模型を作ってシェアするホビーコミュニティ ホビコム by デアゴスティーニ

ウエストランド・ライサンダー

【第46回】ウエストランド・ライサンダー  <作戦支援機>


 ウエストランド・ライサンダーは第二次世界大戦期に、イギリスのウエストランド社が開発した航空機である。イギリス陸軍の地上での作戦を支援する目的で開発された直協機で、1936年6月に試作1号機が初飛行。1938年に運用が開始された。

ブラボー1 お気に入り登録1   ブラボーとは


ライサンダーの誕生

デアゴスティーニ編集部

▲低空飛行する第13飛行隊のウエストランド・ライサンダー。

イギリス陸軍が使用していた直協機は、ほとんどが既存機を改修して作られたものであったが、イギリス航空省は1934年に、当時直協任務に使用されていたホーカー・ヘクター複葉機の後継機を求めて、新しい航空機の仕様書を作成した。1935年6月、ウエストランド社は試作機2機の製造契約を獲得した。この機体は当初、社内でP.8と呼ばれたが、古代ギリシアの英雄の名をとって、後にライサンダーという名称が採用された。
最初の試作機は1935年6月15日に初飛行し、同年9月には144機の量産が発注された。イギリス空軍への納入は1938年6月に開始され、オールド・サラム基地の第16飛行隊が、当時就役していていたホーカー・オーダックスの後継機として最初の機体を受領した。さらに、第4、第13、第16、第26の各飛行隊と陸軍直協学校でヘクターと交代させるために、66機のライサンダーMkIが1939年中に製造された。第二次世界大戦の開戦時までには、ライサンダーは7個飛行隊に配備され、本国の飛行隊のMkIはほとんどMkIIと交代し終えていた。
ライサンダーMkIIは905馬力のブリストル・パーセウスXIIエンジンを搭載し、高高度性能がわずかに向上していた。MkIの多くは海外に送られ、エジプト、インド、パレスチナで使用された。製造数はMkIが116機、MkIIが442機で、1940年に第2、第4、第13、第26の4個飛行隊がフランスに移動したとき、その装備機はすべてMkIIであった。

実戦参加

デアゴスティーニ編集部

▲マダガスカル上空を飛行するライサンダーMk IIIAs。

 ドイツが西方への進攻を開始すると、第4飛行隊はベルギーに移動して戦ったが、低速であったため5月10日〜23日に11機が失われ、その一部は地上で破壊されたものだった。この後、ライサンダー飛行隊はイギリス本国に引き揚げたが、連合軍への補給物資の投下など、一部の戦場での任務は引き続き行われた。
1939年9月から1940年5月の間に、全部で118機のライサンダーと120名の搭乗員がフランスとベルギーで失われた。これらの部隊が行った陸軍直協作戦は明らかに時代遅れで、特に航空優勢が確保されていない場合には、まったく身動きがとれなかった。このため、ライサンダーはイギリス本土飛行隊から引き揚げられ、代わって1941年初めからカーチスP-40トマホークが配備され始めた。
海外では、エジプトの第208飛行隊がオーダックスに代えて1939年4月にライサンダーを受領し、これらは西部砂漠での戦闘に参加した。この飛行隊は後にギリシャでの戦いにも参加している。このほか中東では、第6飛行隊がパレスチナでライサンダーを使用した。
 1941年9月、インドのアンバラを基地としていた第28飛行隊が、オーダックスの後継機としてライサンダーを受領した。この飛行隊はその後ビルマに移動し、1942年にインドに撤退するまで、対地攻撃、爆撃、戦術偵察を行った。実戦でライサンダーを使用した最後の部隊はビルマにいた第20飛行隊で、1943年後期のことであった。
 第一線を退いたライサンダーは、標的曳航機、海上救難機、そして特殊作戦機として働き続けた。ライサンダーは外国にも輸出され、26機のMkIIがトルコ空軍へ、20機がエジプトへ、6機がアイルランド航空隊へ、9機がフィンランドへ、8機がポルトガルへ、そして数機がフランスへ売却された。またアメリカ陸軍航空軍も3機を受領し、南アフリカ空軍に引き渡された機体もあった。一部のライサンダーは試験機として用いられた。戦争終了時まで多数のライサンダーを保有していたのはカナダだけで、その一部は1960年代初期まで使用されていた。

諸 元

ウエストランド・ライサンダーMkI

タイプ:複座陸軍直協機および短距離戦術偵察機
寸法:全幅15.24m、全長9.30 m、全高3.51m、主翼面積24.15m2
エンジン:出力890馬力のブリストル・マーキュリーXII星形ピストン・エンジン1基
重量:自重1,844kg、通常搭載状態2,685kg
性能:最大速度369km/h(高度10,000ft)、高度3,050mへの上昇時間5分30秒、実用上昇限度7,925m、航続距離966km
兵装:主輪フェアリング内に7.7mm前方射撃用機関銃2挺、コックピット後席に7.7 mm機関銃2挺、加えて小翼に20lb(9.07kg)爆弾8発を搭載可能

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/10/28


ブラボー1 お気に入り登録1   ブラボーとは



コメント0件


コメントを書く1,000文字以内

Ms_noimage

コメントを投稿するにはログインが必要です。