DeAGOSTINI デアゴスティーニ・ジャパン

M4シャーマン

【第4回】M4シャーマン <中戦車>


第二次世界大戦時に登場したアメリカのM4シャーマンは、戦場において卓越した戦闘プラットフォームであることを証明した中戦車であり、その生産量は各種派生型も含め40,000両を超えている。

ブラボー1 お気に入り登録0   ブラボーとは


連合軍の主要兵器

▲1944年8月から1945年9月までに2,500両超が生産されたM4A3E8。

ヨーロッパで戦況が急速に変化していた頃、アメリカではM3中戦車が生産に移行しつつあり、さらに、75mm主砲搭載の砲塔を備えた新しい中戦車が設計段階を離れようとしていた。開発時間の節約のために、この新戦車では、基礎となる車体とサスペンションはM3と同じものが使用されたが、車体上部は砲塔を設置するために新たに設計された。その結果でき上がったT6中戦車の設計は、優れたものであることが証明され、1941年9月に最初の試作車両が公開された。車体上部構造は鋳造製であり、これにより防御力が増しただけでなく、生産時間を短縮することができた。時間短縮は、当時の情勢では不可欠の要素であった。
この新戦車はM4中戦車として早速量産に移された。その兵装は、75mm主砲と同軸架装の7.62mm機関銃1挺、車体前部の7.62mm機関銃1挺、そして対空防御のための12.7mm機関銃1挺。基本モデルの装甲厚は、最も厚い部分が76mm、最も薄い部分が15mmであった。
戦場に投入されたM4は、卓越した戦闘プラットフォームであることを証明し、その活躍ぶりは、連合国の勝利を担った兵器の一つに数えられるほどのものであった。1945年の生産終了までに、40,000両をはるかに超え、ありとあらゆる種類の派生型が誕生した。就役後、M4シリーズには各種のエンジンが搭載され、76mm砲あるいは105mm砲といったさらに強力な主砲も装備された。また、工兵戦車、突撃戦車、駆逐戦車、火炎放射器、架橋戦車、回収車、ロケット発射機、自走架砲、対地雷車両など、無数の「特殊仕様車」も開発された。
一方、イギリス陸軍はM4を大量に調達し、また武器貸与法の一環としてアメリカから譲渡を受けた。イギリス軍におけるM4の初陣は、1942年10月のエル・アラメインの戦いで、その後の大戦期間中、M4はイギリス陸軍で最も数の多い戦車となった。M4は、イギリスでは「ゼネラル・シャーマン(または単にシャーマン)」と呼ばれ、アメリカと同様、各種の特殊仕様車が次々と作られた。中でも最も有名なのは、17lb主砲(76.2mm)を持つ1944年のシャーマン・ファイアフライである。この型はノルマンディ上陸作戦で使用され、ドイツのティーガー重戦車やパンター中戦車に対抗できるイギリス唯一の戦車であることを証明した。

M4の基本モデル

▲M4シャーマンは第二次世界大戦での連合国における主力戦車で、アメリカの高い工業力を基盤にして大量に生産された。

M4シャーマンの基本モデルだが、M4(シャーマンI)は出力353馬力のライト・ホワールウインドまたは出力400馬力のコンチネンタルR-975星形エンジンを搭載、M4A1(シャーマンII)の車体は完全鋳造製で、出力450馬力のキャタピラ9気筒ディーゼル・エンジンを搭載、M4A2 (シャーマンIII)は溶接構造の車体と出力420馬力のゼネラル・モーターズ6-71ツイン・ディーゼル・エンジンを備えていた。M4A3(シャーマンIV)は出力500馬力のフォードGAA IIIエンジンとHVSS(水平渦巻スプリング・サスペンション)を採用し、M4A4(シャーマンV)は出力425馬力のクライスラー・ファイブ・バンク・エンジンを搭載した。
イギリス軍では、主砲が標準の75mm砲でない場合、型式名の後ろにA、B、Cの記号が付けられた。Aは76mm砲、Bは105mm榴弾砲、Cは17lb対戦車砲を示し、例えば76mm砲搭載のM4A2は「シャーマンIIIA」と呼ばれた。また、アメリカ軍の型式名に使用されたWの文字は、車内火災の危険を防ぐための湿式弾庫の装備を示す。生産が進むにつれて、装甲防護も変化した。M4A2の装甲厚は最も厚い部分が105mm、最も薄い部分が13mmで、M4A3は100mmと15mm、M4A4は85mmと20mmであった。

諸 元

▲M4のいくつかのタイプでは火炎放射器が装備されていた。その多くは、旧式の75mm M3砲の砲身を流用して、前部機関銃の位置に取り付けた。

M4A3
タイプ:中戦車
乗員:5名
寸法:全長(主砲含む)7.52m、車体長6.27m、全幅2.68m、全高3.43m
エンジン:出力450馬力または500馬力のフォードGAA V型8気筒ガソリン・エンジン1基
重量:32.28t(戦闘時)
性能:最大路上速度47km/h、最大路上航続距離161km、渡渉水深0.91m、登坂能力60%、越堤能力0.61m、越壕能力2.26m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corps

公開日 2013/04/24


ブラボー1 お気に入り登録0   ブラボーとは



コメント0件


コメントを書く1,000文字以内

Ms_noimage

コメントを投稿するにはログインが必要です。