車体にしては異例に多く、車長、砲手、装填手、操縦助手兼無線通信士、操縦手で構成されていた。
M24の兵装は、75mm主砲に加えて、7.62mm機関銃2挺(1挺が主砲同軸、1挺が車体前部)と12.7mm機関銃1挺(砲塔上面の銃架)であった。このほかに、51mm発煙弾発射装置1基も装備していた。M24の戦術的役割は主に偵察であったが、このような車両としては異例の重武装と言える。M24が就役した当時のアメリカには、このような贅沢を許す余裕があったのである。
第二次世界大戦後もアメリカ陸軍は主力軽戦車としてM24軽戦車を使用していたが、朝鮮戦争においてT-34-85を相手に苦戦を強いられ、第二次大戦後に開発が始まった戦後型軽戦車のM41軽戦車にその座を譲った。また、フランス軍に供与された車輌は分解されてベトナムに空輸され、ディエンビエンフーの戦いでベトミン(ベトナム独立同盟会)と戦った。その後、南ベトナム軍もフランスやアメリカから供与された本車を装備して、北ベトナム軍や南ベトナム解放民族戦線と戦ったが、1965年から供与の始まったM41と交代して後方任務に回されていった。
日本には警察予備隊の創設とともに重装備の一つとして本車の供与が決定され、1952年3月から引渡しが行われたが、同年10月の保安隊発足に伴い、実質的な訓練と部隊編成は保安隊発足以後に行われた。1974年には最後の車両が退役したが、少数が現在も日本国内に残存しており、富士駐屯地を始めとして陸上自衛隊駐屯地の展示品として保存されている。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲フランス軍のM24チャフィー(インドシナ半島)。

M24軽戦車
乗員:5名
寸法:全長5.49m(主砲含む)、車体長4.99m、全幅2.95m、全高2.48m
エンジン:出力110馬力のキャディラック・モデル44T24 V型8気筒ガソリン・エンジン2基
戦闘重量:18.4t
性能:最大路上速度56km/h、最大路上航続距離161km、渡渉水深1.02m、登坂能力60%、越堤能力0.91m、越壕能力2.44m
兵装:75mm T13E1戦車砲1門、7.62mm機関銃2挺、12.7mm対空機関銃1挺、51mm発煙弾発射装置1基

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2015/08/28


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