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59式/69式戦車

【第48回】59式/69式戦車 <戦車>


 59式戦車は、中国の中戦車で、ソビエト連邦の技術指導の元、1959年にライセンス生産された全ての中国戦車の基礎である。1980年代半ばまでに10,000輌以上が生産された。69式戦車は59式戦車をベースに開発された中国初の国産主力戦車であり、世代としては第1世代戦車に属する。

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初の中国産戦車

デアゴスティーニ編集部

▲北京の博物館に展示されている59式戦車。

 1949年の建国の時点で中国人民解放軍は375両の戦車を保有していたが、それらは旧日本軍の95式軽戦車や97式/97式改中戦車などの日本製戦車、国民政府軍から捕獲したM4中戦車やM3軽戦車などの米国製であり、全ての戦車は外国からの輸入に頼っていた状況であった。
1950年代の初頭、中国は大量のソ連製T-54主力戦車の供与を受け、これをベースにした中国の国産戦車が59式で、就役したのは1950年代である。原型はT-54をそのままコピーしたものにほかならず、主砲には口径100mmの旋条砲を搭載した。
 人民解放軍の兵器のほとんどは、1950年代のソ連製兵器をベースにしているが、中国の主力兵器の多くは、ときには西側のテクノロジーを採り入れて大幅なアップグレード改良が施されている。59式II型は、原型である59式戦車のアップグレード版であり、基本車体の何か所かに西側技術が盛り込まれている。主な改良個所は、主砲が、長年使われて定評のあるイギリスの高性能戦車砲L7をベースにした105mm砲に換装されたことである。2軸安定化を採用したことで、59式戦車の攻撃力は大幅に強化された。59式と59式II型は合わせて6,000両以上が人民解放軍に配備され、次世代戦車が選定されるまでは現役装備にとどまることになる。新しいGEC-マルコーニ・セントール射撃管制システムも用意されており、イギリス製のバー・アンド・ストラウド感熱画像射撃管制システムを装備することもできる。
 イランでは、同じく59式をアップグレードした戦車を保有しており、射撃管制システムや防御、主砲などに西側、ソ連双方の技術を広く採り入れている。

改良型69式

デアゴスティーニ編集部

▲湾岸戦争で米軍に鹵獲されたイラク軍の69-II式戦車。

 69式戦車は1981年9月の軍事パレードでその存在が確認された。1980年代の改革開放を境とした西側諸国との関係改善に伴い69式戦車は西側戦車技術を導入する形で大幅な改良が加えられた。最も大きい点は当時のNATO軍で標準規格だったL7系105mmライフル砲のライセンス生産に成功した事である。このほかにも新型のレーザー測定器や射撃統制システムも搭載され攻撃に置いては世界標準に到達した主力戦車を中国が初めて持つことになった。防備の面でも与圧式の対NBC防御装置と自動消火装置を一体化したシステムや4連装発煙弾発射器、パッシブ型の暗視装置なども導入された。
 69式戦車のプロトタイプは軍部の要望を満たすことが出来無かったが、69-I式戦車と69-II式戦車が同時開発された。軍部による両車種のトライアルの結果、69-II式戦車が制式採用された。69-II式戦車は2,000輌以上の輸出に成功、1980年代の紛争地域にその姿をあらわした。69式戦車は、59式戦車の改良型であり、ソ連のT-55にほぼ相当する。比較的低価格で運用しやすい戦車ではあるが、現代の水準からみると相当時代遅れで、車内は操作に困難を来すほど狭い。69式の重量は36t級となり、装甲、砲安定装置、射撃管制システム(レーザー測距装置を装備)、赤外線サーチライトなどの改良が施されたほか、口径100mmの滑腔砲を装備している。69式II型主力戦車指揮戦車B型には、連隊レベルの指揮命令機能を満たすための無線通信器が増設されている。
 1980年代のイラン・イラク戦争では、両陣営が69式戦車を戦闘に投入し、イラク陸軍は1991年の湾岸戦争でも使用した。またスリランカ陸軍もこの戦車を使用している。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲L7 105mm戦車砲のコピーを搭載している59-II式中戦車

59式II型戦車
乗員:4名
寸法:全長9.00m(砲身を含む)、車体長6.04m、全高2.59 m、全幅3.27m
エンジン:出力520馬力のV型12気筒ディーゼル・ピストン・エンジン1基
戦闘重量:36t
性能:最大路上速度50km/h、最大路外速度25km/h、航続距離400km(外部燃料タンク付きで600km)、渡渉水深1.40m(特殊装備なし)または5.50m(シュノーケル使用時)、越堤能力0.79m
兵装:主砲口径105mm旋条砲1門(イギリス製L7と同型)、主砲同軸7.62mm機関銃1挺、車体前面ボール・マウントに7.62mm機関銃1挺、砲塔上面キューポラに12.7mm対空機関銃1挺
装甲:最大厚さ203mm(砲塔前面)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/12/22


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