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T-26

【第69回】T-26  <戦車>


 T-26は、第二次世界大戦前からソ連軍などで使用された軽戦車である。全体的に見るとT-26は極めて凡庸な戦車だったが、ソ連が装甲車両の大量生産施設と製造ノウハウを確立するうえで、T-26は非常に大きな貢献を果たした。

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イギリス製がモデル

▲屋外展示される1933年型のT-26。

 1920年代の後半、ソ連軍の参謀たちは戦車部隊の装備更新計画に着手した。他国と同様、ソ連も非騎兵部隊向けの歩兵支援戦車の導入を決定し、新しい設計が考案された。しかし、これは失敗に終わり、結局イギリスのヴィッカース6t E型軽戦車を生産することになった。この戦車はT-26軽歩兵戦車として制式採用され、1930年には最初のイギリス製モデルにT-26A-1と命名した。T-26のソ連国内での生産は、1931年に開始された。
 初期のモデルでは、2つの砲塔に機関銃が装備されていた(T-26A-2は7.62mm機関銃2挺、T-26A-3は12.7mm機関銃と7.62mm機関銃を各1挺)。しかし、片方の砲塔に機関銃、もう片方に砲を装備するモデル(T-26A-4は27mm砲、T-26A-5は37mm砲)もあり、装備にばらつきが見られた。しかし、こうした状態は長くは続かず、後のT-26Bでは1つの砲塔に主砲1門が装備されるようになり、T-26B-1では37mm砲が装備され、後に45mm砲に換装された。
 初期のT-26はイギリス製モデルをそのままコピーしたものであり、大部分がリベット留め構造のシンプルで頑丈な戦車であった。最初のモデルはT-26 1931年型(T-26A)で、続いてさまざまな改良を採り入れたT-26 1933年型(T-26B)に生産が切り替えられた。1933年型は、1941年以前では最も大量に生産されたソ連戦車で、約5,500両が1936年の生産終了までに製造された。その後、新型のT-26S 1937年型が量産に入った。T-26Sは、1933年型の後期型と同じ45mm主砲を装備していたが、砲塔には改良が加えられていた。
 1933年型の後期型からはリベット留めに代えて溶接加工が用いられるようになり、その後T-26Sで標準となった。溶接加工採用のきっかけとなったのは、1934〜35年にモンゴル/満州国境で発生した日本軍との衝突であった。この戦闘で、被弾したT-26の車内でリベットが跳ね回る事例が多発し、乗員に甚大な被害が出たのである。

各種派生型とT-26の終焉

右側に37mmのPS-1を装備したT-26。1939年。

 T-26戦車はその経歴を通じて、生産ライン上および現地部隊で多くの変更が加えられたが、その大半は兵装と装甲(6〜25mm)の強化であった。また、数多くの特殊派生型も製作された。その中でおそらく最も多く作られたのは、名称の頭にOTを付けた火炎放射戦車である。火炎放射戦車にもいくつかのタイプがあり、最初の型はOT-26、最後の型はOT-133と呼ばれた。これらの車両の大半は、主砲の代わりに火炎放射器を砲塔に搭載していたが、後期型では火炎放射器に加えて砲も残された。そのほかの派生型としては、橋梁運搬型(ST-26)や、歩兵火力支援の強化のために76.2mm砲を搭載したモデルがあった。さらにはT-26A-4(U)およびT-26B-2(U)と呼ばれる指揮車両も開発された。
 ソ連に侵攻したドイツ軍がほとんどの戦車製造施設を破壊したため、T-26シリーズの生産は1941年に一度中断し、その後、ソ連の僻地の生産拠点で後期型の生産が開始された。T-26は1941年までに各型合わせて12,000両以上が製造されており、その結果、ソ連軍で最も多く使用された装甲戦闘車両となった。1939〜40年のフィンランドとの「冬戦争」でもT-26は使用されており、一部はスペイン内戦にも参加している。
 1941年以降、大量のT-26が破壊されるか、ドイツ軍の手に渡った。後にドイツ軍は、多くのT-26を砲牽引車や自走砲に改造したが、これは同軍が常にこの種の車両を必要としていたためであった。
全体的に見るとT-26は極めて凡庸な戦車で、1941年当時の要求に応えられる戦力ではなかった。しかし、ソ連が装甲車両の大量生産施設と製造ノウハウを確立するうえで、T-26は非常に大きな貢献を果たした。これらの要素は、1941年以後、大いに役立つことになったのである。

諸 元

T-26B
乗員:3名
寸法:全長4.88m、全幅3.41 m、全高2.41m
エンジン:出力91馬力のGAZ T-26 8気筒ガソリン・エンジン1基
重量:9.4t
性能:最大路上速度28km/h、最大路上航続距離175km、登坂能力40%、越堤能力0.79m、越壕能力1.9m
兵装:37mm砲または47mm砲1門

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2018/09/26


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