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コンカラー

【第51回】コンカラー <戦車>


 コンカラー は、第二次世界大戦後イギリス陸軍が開発、保有した重戦車である。「コンカラー(Conqueror)」 とは「征服者」の意味で、イギリスでは特にノルマン・コンクエストによってイングランドを征し、ノルマン朝を開いたウィリアムI世を指す。

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FV200汎用戦車ファミリー

デアゴスティーニ編集部

▲コンカラーをベースにした装甲回収車であるFV222 ARV Mk2。

 チャーチル歩兵支援戦車をベースに開発されたA43ブラック・プリンスの後継重戦車として、1944年、A45プロジェクトの開始が承認された。A45はA41センチュリオン戦車との協調行動を前提に設計され、共通部品も多かった。
ところが1946年になると、FV200汎用戦車ファミリーなど、まったく新しい種類の装甲車両の開発が決まり、基本の主力戦車FV201のほか、強襲工兵車両(AVRE)、フレール・タイプの地雷除去戦車(チェーンなどで地面を叩くタイプ)、架橋戦車、戦車回収車(ARV)、強襲兵員輸送車、砲兵科用の多数の特殊改造車両など、多種多様な特殊用途車両が提案された。FV200シリーズはA45をベースにしたものであったが、車体はより長かった。
 試作初号車は1948年に完成したが、提案された特殊車両の多くは非現実的であることがまもなく判明した。例えば、架橋戦車は、海軍の標準戦車揚陸艇に対して寸法が大きすぎた。このため、センチュリオンの開発を継続して、砲戦車および特殊車両ファミリーのベースとすることが決定された。こうして、センチュリオン・ファミリーのほうは、戦後イギリス戦車の最高傑作へと発展することになるのである。
 しかし、大口径砲搭載の砲戦車の需要は引き続き存在したため、FV214とFV201がそのベースとして使われることになった。まず、このスケールの戦車の経験を得るために、車体の1台にセンチュリオンMk3戦車の砲塔が丸ごと移植された。これはFV221中型主力戦車カーナヴォンと呼ばれた。車体だけ完成したFV214にセンチュリオンの砲塔を搭載したFV221カーナーヴォンの試験を経て、本命のFV214の試作車は1950年に完成した。コンカラーMk.1と命名され量産に入った。

コンカラーの特徴

デアゴスティーニ編集部

▲ドライバー用ペリスコープが3個から1個に変更されたコンカラーMk 2。

 120mm砲を備えるFV214コンカラー重戦車は、1955年から1958年にかけて200両弱が製造され、大半は西ドイツ(当時)ライン地方駐留のイギリス陸軍に送られた。部隊では、1個連隊あたり3両、またはセンチュリオン戦車中隊1個あたりコンカラー1両の見当で一部の連隊に配備された。
 コンカラー戦車のレイアウトは、ごく普通のものであった。操縦手は車体前方右側に着座し、その左側に砲弾が搭載された。エンジンとトランスミッションは車体後部に、砲塔と戦闘区画は車体中央部に配置された。砲塔中央後部には車長専用のキューポラが用意され、射撃手は砲塔前方右側、装填手がその左側に着座した。
 主武装の120mm旋条砲1門は仰角+15°、俯角−7°で、砲塔は360°の射界を有していた。また、センチュリオンのものと同じ砲安定化装置が採用されていた。装弾は、発射薬分離型のAPDS(装弾筒付徹甲弾)とHESH(粘着榴弾)合わせて35発を携行できた。コンカラーのユニークな特色に、薬莢排出システムがある。これは、発射済みの真鍮空薬莢を、砲塔右側に設けたトラップ・ドアから排出するというものである。その他の兵装としては、7.62mm機関銃1挺が主砲同軸に架装されているほか、同口径の機関銃1挺が対空防御用として車長用キューポラ上に装備されていた。
 20lb砲搭載のセンチュリオンと比べ、コンカラーは装甲が厚いことと、主砲の射程が長かった。最大の欠点は寸法の大きさと重量の重さで、整備は極めて厄介であった。このため、センチュリオンの105mm砲搭載型が登場した1960年代の中頃には現役を退き、1〜2両が保存された以外は、多くが標的として生涯を終えた。
 FV200のシャシーを使用するモデルは30種類以上が計画されたが、コンカラー戦車以外に軍で就役したのは、FV219 ARV Mk1だけである。そのほか、興味深いプロジェクトとしては、FV215b重対戦車自走砲というものがあった。これは、エンジンを車体前方に移動して、後方に完全旋回機能を持たない砲塔(180mm砲装備)を搭載したものであった。

諸 元

コンカラー
乗員:4名
寸法:全長11.58m(主砲含む)、車体長7.72m、全幅3.99m、全高3.35m
エンジン:出力810馬力の12気筒ガソリン・エンジン1基
重量:65t
性能:最大路上速度34km/h、最大路上航続距離155km、登坂能力60%、越堤能力0.91m、越壕能力3.35m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2017/03/30


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