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M3スチュアート

【第61回】M3スチュアート  <軽戦車>


 M3軽戦車は、第二次世界大戦前にアメリカが開発したM2A4軽戦車がイギリス軍に貸与され、1940年7月の時点で正式に「M3軽戦車」として採用された。南北戦争時に南軍騎兵隊を率いたJ・E・B・スチュアート将軍から取った「スチュアート」の愛称が付けられた。

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M2からM3へ

デアゴスティーニ編集部

▲フィリピンで日本軍に鹵獲されたM3軽戦車。

 アメリカの軽戦車開発の起源は、1920年代に少数製作された歩兵支援軽戦車にさかのぼる。1930年代初頭には、これらの設計がM2軽戦車へと進化し、いずれもM2の呼称を持つ一連の設計が生み出された。このシリーズは主砲に37mm砲を備えるなど、当時としてはかなりの重武装であったが、1940年代に入ると時代遅れになった。
 1940年のヨーロッパにおける戦訓をつぶさに観察したアメリカ陸軍は、軽戦車の装甲強化の必要性を認識。また、重装甲化にともなう重量増に耐えるため、サスペンションの改良も同時に必要となった。こうして誕生したのが、M2A4をベースとしたM3軽戦車であった。M3は1941年には量産態勢に入り、アメリカが第二次世界大戦に参戦すると、M3A1の大量生産が開始された。初期の型は車体にリベット留め構造を採用していたが、まもなく砲塔が溶接製となり、最終的には車体にも溶接構造が採用された。設計の細部にも、徐々に変更が加えられていった。
 M3は生産終了までに5,811両が完成した。M3A1の基本武装は、37mm主砲1門、同軸の7.62mm機関銃1挺、それに4挺の7.62mm機関銃(砲塔上面の対空防御用1挺、車体前面の1挺、操縦手が操作するスポンソンの2挺)であった。装甲厚は15〜43mmであった。
M3軽戦車は、アメリカ陸軍が参加したあらゆる戦域に登場し、非常に高い信頼性を発揮して、乗員たちの人気の的となった。大量のM3がアメリカの同盟国に供与されたが、最大の供与先はイギリスで、同国陸軍ではスチュアートと呼ばれた。
 イギリスの基準からすると、スチュアートは軽戦車としては大型であったが、乗員たちはその機動性と信頼性を高く評価した。しかし、搭載するエンジンがタイプによって2種類に分かれる点は不評だった。標準的なエンジンはコンチネンタル星形7気筒ガソリン・エンジン(スチュアートI)であったが、当時の膨大な需要に応えるため、ギバーソンT-1020ディーゼル・エンジン(スチュアートII)も代用エンジンとして使用された。このことが、しばしば補給上の問題を引き起こしたが、連合軍はこの点を何とかやりくりしてしのぐことができた。

M3軽戦車の派生型

デアゴスティーニ編集部

▲中国軍のM3A3スチュアート。

 M3軽戦車の主力生産型はM3A1とM3A3である。M3A1は周囲視認用のペリスコープを装備し、主砲にジャイロ安定化機構を備え、動力旋回砲塔を採用していた。イギリスでは、M3A1のガソリン・エンジン搭載型がスチュアートIII、ディーゼル・エンジン搭載型がスチュアートIVと呼ばれた。M3A3は、1942年8月に制式化され、同年12月より生産が始められM3軽戦車の最終生産型。操縦席を大型化し、装甲を強化した改良型で、イギリスではスチュアートVと呼ばれた。
37mm主砲はM3の全生産期間を通じて装備された。しかし1944年になると、M3の戦闘における価値はほとんどなくなり、偵察部隊用のM3/スチュアートの多くは、秘匿性を増すために砲塔を撤去して、代わりに機関銃を増設していた。こうしたM3の多くが指揮車両として使用された。M3/スチュアートは北アフリカ作戦以降使用され、ソ連軍にも供与された。
 キャディラック・エンジン2基を搭載する改良型にはM5軽戦車の名称が与えられた。1942年3月から1942年12月まで、2074両が生産された。M5の外観はM3と酷似していたが、エンジン2基を収容したことにより、後部エンジン区画が高くせり上がっているのが特徴であった。M5軽戦車はイギリスではスチュアートVIと呼ばれ、M5A1にも同じ呼称が使われた。M5A1では、無線機を収容するために、M3A3と同様、砲塔の後方が張り出していた。

諸 元

M3A1軽戦車
乗員:4名
寸法:全長4.54m、全幅2.24m、全高2.30m
エンジン:出力250馬力のコンチネンタルW-970-9A空冷星形7気筒ガソリン・エンジン1基
戦闘重量:12.9t
性能:最大路上速度58km/ h、最大路上航続距離112.6km、渡渉水深0.91m、登坂能力60%、越堤能力0.61m、越壕能力1.83m
兵装:37mm主砲1門、7.62 mm同軸機関銃1挺、ほかに7.62mm機関銃4挺

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2018/01/29


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