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BAeシー・ハリアーFRS.Mk1

【第43回】BAeシー・ハリアーFRS.Mk1  <戦闘機>


 イギリス海軍航空隊が装備するシー・ハリアーは、世界初の実用STOVL(短距離離陸/垂直着陸)機であるイギリス空軍のハリアー近接支援/偵察機から発展したもので、FRSという名称は、シー・ハリアーの3種類の任務(艦隊防空戦闘、偵察、打撃/攻撃)の頭文字からつけられた。

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ハリアーからシー・ハリアーへ

デアゴスティーニ編集部

▲イギリス海軍の初期生産型であるシー・ハリアー FRS.1。

 シー・ハリアーが登場したのは、主に対潜作戦用として建造された新世代の20,000t級軽空母の導入とほぼ同じ時期であった。これらの空母はヘリコプターだけを搭載する計画であったが、シー・ハリアーが導入されたことで、イギリス海軍は何とか固定翼機による攻撃能力を保てることになったのである。
 政治的な理由で「航空母艦」ではなく「縦通甲板巡洋艦」と名づけられた「インヴィンシブル」が海軍に納入されると、シー・ハリアーは海軍航空隊史上、最も重要な機種となった。そして、1982年のフォークランド紛争では、シー・ハリアーの採用が賢明な選択であったことが実証された。
 ハリアーの原型であるP.1127は、1963年2月8日という早い時期に空母「アーク・ロイヤル」への着艦に成功していたが、当時のイギリス海軍は、このプログラムにほとんど関心を示さなかった。しかし、政府の方針により海軍がほかの固定翼機を発注できなくなると、ハリアーに対する関心は徐々に高まっていった。こうしてイギリス海軍は、1975年5月に単座型シー・ハリアーFRS.Mk1 24機と複座練習機型ハリアーT.Mk4A 1機を発注し、1978年5月には10機のFRS.Mk1を追加発注した。
 シー・ハリアーFRS.Mk1は空軍のハリアーGR.Mk3と基本的に同じであったが、フェランティ・ブルー・フォックス・レーダーを収めたレドームを取り付けたことで、前部胴体の形状が変わっていた。また、コックピットが25cm高くなり、キャノピーはパイロットの視界を改善するために改修されていた。搭載エンジンは、改良型のペガサスMk104ターボファンであった。さらに、自動操縦装置が追加されたほか、航法/攻撃装置も改良されて新型のヘッド・アップ・ディスプレイが備えられた。機体構造面では、海水腐食の恐れがある個所からマグネシウムが取り除かれた。

フォークランドでの功績

デアゴスティーニ編集部

▲軽空母「イラストリアス」艦内のシー・ハリアー FA.2。

 大西洋のフォークランド諸島の領有を巡り、1982年3月からイギリスとアルゼンチン間で3ヶ月に渡って行われたフォークランド紛争で初の実戦を経験した。1981年6月、シー・ハリアーを装備した第800飛行隊が空母「ハーミーズ」の艦上に展開し、その後第801飛行隊がこれに加わった。両部隊はフォークランド紛争に参加して大きな功績を挙げた。この戦争で特に顕著な働きを見せたのは、アメリカから提供を受けたAIM-9Lサイドワインダー短射程空対空ミサイルであった。アルゼンチン側の確認被撃墜数22に対して、シー・ハリアー部隊は6機を失ったが、そのすべてが空中戦以外の理由によるものであった。この戦いで、シー・ハリアーは空母の艦首に設けられた「スキー・ジャンプ」台から発艦したが、これにより兵装搭載重量を増やすことが可能となった。
南大西洋における作戦が終了した後、イギリス海軍は14機のシー・ハリアーFRS.Mk1を減耗補充分として発注し、1984年にはさらに9機のFRS.Mk1と3機のハリアーT.Mk4(N)練習機型を追加で発注した。
 海外でこの機種を運用しているのはインド海軍のみで、1979年にシー・ハリアーFRS.Mk51 23機とハリアーT.Mk60 6機を初めて発注した。現在は、開発国のイギリス、唯一の輸出国インド共に全機退役している。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲アメリカ海軍のF/A-18Fと共に飛行するインド海軍のシー・ハリアー FRS.51。

BAeシー・ハリアーFRS.Mk1
タイプ:単座艦上STOVL戦闘、偵察および対地/対艦攻撃機
寸法:全幅7.70m、全長14.50 m、全高3.71m、主翼面積18.68m2
エンジン:定格静止推力96kNのロールスロイス・ペガサスMk104推力変向式ターボファン1基
重量:自重6,374kg、最大離陸重量11,884kg
性能:最大速度1,185km/h以上(低高度)、初期上昇率15,240m、実用上昇限度15,545m、行動半径750km (Hi-Hi-Hi迎撃ミッション時)
兵装:短距離離陸時最大3,629 kg、垂直離陸時通常2,268kgの投下兵装品を携行

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/07/28


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