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ダッソー・ミラージュIV

二度の世界大戦時から冷戦期、そして現代に至るまで、大空を縦横無尽に駆け巡った戦闘機、爆撃機、攻撃機などの主要軍用機を紹介します。


【第45回】ダッソー・ミラージュIV  <爆撃機>

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核抑止戦力として誕生

デアゴスティーニ編集部

▲1986年、フランスのモン・ド・マルサン空軍基地を飛び立ったミラージュIV。

 1954年にフランス政府は、自前の核抑止戦力の中核としてフォース・ド・フラップ(攻撃部隊)を創設することを決定した。この部隊の要となるのは、同国が開発した重力落下式核爆弾AN22を運搬する有人爆撃機であった。
 これと同じ頃、ダッソー社はSNECMAアター101G-1ターボジェット1基およびSEPRロケット・エンジンを搭載するミラージュIII迎撃機と、アター9ターボジェット2基を搭載するミラージュIV重戦闘機の設計に取りかかっていた。ミラージュIV戦闘機では各種の型が提案されたが、最終的にそれらはすべて却下された。だが、その中でミラージュIVCがフランス空軍の要求していた中型戦略爆撃機の原型となったため、同社の設計陣は、ミラージュIVCを中型戦略爆撃機に転換しようとして1年間試行錯誤を繰り返した結果、空軍が要求する兵装搭載量、速度、航続距離の諸条件を満たすためには、より大型で重い機体が必要であるとの結論に達した。
 こうして大型化された機体は、プラット&ホイットニーJ75-Bターボジェット2基を搭載することになった。フランス空軍は、空中給油によってこの機体の航続距離を延ばすことを決定し、ボーイングC-135F空中給油機を12機購入して、2機1組のミラージュ爆撃機編隊を支援させることとした。2機編隊のうち1機は核爆弾を搭載し、別の1機は追加の燃料と「バディ」給油パックを積むことになった。
 最終的に完成した爆撃機はミラージュIVAで、1959年6月17日に試作機が初飛行した。同機は低/中翼配置のデルタ翼機で、航法士/システム操作員はコックピット後方の狭くて窓のないキャビンに搭乗した。エンジンはアフターバーナー付きのアター9ターボジェットを後部胴体に横並びで2基搭載し、引き込み式3脚の降着装置を装備した。ミラージュIVAは、正規の飛行場以外の分散待機位置で、化学薬品により硬化した応急滑走路から、ロケット補助離陸装置を使用して離陸することが想定されていたため、降着装置もそれに適したものになっていた。

量産開始

デアゴスティーニ編集部

▲湾岸戦争後の1991年、炎上しているクウェートの油田を偵察しているミラージュIV。

 試作機に続いて、やや大きな前量産機3機が製造された。その初号機は、静止推力62.76kNのアフターバーナー付きアター9Cターボジェット2基を搭載して初飛行した。3号機は、アター9K-50、機首の空中給油プローブ、作戦用電子機器および兵装搭載装置を取り付けた量産型の形態で、1963年1月に初飛行した。ミラージュIVA爆撃機は1964年から就役を開始し、最終的に62機が製造された。
それぞれの機体には、トムソン-CSF DRAA 8A捜索レーダー、マルコーニ・ドップラー航法装置、ダッソー・ミッション・コンピューターが装備され、AN22核爆弾1発を胴体下面に半埋め込み式で搭載することができた。また、核爆弾の代わりに450kg通常爆弾16発またはAS37マーテル空対地ミサイル4発を積むこともできた。
 1980年代中期から後期にかけては重力落下式爆弾が旧式化したため、19機のミラージュIVA爆撃機がASMP短射程ミサイルを携行できるよう改修されて、名称もミラージュIV Pに改められた。この型は、新型のトムソン-CSF ARCANAレーダー、トムソン-CSFセルヴァル・レーダー警戒受信機などの航法/攻撃および電子戦装置、二重のサジェム・ユリス慣性航法装置、外翼下のハードポイントに取り付けるフレア/チャフ・ディスペンサーなどを装備して、低高度からの侵入攻撃に最適化されていた。
 ミラージュIVPのうち12機前後は、特殊な航法支援装置、改良型の電子戦装置、特殊センサー装置を積んだ高/低高度戦略偵察機に改修された。AN22爆弾が積まれていた胴体下のくぼみにはCT52ポッドが取り付けられ、その中には垂直、斜めおよび前方撮影カメラ(一般的には低高度用オメラ35カメラ3台と高高度用オメラ36カメラ3台)が搭載されている。また、オメラ36の代わりにSATシュペル・シクロープ赤外線走査装置が積まれることもある。2002年後期の時点で、この偵察機は常時4機から5機が任務に就ける状態に維持されている。
 ミラージュIVは1966年にファンガタウファ環礁で行われた核実験で、AN-11核爆弾を投下したのみで本来の戦略爆撃機としては実戦に投入されたことはないが、偵察機としてミラージュIV Pが、イラク、コソボ、アフガニスタンなどで運用されている。

諸 元

ダッソー・ミラージュIV P
タイプ:複座侵入攻撃機
寸法:全幅11.85m、全長23.5 m、全高5.65m、主翼面積78.0m2
エンジン:アフターバーナー使用時定格静止推力70.61kNのSNECMAアター9K-50ターボジェット2基
重量:自重14,500kg、最大離陸重量33,475kg
性能:最大速度2,338km/hまたはマッハ2.2(高度11,000 m)、巡航速度1,913km/hまたはマッハ1.8(高度11,000mで侵入時)、高度11,000mまでの上昇時間4分15秒、実用上昇限度20,000m、航続距離4,000km(ドロップ・タンク使用時)、行動半径1,240km
兵装:胴体下1か所または主翼下4か所のハードポイントに最大7,200kgの投下兵装品を搭載

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/09/29


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