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T-34 

【第5回】T-34 <中戦車>


第二次世界大戦に参戦したソ連のT-34は、当時としては強力な火器と装甲を備えた中戦車で、その存在は敵国のドイツ軍を驚愕させるほどであった。

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ドイツ軍を驚かせた火器と装甲

▲T-34は76.2mm主砲を装備し、傾斜甲板による避弾経始によって、実際の厚さ以上の装甲防御力を備えている。

ソ連のT-34中戦車は、戦史に残る傑作戦車であり、大祖国戦争での勝利など、その活躍はすでに伝説と化している。第二次世界大戦の勝敗を左右した兵器であるといっても過言ではない。膨大な数が生産され、多くの派生型が生み出されたこの戦車は、近年においても、世界各地の紛争地域で使用されているという。 T-34はBT-7の欠点が生み出した戦車である。まず、BTシリーズの後継候補として、より強力な火器と装甲を備えたT-32が開発された。同車には、後のT-34に受け継がれる数々の特徴を見て取ることができる。その車体は傾斜装甲で形良く成型され、斜めに成型された鋳造製の砲塔には76.2mm高初速砲が装備されていた。強化版のクリスティ式サスペンションがBTシリーズから受け継がれたが、キャタピラなしでの走行機能は外された。 T-32は優れた設計であったが、選定委員会はさらに装甲を増やすことを要求し、その結果T-34が誕生。1940年に生産が開始され、まもなくT-34/76Aが大量生産されるようになった。1941年のドイツ軍によるソ連攻撃時には、T-34はすでに第一線部隊に定着していたが、その登場はドイツ軍を驚愕させた。傾斜の付いた厚い装甲(最低18mm、最高50mm厚)が使用され、ドイツ軍のほとんどの対戦車兵器から身を守ることができたT-34のL/30 76.2mm主砲(配備後すぐに口径のL/40に換装された)は、大半のドイツ軍戦車に対して効果を発揮し、副兵装には7.62mm機関銃2挺を装備していた。

発展型と派生型

▲T-34は膨大な数が製造されたが、造りはシンプルで、車体にまったく塗装を施さないものもあったという。

1941年以降、極めて多数の発展型が送り出されたが、その多くは外見上の違いがほとんどない。大量の需要に応じるため、生産を早めるための数々の工夫がこらされ、1941年には砲塔に圧延装甲板を使用したT34/76Bが、2番目の量産型として登場している。 部隊では、T-34は主力戦車から偵察車両、工兵車両から戦車回収車に至るまで、あらゆる任務に使用された。また、単純に車体の上に歩兵を乗せて長距離を移動するという、最も原始的な装甲兵員輸送車としても用いられた。T-34/76の次の発展型はT-34/76Cで、このモデルはハッチを1枚から2枚に増やした大型の砲塔が特徴であった。T-34/76Dは6面体の砲塔や幅広の防弾板に加え、着脱式の外部燃料タンクを取り付けることができた。T-34/76Eでは砲塔上にキューポラが装着され、全溶接構造となった。T-34/76FはほぼT-34/76Eと同等であるが、溶接砲塔の代わりに鋳造砲塔が用いられていた。 さらに、76.2mm主砲の代わりに、KV-85重戦車の砲塔を使用して85mm主砲に換装したモデルも登場。中国では500両を超えるT-34/85が実戦配備され、クロアチア、コンゴ、マリはそれぞれ約20両、アンゴラ、ラオスは10~15両を使用した。T-34/85の派生型としては、突撃砲型(当初は85mm主砲を使用、後に100mmまたは122mm砲に換装)、火炎放射型、牽引型、工兵型、地雷撤去型などがある。

諸 元

▲T-34は主砲のほかに、7.62mm機関銃を主砲同軸と車体右前部に1挺ずつ、計2挺装備していた。

T-34/76A
乗員:4名
寸法:全長5.92m、全幅3m、全高2.44m
エンジン:出力500馬力のV-2-34 V型12気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:26t
兵装:L/40 76.2mm主砲1門、7.62mm機関銃2挺
性能:路上速度55km/h、航続距離186km、登坂能力40°、越堤能力0.71m、越壕能力2.95m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2013/05/24


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