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ダッソー・ラファール

【第35回】ダッソー・ラファール <多用途作戦機>


ラファールは、フランスのダッソー社が開発した戦闘機で、フランス空軍・海軍においてマルチロール機として運用されている。フランスは当初、イギリス、ドイツとの共同開発で欧州戦闘機開発を行っていたが、単独で開発に着手し、完成させた。機体名称は、フランス語で「疾風、突風」の意味。

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ACXからラファールへ

デアゴスティーニ編集部

▲2007年、パリ航空ショーに参加したラファールB。

ダッソー社は1980年代初期に、国産戦闘機プログラムの技術実証機としてACX(実験戦闘機)を設計した。これは、フランスが1985年8月にヨーロッパ戦闘機(EFA)計画から脱退する以前の話である。フランスがEFAから撤退した表向きの理由は、同国軍、特に海軍がより小型で軽量の作戦機を要求していたためである。
ACX実証機は1986年7月4日に初飛行し、当時計画されていたACT(戦術戦闘航空機)の基礎データ(空力設計、機体構成、性能、フライ・バイ・ワイヤ操縦系統、複合材料を基本とした機体構造など)の収集に貢献した。このACTが、後にラファールとなったのである。
ACXは当初、静止推力68.60kNのゼネラル・エレクトリックF404-GE-400ターボファン・エンジン2基を搭載していた。しかし、空母「クレマンソー」艦上でのタッチ・アンド・ゴーを含む初期試験を終えた後、左側のF404は静止推力73.5kNのSNECMA M88-2に換装された。ACXはラファールAに名称が変更された。ラファールAは1986年9月、イギリスで行われたファーンボロー航空ショーで一般公開された。
ラファールBは、本来は戦闘能力も備えた実用機転換訓練用の練習機として開発されていたが、二人乗りの戦闘攻撃機として主力を務め、ラファールC単座型試作機は1991年5月19日に初飛行し、この飛行で超音速巡航能力を実証した。二重操縦系統を備えたラファールB複座型試作機は、トムソン-CSF/デテクシスRBE2多モード・レーダーとトムソン-CSF/マトラSPECTRA防御支援パッケージを装備して1993年4月30日に初飛行した。

ラファールの特徴

デアゴスティーニ編集部

▲2006年6月25日、フランス・アンベリューに姿を見せたプロトタイプのラファール。

ラファールは、クロースカップルドデルタ翼機で、後退角は45度。翼端をカットした台形型のクリップドデルタが特徴。無尾翼デルタ翼の場合は低翼配置にする例が多いが、本機の場合は、地上からのクリアランスとミサイルをはじめとした大型兵装の搭載スペースを確保し、さらに決して余裕があるとはいえない推力を補うために空気抵抗の少ない中翼配置を採用している。
フランス空軍向けのラファールCの試作機は、ACXをやや小型・軽量化した機体であった。同機では、レーダー反射断面積を減らすため、主翼付け根のフェアリングがさらに丸みを帯びた形状になり、キャノピー内側に金色コーティングを採用したほか、レーダー波を吸収するダーク・グレイに機体を塗装し、胴体後部/垂直尾翼結合部の形状が変更された。垂直尾翼自体も低くなって先端にECMフェアリングが取り付けられ、横に赤外線ミサイル発射探知器の窓が設けられた。ACXのものより大型のカナード前翼は、降着装置とリンクしており、着陸時には20°上に傾斜して揚力を増加させることができる。
兵装用ステーションは14か所あり、そのうちの5か所はドロップ・タンク携行用に配管されている。搭載できる兵装は、MICA中射程空対空ミサイル、AS30L空対地ミサイル、スカルプ・スタンドオフ弾薬ディスペンサー、ASMP核ミサイル、AM39エグゾセ対艦ミサイルなどである。
最新の搭載電子機器としては、セクスタン広視野ヘッド・アップ・ディスプレイ、ヘッド・レベル戦術認識表示装置、2基のヘッド・ダウン多機能表示装置があり、コックピットはHOTAS操縦方式を採用し、ヘルメット装着式照準装置を備えている。また、将来はコックピット内に音声指示機能が付加される予定である。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲アメリカ原子力空母エンタープライズに着艦したラファール。

ダッソー・ラファールC
タイプ:単座多用途作戦機
寸法:全幅10.80m(翼端のAAM含む)、全長15.27m、全高5.34 m、主翼面積45.70m2
エンジン:アフターバーナー使用時定格静止推力75kNのSNECMA M88-3ターボファン・エンジン2基
重量:自重9,060kg、最大離陸重量19,500kg(後期量産機では24,500kgに増加)
性能:最大速度1,913km/hまたはマッハ1.8(高度11,000 m)、最大上昇率18,290m/ min(海面高度)、実用上昇限度16,765m、戦闘行動半径1,055km(250kg爆弾12発、MICA AAM 4発、ドロップ・タンク3個を積んでの低空進入任務時)
兵装:胴体前方右側に30mm GIAT/DEFA M791B固定式前方射撃機関砲1門、加えて最大9,500kgの投下兵装品を搭載

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2015/11/27


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