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P-51マスタング

【第1回】P-51マスタング <追撃/護衛戦闘機>


マーリン・エンジンに換装されたことで、無敵の戦闘機に変貌したP-51マスタングは、高性能のドイツ戦闘機をも撃墜するなど、第二次世界大戦で多くの戦果を残した戦闘機である。

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エンジンの変更

デアゴスティーニ編集部

▲P-51マスタングは戦闘中に最大性能が必要になると、空気抵抗を減らすために主翼下の増槽を投棄した。(写真/U.S. Air Force)

 第二次世界大戦で最も重要な働きをした戦闘機の一つに数えられるP-51マスタングは、もともとはイギリスからの要求に基づいて1940年にノース・アメリカンにより設計された作戦機である。試作機NA-73はその年の10月に1,100馬力のアリソンV1710-F3Fエンジンを搭載して初飛行した。アメリカ陸軍航空軍(USAAF)は最初に製造された2機を使用しXP-51追撃機として評価したが、アメリカではこの機種は採用されなかった。製造初期の機体はほとんどがイギリス空軍に送られ、同国は620機をマスタングMkIAおよびマスタングMkIIと命名。同機は低空における速度と航続距離が非常に優れていたことから、地上部隊に対する協力作戦または対地支援任務に配置された。
 1941年にアメリカが参戦すると、USAAFはマスタングに対する考え方を改めて148機を発注した。これらの機体には、12.7mm機関銃4挺と7.7mm機関銃4挺の代わりに20mm機関砲4門が搭載され、主翼の下には爆弾懸架装置が取り付けられた。USAAFはこの機種を対地攻撃機として使用する予定であったため、A-36Aアパッチという型式名を付与した。1942年になると、1,200馬力のアリソンV1710-81エンジンを搭載するアパッチの戦闘機型が310機発注され、P-51Aと改称されたこの戦闘機では、兵装が主翼内の12.7mm機関銃4挺のみになっていた。
 一方、イギリスはロールスロイス製マーリン・エンジンを搭載して4機のマスタングを改装した。それまでのマスタングは低高度性能にのみ優れた戦闘機であったが、このエンジン換装によって、あらゆる高度であらゆる戦闘機を打ち負かすことができる機体へと成長した。
マーリン・エンジンを搭載した結果が非常に優れていたため、アメリカでもV-1650(パッカード製のマーリン・エンジン)を搭載したP-51Bが1,988機、実質的に同じ型であるP-51Cが1,750機製造された。P-51Cでは兵装が機関銃6挺に戻されたほか、機内燃料の増加と増槽の付加によって航続距離が最大2,080kmまで延びた。これによってマスタングは、1944年3月にはアメリカの爆撃機をベルリンまで援護できるようになったのである。

マスタングの決定版登場

デアゴスティーニ編集部

▲マーリン・エンジンを搭載したP-51マスタングは、ヨーロッパにおける戦闘に参加し、B-17やB-24を護衛した。(写真/U.S. Air Force)

 長距離飛行できるマスタングがB-17やB-24爆撃機の密集編隊を援護することになったため、ドイツ側の防空は非常に困難になった。増槽を投棄すれば、ドイツ空軍のどの戦闘機とも対等以上の戦いができた同機は、高性能を誇るドイツ空軍のジェット迎撃戦闘機Me262をも撃墜したが、そのほとんどはMe262が離着陸態勢に入っているときであった。ドイツに対する作戦に投入されたのは主としてP-51BおよびP-51Cであったが、1944年になるとP-51Dが大量に導入された。P-51Dはマスタングの決定版となった型で、キャノピーの後ろの胴体を低くしてダラス・フードと呼ばれた「涙滴」型キャノピーを取り付けたことと、燃料搭載を増加させたことが特徴。なお、P-51KはP-51Dと同じ機体である。
 マーリン・エンジンを搭載したP-51は、イギリス空軍ではマスタングMkIII(P-51B/C)およびマスタングMkIV(P-51D)という名称で部隊に配備された。すべてのマスタングの中で速度が最も大きかったのは軽量のP-51Hで、その最高時速は784km/hである。なお、P-51の合計製造機数は15,586機に達し、P-51Dは7,956機、P-51Kは1,337機、P-51Hは555機が製造された。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲1940年代、日本本土を攻める爆撃機を護衛するため、硫黄島から離陸するP-51マスタング。(写真/U.S. Air Force)

ノース・アメリカンP-51D(マスタングMkIV)
タイプ:単座長距離戦闘機
機体寸法:全幅11.28m、全長9.85m、全高3.71m、主翼面積21.65㎡
エンジン:出力1,490馬力のパッカード/ロールスロイス・マーリンV-1650-7 V型12気筒ピストン・エンジン1基
重量:空虚重量3,232kg、最大離陸重量5,262kg
性能:最大速度704km/h(高度25,000ft)、高度9,145mへの上昇時間13分、実用上昇限度12,770m、最大航続距離3,347km
兵装:主翼に12.7mm機関銃6挺を装備するほか、1,000lb (454kg)爆弾2発または直径127mmロケット弾6発を搭載可能

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真/U.S. Air Force] 

公開日 2012/12/14


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