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CH-47チヌーク

【第25回】CH-47チヌーク  <ヘリコプター>


1962年初めに就役したCH-47チヌークは、驚異的な重量物運搬能力と素直な飛行性能を兼ね備え、特殊作戦機に改修するにあたって理想的なヘリコプターであった。日本でも東日本大震災などの大規模災害の緊急援助で派遣され、今も世界最高クラスのヘリコプターとして知られている。

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CH-47D SOAとMH-47D

デアゴスティーニ編集部

▲ベトナム戦争に参戦したCH-47チヌーク(1967年)。

チヌークは、アメリカのボーイング・バートル社(現ボーイングIDS社のロータークラフト部門)で開発されたタンデムローター式の大型輸送用ヘリコプターであり、配備開始から半世紀が経過した現在も生産されている。愛称の「チヌーク」(Chinook)は、北アメリカのネイティブアメリカン部族の「チヌーク族」(チヌック族)から命名された。アメリカ陸軍では航空機の愛称として、他にもアパッチ(アパッチ族)など、ネイティブアメリカン部族の名前を愛称にしている。
1980年代、アメリカ陸軍のM198 155mm榴弾砲を吊り下げて運搬することも可能なCH-47Dをベースとして、特殊作戦機(SOA)に最適化したミッション・パッケージを備える2種類の派生型が開発された。これらの機体は、改良型の電子機器やコックピット、通信装置を備え、幅広い自己防御用装備を搭載していた。ただし、SATCOMアンテナを胴体背部のスパインに取り付けたことを除くと、外見上は標準型とほぼ同じであった。この第一の派生型はCH-47D SOAと呼ばれ、24機が改修によって作られた。
第二の派生型はMH-47Dと呼ばれ、この型ではCH-47D SOAからさらに装備が追加されていた。主な追加装備は、カラー気象レーダー、FLIRターレット、右キャビン・ドア上部の救出ウィンチ、そして空中給油プローブである。その進歩したコクピットゆえに、MH-47Dは搭乗員の間でMH-47D AWC(全天候コクピット)の通称で呼ばれている。CH-47D仕様からMH-47Dに改修された機体の正確な数は分からない。MH-47Dは空中給油プローブを付けずに飛行することも多いので、CH-47Dと混同される場合もある。

イギリス空軍のチヌーク

デアゴスティーニ編集部

▲2012年1月10日、アメリカのジョージア州で行われた兵器実射訓練に参加するチヌーク。

イギリス空軍のボーイング・ヘリコプター・チヌークは、25年間にわたり支援ヘリコプター部隊の主力機として働いてきた。チヌークの稼働率、吊り下げ能力、多用途性は、計画された要求条件を満たして余りあるものだ。この四半世紀に、世界的な戦略や戦術ミッション、運用上の優先順位は大きく変化し、従来よりも機動性と柔軟性に富んだ部隊編制が重視されるようになったが、これに伴ってイギリス空軍のチヌークの多用途性とミッション対応性もますます拡大している。
「砂漠の嵐」作戦では通常の陸軍部隊と特殊戦部隊に対する支援を担当し、後者の任務では実験的な夜間迷彩塗装が何機かに施されたほか、SATCOM(衛星通信)装置とドア機関銃を搭載する応急策が急遽実施された。チヌークはクルド人に対する人道的支援にも参加して、食料やその他の救援物資を運搬している。ボスニアでは、装甲を強化して自己防御用電子機器を搭載したイギリス空軍のHC.Mk2 6機が、イギリス陸軍第24空中機動旅団を支援した。また、第7飛行隊の2機のチヌークは真っ白に塗装されて、クラジナ地区で国連の人道支援任務に従事した。1999年6月のNATOによる対コソヴォ兵力投入では、8機のチヌークが主力輸送手段として使用された。これらのヘリコプターは、イギリス陸軍第5航空師団の主要部隊を枢要地点に運ぶ任務を実施し、マケドニアからプリシュティナに通じる主要道路上の最重要地点であったカチャニク渓谷にも兵員を送り込んだ。最近の対アフガニスタン作戦や「イラクの自由」作戦でも、チヌークHC.Mk2が実戦に参加している。

諸 元

CH-47Dチヌーク
機体寸法
全長:30.14m(ローター回転時)
胴体長:15.54m
全高:5.77m(後部ローター・ヘッド最上部まで)
ホイール・トラック:3.20m
ホイール・ベース:6.86m
ローター直径:各18.29m
ローター回転円盤面積:合計525.34m2
エンジン
離陸時定格出力2,796kW、連続運転時2,237kWのテキストロン・ライカミングT55-L-712ターボシャフト・エンジン2基、または離陸時定格出力3,264 kW、連続運転時2,339kWのテキストロン・ライカミングT55-L-712 SSBターボシャフト・エンジン2基。両エンジンとも、トランスミッション駆動定格出力は、2基で5,593kW、1基で3,430kW
重 量
自重:10,151kg
通常離陸重量:20,866kg
最大離陸重量:22,679kg
燃料および荷重
機内燃料:3,899r
最大ペイロード:10,341kg
性 能
フェリー航続距離:2,026km
作戦行動半径:最大機内重量搭載時185km、最大機外重量搭載時56km
最大水平速度:298km/h(海面高度)
最大巡航速度:256km/h(最適高度)
最大上昇率:669m/min(海面高度)
実用上昇限度:6,735m
ホバリング高度限界:3,215m

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2015/01/29


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