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AEC装甲車

【第65回】AEC装甲車  <装甲車>


 AEC装甲車は、第二次世界大戦中にイギリスのAEC社(Associated Equipment Company )が開発した一連の重装輪装甲車である。同時代の標準からすれば大型で、当時の巡航戦車に匹敵する装甲厚を備えていたことから、実際には「装輪戦車」と呼ぶべき存在であった。

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AEC装甲車の武装

▲75mm戦車砲へ換装したMkIIIA

 ミドルセックス州にあったトラックとバスの車体を生産するAEC社は、同社が開発したAECマタドールの車体を使用した装輪装甲車の開発を計画した。1941年に試作車がロンドンのパレードで展示され、1942年から1943年にかけて629輌が生産された。
 イギリス・ロンドンのAEC社が製造した最初の装甲車は、シャシーはマタドール砲兵牽引車をベースとしているが、これを装甲車用に改造するために数多くの変更が取り入れられた。例えば、車高を低く抑えるために、エンジンは前後に少し角度をつけて配置された。
初号車は1941年初頭に公開され、同年6月に発注が行われた。AEC装甲車MkIは、ヴァレンタイン戦車と同じ砲塔に、2lb砲(40mm)と7.92mmベサ機関銃を同軸架装した車両であった。MkIが120両生産されたところで、北アフリカでの戦闘用に、より強力な武装が求められるようになった。その結果製作されたAEC装甲車MkIIは、6lb砲(57mm)1門を搭載する3名定員の砲塔を備えていたが、これでも威力は十分でなかったため、MkIIに代わってAEC装甲車MkIIIが生産されるようになった。MkIIIは同じ砲塔にアメリカ製M3 75mm戦車砲のイギリス改良版を搭載し、非常に強力な装甲車となった。

視界の制約

▲歩兵戦車から流用した砲塔と2lb砲が特徴のAEC 装甲車MkI

 AEC装甲車は、フルタイム4×4駆動機構を採用していたが、4×2仕様に変えることも可能であった。乗員防護が徹底していたため、運転手は直接外を見ることができず、ペリスコープだけを頼りに運転しなければならなかった。ただし、ハッチを開けてドライバー・シートを持ち上げることで、直接外部を見ることができた。前後のマッドガード(泥除け)の間に大型のロッカーを備えていたため、車体は側面が平らになっていた。しかし、これが障害物突破性能と被弾性能に影響を与えたため、AEC MkIIでは車体前部の形状が改められた。
 AEC装甲車は、生産終了までに各型合わせて629両が作られた。Mk.Iは、1942年後半の北アフリカ戦線で最初に実戦投入された。いくつかの車輛はクルセーダー巡航戦車の砲塔と6ポンド砲を装備していると記録されている。Mk.IIとMk.IIIはイギリス陸軍と英印軍の部隊に配備され、スタッグハウンド装甲車とともに、ヨーロッパ作戦戦域で戦った。AEC MkIIIの一部の車両は、大戦終了時まで北西ヨーロッパ駐留部隊で使用された。
 派生型として、クルセーダー対空戦車の砲塔にエリコン 20mm機関砲を2連装で搭載したAAがある。北ヨーロッパでの連合軍の航空優勢のために量産されなかった。

諸 元

AEC装甲車MkI
乗員:3名
寸法:全長5.18m、全幅2.71 m、全高2.55m
エンジン:出力105馬力のAEC 6気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:(戦闘時)11t
性能:最大速度58km/h、最大航続距離402km

AEC装甲車MkII/MkIII
乗員:4名
寸法:全長(MkII)5.18m、(MkIII)5.61m、全幅2.71m、全高2.69m
エンジン:出力155馬力のAEC 6気筒ディーゼル・エンジン1基
重量:(戦闘時)12.7t
性能:最大速度66km/h、最大航続距離402km

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2018/05/28


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