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F-15 イーグル

【第3回】F-15イーグル <制空戦闘機>


1975年に配備が開始されたF-15 イーグルは、ヘッド・アップ・ディスプレイなど当時の最新電子機器を搭載した長距離戦術制空戦闘機で、数々の実戦を経験し多くの戦果を挙げた。

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精巧な電子機器を搭載

▲F-15イーグルは、当時としては最新式の電子機器を搭載した長距離戦術制空戦闘機である。(写真/U.S. Air Force)

F-15イーグルの開発プログラムがスタートしたのは、1965年にアメリカ空軍がF-4に代わる長距離戦術制空戦闘機を定めたFX(次期戦闘機)要求仕様書を発行したときのことである。ベトナム戦争の経験を踏まえて、この仕様書には、双発、複座、内蔵火器の搭載が要求されていた。F-15の製造契約を獲得したマクダネル・ダグラス(現ボーイング)社は、まず10機の単座型F-15Aと2機の複座型TF-15Aを開発機として製造した。F-15の初号機は1972年7月27日に初飛行し、最初の量産型であるF-15Aは合計355機、複座練習機型F-15Bは57機が生産された。
主翼が大きく、翼面荷重が非常に低いF-15は、驚異的な運動性を備えている一方で、最新式の精巧な電子機器を装備していた。パイロットは機体前方のかなり高い位置にある操縦席に座り、大型の吹き出し成型式キャノピーによって、非常に優れた全周視界を得ることができた。コックピット内部の配置は優れたもので、計器類は当初はアナログ式であったが、ヘッド・アップ・ディスプレイ(HUD)を備え、操縦桿とスロットルに各種機器の制御装置を取り付けるなど、すべての主要装置について完全なHOTAS操作が可能となっていた。

多段階改良計画の実施

▲空中給油を受けるF-15。F-15は世界各地でその驚異的な運動性能を披露した。(写真/U.S. Air Force)

1975年1月9日、ヴァージニア州ラングレー空軍基地の戦術航空軍団(TAC)第1戦術戦闘航空団(TFW)にF-15Aが納入され、イーグルの実戦部隊への配備が幕を開けた。初めて実戦に投入されたのはイスラエル空軍のF-15であり、1979年6月27日にシリアのMiG-21 5機を撃墜。1981年6月7日には、イラクのオシラク原子炉への長距離攻撃に参加して、同空軍のF-16ファイティング・ファルコンを援護した。また、1982年にはベカー高原上空の「七面鳥狩り」で大きな戦果を挙げている。
アメリカ空軍は1980年代初期に小規模なMSIP(多段階改良計画)を実施して、在籍中のF-15A/Bに改良を加えた。1990年代には、これよりもさらに大規模なMSIPが実施され、AN/ APG-63が改良型のAN/APG-70ルックダウン/シュートダウン・レーダーに交換されたほか、新しい電子機器とデジタル式中央コンピューターが導入された。

F-15C/Dの登場

▲単座型のF-15Cは、1991年の「砂漠の嵐」作戦や1999年の「アライド・フォース」作戦に参加した。(写真/U.S. Air Force)

F-15A/Bに続いて登場したのは、単座型F-15Cと複座型F-15Dで、F-15Cは1979年2月26日に初飛行した。F-15C/Dは、改良型の軽量AN/APG-63 Xバンド・パルス・ドップラー・レーダーと合わせて、プログラム変更可能な信号処理装置を装備し、また2,389r入りのコンフォーマル燃料タンク(CFT)を空気取入口側面に取り付けることができた
F-15Cが初めて実戦で戦果を挙げたのは1984年6月5日のことで、この日、サウジアラビア空軍の2機がペルシャ湾上空でイランのF-4EファントムII 2機を撃墜した。1991年の「砂漠の嵐」作戦では、F-15C/Dが32機のイラク機を撃墜したが、イーグル側の損失はゼロであった。さらに1999年の「アライド・フォース」作戦に参加したF-15Cは、AIM-120 AMRAAMによってセルビアのMiG-29 4機を撃墜している。
F-15C/Dは、イスラエル、サウジアラビアのほか、日本にも販売されており、三菱重工が単座型のF-15Jと複座型のF-15DJをライセンス生産した。これらの機体は、一部の電子機器に国産製品を採用している。

諸 元

マクダネル・ダグラスF-15Cイーグル
タイプ:単座制空戦闘機
寸法:全幅13.05m、全長19.43 m、全高5.63m、主翼面積56.48m2
エンジン:ドライ時定格静止推力65.26kN、アフターバーナー使用時106kNのプラット&ホイットニーF100-PW-220ターボファン2基
重量:運用自重12,793kg、通常離陸重量20,244kg(迎撃任務時)
性能:最大水平速度2,655km/ h以上(高度36,000ft、クリーン時)、最大初期上昇率15,240m/min以上、実用上昇限度18,290m、戦闘行動半径1,967km(迎撃任務時)
兵装:M61ヴァルカン20mm機関砲1門(弾薬940発)、最大兵装搭載量7,257kg(AIM-120 AMRAAM、AIM-7Mスパロー、AIM-9Mサイドワインダーの各AAMを含む)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真/U.S. Air Force] 

公開日 2013/03/27


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