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ホーカー・テンペスト

【第41回】ホーカー・テンペスト  <戦闘機>


 ホーカー・テンペストはイギリス空軍(RAF)の戦闘機である。第二次世界大戦中のイギリス空軍における最高速機のひとつであり、それまでのイギリス空軍機と比べ戦闘行動半径は大幅に増加。中低高度においては全連合軍中で最も高速であった。

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タイフーン戦闘機の発展型として登場

デアゴスティーニ編集部

▲テスト飛行中のホーカー・テンペストMkV。

 ホーカー社のシドニー・カムは、1940年に初飛行したタイフーンの性能が迎撃戦闘機としては不十分と考え、改良型の設計に着手した。主な改良点は、楕円形の平面を持つ層流翼を主翼に採用したことと、胴体を延長して積載燃料を増加させたことであった。当初、タイフーンの改良型としてタイフーン II(ホーカー P. 1012)と称し、急降下時の錐揉み防止の為主翼の手直し、それにともなって燃料タンクの胴体内移設、派生して重心移動による尾翼へヒレ付け、主翼前縁へラジエーターの移設などが行われた。
 タイフーン戦闘機の発展型として、テンペストと名づけられたこの航空機は、1943年からホーカー・アビエーション社で量産開始された。1944年4月には量産型のテンペストMkVがイギリス空軍第3および第486飛行隊に配備された。初期のテンペストMkVシリーズ1は長砲身の20mmイスパノMkII機関砲4門を搭載していたが、MkVシリーズ2では改良型の短砲身機関砲に変更された。

飛行爆弾の撃墜

デアゴスティーニ編集部

▲テンペスト Mk. II。テンペストが外見上タイフーンと最も大きく違っていた点は、楕円形の主翼と垂直尾翼のフィレットであった。

 連合軍がノルマンディ上陸を果たした直後、ドイツ軍はV-1飛行爆弾によるイギリス本土攻撃を開始した。テンペストが最初に投入されたのはこのV-1を迎撃する任務で、イギリス空軍が撃墜した1,771機のV-1のうち、テンペストは638機を撃墜した。その一方で、テンペストはタイフーンと同様に、爆弾、ドロップ・タンク、ロケット弾などを積んで対地攻撃にも参加した。最大速度686km/hを誇るテンペストは、就役まもないドイツ空軍の新型機を相手に効果を発揮し、何度かMe262ジェット戦闘機を撃墜している。ドイツ奥地へ侵攻してドイツ空軍機との戦闘や地上攻撃に活躍、またイギリス本土の防空にも参加し、高速を生かしてV1飛行爆弾の迎撃に活躍した。
 テンペストMkVは第二次世界大戦中にイギリス空軍の12個飛行隊に配備され、製造機数は800機に上った。当初、テンペストにはいくつかの型が計画されていたが、MkV以外はほとんど開発が中止された。その中で、高性能のブリストル・センタウラス・エンジンを搭載するテンペストMkIIだけは開発が継続され、終戦前に初飛行したが、部隊配備に就いたのは終戦後であった。対日戦用のMk. IIは、空冷のブリストル製セントーラスVエンジンを装備することで航続距離の延伸に繋がったが実戦には間に合わなかった。
 第二次世界大戦後はジェット戦闘機が普及するまでのつなぎとして、改良型であるMk.VIがキプロス、イラク、エジプトなどに配備された。

諸 元

ホーカー・テンペストMkV
タイプ:単座迎撃/対地攻撃戦闘機
寸法:全幅12.50m、全長10.26 m、全高4.90m、主翼面積28.06m2
エンジン:出力2,180馬力のネイピア・セイバーII H-24ピストン・エンジン1基
重量:自重4,082kg、最大離陸重量6,142kg
性能:最大速度686km/h(高度18,500ft)、高度4,570mまでの上昇時間5分、実用上昇限度11,580m、航続距離1,190 km(機内燃料のみ)
兵装:主翼に20mm機関砲4門、加えて主翼下に1,000lb(454kg)爆弾2発または60lb(27.2kg)ロケット弾8発またはドロップ・タンクを携行可能

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/05/27


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