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ミルMi-24/25「ハインド」

【第63回】ミルMi-24/25「ハインド」 <戦場ヘリコプター>


 Mi-24(ミル24)は、ソ連のミル設計局で開発された戦闘ヘリコプターである。北大西洋条約機構(NATO)の命名したNATOコードネームは「ハインド(Hind、雌アカシカの意)」。1個分隊の兵員を乗せ、自己防御と制圧用の火器を備えた「空飛ぶ歩兵戦闘車両」として考案された。

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初期型「ハインド」

▲ラトビアの首都、リガで展示されるMi-24A。

 Mi-24はMi-8の動力系統に新しい機体とテイル・ローターを組み合わせて製造された。新しい胴体のキャビンには8人分の座席があり、搭乗員は広いガラス張りの「温室」風機首内で、副操縦士/射撃手が前方に、操縦士がその後ろに座った。前進飛行時の主ローターの荷重を軽減するため、Mi-24には最初から小翼が取り付けられていた。これによって速度が増加し、旋回半径が小さくなるとともに、攻撃兵器を搭載する場所が増えた。
 V-24試作および開発機は12機が製造され、その第1号機は1969年9月19日に初飛行した。これらの機体には「ハインドB」のNATOコード名が付けられ、多数の前量産型と、水平の小翼を持つ初期の量産型も同じ名称で呼ばれた。「ハインドA」のコード名が付けられたのは、これより後に登場する確定量産型(途中で小翼に下反角が付けられた)であるが、AとBの順序が逆転しているのは、初期型の機体のほうが後から判明したためである。
 Mi-24A「ハインドA」は1974年に第一線部隊で就役した。同年の後期には、やや大型の下反角付き小翼が取り付けられたが、小翼下のパイロンはそのまま残されていた。Mi-24Bの後期量産型では、小翼に垂直の翼端板が付加されて、2発の9M117Pスコルピオン(AT-2「スワッター」)対戦車ミサイル用発射レールが取り付けられた。ミサイル誘導/照射ポッドは胴体下に付けられ、12.7mm機関銃が機首下のターレットに付加された。ミサイル誘導パッケージは、後に機関銃ターレットの左側に移された。
 Mi-24では量産途中からTV3-117エンジンが導入され、これを搭載した型はMi-24Fと呼ばれた。同時にテイル・ローターがブームの右側から左側に移された。Mi-24Aのうちで訓練に使用された型はMi-24U「ハインドC」と呼ばれた。

輸送よりも武装

▲Mi-24Dのコックピット。

 実際に運用しているうちに、「ハインド」の当初の構想にはやや不都合があることが明らかになった。Mi-24の対地攻撃能力は、兵員の輸送能力を持たせたことで明らかに低下していたが、実際にはこのヘリコプターの輸送面での役割は低下して、武装ヘリとしての任務のほうが重要となっていたのである。
 また、「温室」型のキャノピーは、完全な全周視界が得られないうえに、搭乗員の防護の面ではほとんど役に立たないことがほどなく明らかになった。しかし、基本的な設計は多くの点で優れていたため、まったく新しい機首をこれに取り付けることとなった。この新設計では、射撃手と操縦士用に重装甲を施したコックピットを前後式に配置し、操縦席は射撃手席の後ろで一段高くなった位置に設けられた。
 コックピットから後ろに変更個所はなかったが、キャビンは兵員を乗せる場所ではなく、再装填用ミサイルを積む場所と捉えられるようになっていた。新しい型はMi-24D「ハインドD」と呼ばれ、Mi-25として輸出も行われた。Mi-24DUは訓練型である。
 ソ連軍では、1976年からMi-24V「ハインドE」がMi-24Dに加わった。Mi-24Vではチューブ発射式の9M114(AT-6「スパイラル」)ミサイルを最大12発携行することができた。このミサイルとともに大型のミサイル誘導ポッドを導入する必要が生じ、操縦士用には、それまでの反射式照準装置に代えてHUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)が導入された。Mi-24Vは現在も製造されている主要量産型で、輸出型はMi-35と呼ばれ、Mi-35U訓練型も製造されている。1980年代のアフガニスタン戦争でMi-24シリーズが使用された結果、赤外線妨害装置、赤外線対策フレア撒布装置、チャフ・カートリッジ、排気抑制装置など、多くの自己防衛装置が導入された。

諸 元

ミルMi-24D「ハインドD」
タイプ:2/3人乗り戦場ヘリコプター
寸法:主ローター直径17.30m、翼幅6.536m、全長19.79m (ローター回転時)、全高6.50 m(ローター回転時)、主ローター回転円盤面積234.94m2
エンジン:定格出力1,434kWのクリモフ(イソトフ)TV3-117MTターボシャフト・エンジン2基
重量:自重8,400kg、最大離陸重量12,500kg
性能:最大速度310km/h(最適高度)、巡航速度260km/h (最適高度)、初期上昇率750m/min、実用上昇限度4,500m、ホバリング高度限界2,200m(地面効果外)、戦闘行動半径160km(最大兵装搭載時)
兵装:機首下の遠隔操作ターレットに12.7mm YakB-12.7前方射撃用旋回式4銃身回転式機関銃1基、加えて最大2,400kgの投下兵装を小翼下6か所のハードポイントに携行可能
ペイロード:キャビン内に兵員最大8名、または担架2床と着座の負傷兵2名および看護員1名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2018/03/28


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