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ダイムラー装甲車

【第66回】ダイムラー装甲車  <装甲車>


 ダイムラー装甲車は、第二次世界大戦中にイギリス軍が使用した装輪装甲車である。軽量小型の偵察車で、捜索や連絡任務に用いられたダイムラー偵察車を基に、大型化してテトラーク戦車の砲塔を装備したものだ。

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大型のスカウト・カー

▲派生型のダイムラー装甲車MkII。

 BSAスカウト・カー(偵察車)がまだ初期の試験段階にある頃、この基本設計を「装輪軽戦車」と呼ばれる新車両の基礎に流用することが決定された。この開発プロジェクトはダイムラー社に引き継がれたが、でき上がったのは2名定員砲塔付きの大型車両で、形状は原型の偵察車に似ていたが、重さは倍もあった。
 開発は1939年8月に始まり、最初の試作車両は同年末頃には走行可能な状態に仕上がっていた。砲塔や装甲の追加による重量超過がトランスミッションに大きな負担を与えたため、この解決に多少時間を取られたが、1941年4月に量産初号車が送り出された。この頃までにはダイムラー装甲車MkIという制式名称が与えられていた。
 ダイムラー装甲車は基本的に、スカウト・カーを大型化して砲塔と2lb(40mm)砲を追加した車両であった。砲塔には7.92mmベサ機関銃も同軸架装されていた。4輪駆動のシャシーは、各車輪にダブル・コイル懸架を採用したが、当初検討された4輪操向機構は、複雑すぎるとして放棄された。この時代としては斬新な装備として、ガーリング油圧ディスク・ブレーキが取り入れられ、本来なら機械式クラッチを装備する部分に流体継ぎ手が採用されていた。緊急時の後進運転に備えて、車長用の予備ステアリング・ホイールと簡単な運転装置が用意されていた。

MkIIとMkI CS

▲イギリス製装甲車の最高傑作の一つであるダイムラー装甲車。

 ダイムラー社は、制式採用後の改良には消極的だったが、後にはダイムラー装甲車MkIIを登場させている。MkIIでは搭載砲が変更されたほか、ラジエター配置の細部に改良が加えられ、エンジン区画を通る運転手用の脱出ハッチなどが装備された。試作車としては、近接火力支援用に搭載砲を2lb砲から76.2mm榴弾砲に変更したダイムラーMkI CSも作られた。その他の改造例としては、配備済みの少数のMkIに「リトルジョン・アダプター」と呼ばれるスクイズボア・マズル・アタッチメント(漸減口径砲)を装備したものがある。これは、2lb砲身からより小口径の弾頭を発射して、強い装甲貫徹力を得られるようにする仕掛けだった。
 ダイムラー装甲車は、1941〜42年に初めて北アフリカの戦闘に投入されると、そのオールラウンドな性能と信頼性で高い評価を獲得した。また、ヨーロッパでも用いられ、いくつかの車両は南東アジアにも送られた。終戦までには、砲塔を撤去して偵察車両や指揮車両として使用されたものもあった。一方、本来の砲塔付き車両は、1945年以降も長期間にわたって現役で使用された。イギリス領土に配備された部隊で1960年代まで使用された。ダイムラー装甲車の生産総数は、各型合わせて2,694両に達した。

諸 元

ダイムラー装甲車MkI
乗員:3名
寸法:全長3.96m、全幅2.44m、全高2.24m
エンジン:出力95馬力のダイムラー6気筒ガソリン・エンジン1基
重量:(戦闘時)7.5t
性能:最大速度80.5km/h、最大航続距離330km

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2018/06/28


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