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ロックウェルB-1Bランサー

【第21回】ロックウェルB-1Bランサー <戦略爆撃機>


コンパス・グレイに塗装されたB-1Bランサーは、アメリカ空軍の低高度侵攻爆撃機で、1970年6月に登場したB-1Aを原型として誕生した。B-1Bは、F-16CおよびF-15Eと協同して攻撃作戦を行い、KC-135R給油機およびF-15C戦闘機の支援を受けた。

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将来の改良計画

デアゴスティーニ編集部

▲B-1Bランサーはアメリカの軍事力にとって最も重要な兵器のひとつであり、アフガニスタンのタリバン政権に対する「エンデュアリング・フリーダム(不朽の自由)」作戦にも本格的に参加した。

1994年4月4日、それまで第366航空団の隷下でカリフォルニア州キャッスル空軍基地からB-52Gを運用していた第34爆撃飛行隊は、エルスワース空軍基地に移動して、同航空団にランサー部隊として編入された。ランサーの機体自体は、マウンテン・ホーム基地に配備して余分な経費をかけるよりも、第28航空団の基地施設や整備器材を利用するほうが効率的であるため、実際にはエルスワース基地に置かれている。B-1BはF-16CおよびF-15Eと協同して攻撃作戦を行い、KC-135R給油機およびF-15C戦闘機の支援を受ける。この航空団の隷下部隊は定期的に合同訓練を実施して、有事に協同作戦を実施できるよう常に準備を整えていた。
 実用配備されているランサーに対して、能力を向上させるための新しい概念が継続的に開発されている。今後の改良にあたって課題とされているのは、コクピットの近代化、通信能力の強化による状況把握能力の向上、フレアの改良、機上における攻撃目標の変更機能強化、そしてレーダーおよび合成開口レーダーの性能向上である。そのほかでは、AN/ALR-56Mレーダー警戒受信機の性能を向上させて、敵のレーダーの方向を1°以内の誤差で探知することが検討されている。1999年2月にフロリダ州オーランドで開催されたアメリカ空軍協会の航空戦闘シンポジウムで、ホーレー大将(退役)はこの方針の正しさを強調し、「飛行経路上から目標を指示するだけですべての攻撃行動を実施できるよう、センサーから攻撃兵器に至るまでの作戦機搭載システムの能力を強化する」必要があると述べた。
混成航空団構想は、「砂漠の嵐」作戦後にアメリカ空軍参謀長のメリル・A・マクピーク大将が考案したもので、航空戦闘軍団が1992年6月1日に新設されたのと同時に実行に移された。混成航空団は、隷下の編制部隊だけで戦略爆撃(B-1B)と戦術攻撃(F-15E、F-16C)を実施でき、同時に防空(F-15C、F-16C)および空中給油(KC-135、KC-10)も行えるため、理論的には他の部隊からの支援をほとんど受けなくても作戦実施が可能である。

パワープラント

デアゴスティーニ編集部

▲可変後退翼の採用によって、B-1Bは性能と生存性の両方が強化された。主翼を前方一杯に広げると、短い滑走距離での離陸が可能になり、攻撃を受けている飛行場から脱出しやくすくなる。一方、主翼の後退角を最大にすると、巡航距離が最大になり、高速低高度での侵入が容易になる。

長距離の作戦任務にあたっては、B-1Bは前部兵器倉に補助燃料タンクを取り付けた。中央と後部の兵器倉には、56発のMk82爆弾を搭載することができる。
B-1Bのエンジンはゼネラル・エレクトリック製のアフターバーナー付きF101-GE-102 4基で、アフターバーナーを使用しない場合の各エンジンの定格推力は、海面高度において75.604kNである。ターボファンのバイパス比は約2で、エンジンは2基を一組として主翼付け根の下に大きく離して取り付けられ、その間には内側引き込み式の主降着装置が取り付けられている。エンジンは直径が1.40m、乾燥重量が約2,019kgで、アフターバーナーを最大出力にして離陸する際には136.92kNの公称推力を出すことができる。
最初に取り付けられていた12枚の花弁式ノズルは、B-1Aのノズルよりも構造が単純で重量も約39kg軽くなったが、後に「七面鳥の羽」と呼ばれるアクチュエーター・カバーを取り外したタイプにしたことで、さらに軽量で単純な構造になった。各ファン・ケースの下にはエンジンの推力を取り出すシャフトがあって、高圧スプールとADG(補器駆動ギヤボックス)を連結している。ADGはIDG(総合駆動発電機)と2個の油圧ポンプを駆動し、これらの装置から機体各系統に電力および油圧動力が供給される。各ADGにはエア・タービン始動装置があって、地上の圧縮空気装置を使用すると、4基のエンジンを同時に始動させることができる。さらに、2基パッケージの右側にあたる第2および第4エンジンは、シャフトによって近くの補助動力装置(APU)に連結されている。
APUは2個の小型のガスタービンで、各ナセル中心線上で主エンジンの前に取り付けられている。バッテリーまたは地上電源で始動させたAPUはシャフトで右エンジンを駆動し、次にAPUから送られる空気によって左エンジンを始動させる。各APUのトランスミッション・シャフトは、主エンジンを始動させることなく、連結された相手エンジンのIDGと油圧ポンプ1個を駆動する力を持っている。これによって、主エンジンを使用しないで整備作業を実施できるほか、搭乗員が即時発進に備えてコクピットで待機している間も、空調などの機内の機能を維持できる。
B-1BのF101エンジンには、これまでにいくつかの問題が発生している。合計運転時間が100,000時間に達するまでの間に、6件の不具合がエンジンのファンに発生したが、ゼネラル・エレクトリックはその後、完全に設計し直した新しい第1段ファン・ブレードを導入した。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲B-1Bのコクピット。周到に構成された敵の防空組織に対し、電子妨害、赤外線対策、レーダー探知および警戒システム、それに「低被探知性」技術を駆使して、低高度から高速侵入し、目標を攻撃する能力を備えている。

ロックウェルB-1Bランサー
タイプ:搭乗員4名の戦略侵攻爆撃機およびミサイル発射母機
寸法:全幅41.67m、全長44.81 m、全高10.36m、主翼面積、約181.16m2
エンジン:ドライ時推力64.94 kN、アフターバーナー使用時推力136.92kNのゼネラル・エレクトリックF101-GE-102ターボファン・エンジン4基
重量:自重87,091kg、最大離陸重量216,365kg
性能:最大速度1,324km/hまたはマッハ1.25(高高度)、実用上昇限度15,240m以上、航続距離約12,000km
兵装:機内に最大34,019kgと機外に最大26,762kgの投下式兵装を搭載可能。種類は、B61およびB83水素爆弾、AGM-69A短距離攻撃ミサイル(SRAM)、AGM-86B空中発射巡航ミサイル(ALCM)、ならびに機内に最大84発の500lb(227kg)Mk82爆弾または500lb(227kg)Mk36機雷

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/09/25


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