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グラマンEA-6Bプラウラー

二度の世界大戦時から冷戦期、そして現代に至るまで、大空を縦横無尽に駆け巡った戦闘機、爆撃機、攻撃機などの主要軍用機を紹介します。


 EA-6Bは、アメリカのグラマン社が開発した電子戦機。A-6 イントルーダー艦上攻撃機の改設計型で、主要型であるB型の愛称プラウラーは「うろつく者」の意。2008年まで電子妨害用の電子戦機がなかったため、統合飛行隊によりアメリカ空軍における電子戦支援も行っていた。

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段階的な能力向上

 EA-6Bは基本的にはA-6イントルーダー攻撃機の4座席型で、1971年にEKA-3Bスカイウォリアの後継機として就役した。中心となる搭載機器はTJS(戦術電子妨害装置)で、完全自動、半自動および手動の3種類のモードが用意され、最大で5個を携行できる機外送信ポッドから「ノイズ」妨害電波を放射する。
 このシステムには段階的に改良が加えられ、能力向上型が次々に送り出されてきた。まず、最初に量産された23機のプラウラー(A-6Aから改造された3機の試作機と5機の開発用機体を除く)は「基本」仕様で製造され、AN/ALQ-99 TJSおよびAN/ALQ-92通信妨害装置による電子戦能力は、特定の4種類の周波数帯域に限られていた。この基本仕様機に続いて、1973年からは25機のEXCAP(能力拡張)機が登場した。これらには改良型の器材が搭載され、新型のAN/ALQ-99A TJSによって8種類の周波数帯域の脅威に対抗できるようになった。
 次に登場した能力向上型がICAP(ICAP IIが登場した後はICAP Iに改称)である。ICAPは1976年に実用化され、新型表示装置の装備、反応時間の短縮のほか、AN/ALQ-126複数周波数帯域防御ブレーカー、改良レーダー欺瞞装置、自動空母着艦装置が採用された。ICAPは45機が新規で製造されたほか、基本仕様機とEXCAP機の17機が完全なICAP仕様に改修された。

ICAP IからICAP IIへ

▲プラウラーは全アメリカ軍の主力電子妨害機として、あらゆる航空作戦の支援にあたっている。

 続くICAP IIではソフトウェアや表示装置などに改良が加えられ、1980年6月に初飛行した。在籍していた55機のICAPは、すべてこの新仕様に改修された。現在使用されているモデルがこのICAP IIであるが、ブロック番号ごとにたびたび更新が行われており、2002年時点での最新型はICAP IIブロック89Aである。ICAP IIの機外に搭載された改良型電子妨害ポッドは、7種類の周波数帯域で信号を発生させることができ、2種類の周波数帯域で同時に妨害電波を放射することができる。また、AGM-88 <acronym title="高速対電波源ミサイル">HARM</acronym>の発射母機としての機能を備えたことにより、ICAP IIは敵の地対空レーダー陣地の脅威に対し、より直接的な対抗手段を用いることが可能になった。
 ICAP IIは2種類の方法で調達が進められており、アメリカ海軍と海兵隊は再生機と新規製造機の両方を受領している。これらは約10個の海軍第一線飛行隊と1個訓練部隊に配備されているほか、5個飛行隊がアメリカ空軍の海外遠征航空団支援のために配属されている。海兵隊では、ノース・カロライナ州チェリー・ポイント基地の4個第一線飛行隊が、定常的に空母艦上に派遣されている。
 1990年代に入ると、また新しい電子機器改良プログラムが開始された。その狙いは、EA-6Bに再生作業を行って、新型表示装置、改修したレーダー、改良型戦術支援妨害装置、AN/ALQ-149通信妨害装置、デジタル式自動操縦装置などを装備するADVCAP(能力発展)/ブロック91を作り上げることであった。また、VEP(機体強化プログラム)による空力的な改良も進められ、VEP試作機の初号機は1992年6月15日に初飛行した。この試作機ではエンジンが推力増加型に換装されたほか、HARM専用のパイロンが2か所に追加された。しかしADVCAP/ブロック91は、最終的に3機の試作機が製造されただけでプログラムが中止され、ICAP IIIに開発努力が集中されている。

諸 元

グラマンEA-6Bプラウラー

タイプ:複座艦上/陸上発進全天候敵防空網制圧機
寸法:全幅16.15m、全長18.24 m、全高4.95m、主翼面積49.13m2
エンジン:静止推力49.80kNのプラット&ホイットニーJ52-P-408ターボジェット2基
重量:自重14,588kg、最大離陸重量29,483kg
性能:最大水平速度982km/ h(海面高度、電子妨害ポッド5個のみ搭載時)、巡航速度774km/h(最適高度)、最大上昇率3,057m/min(電子妨害ポッド5個のみ搭載時)、実用上昇限度11,580m(電子妨害ポッド5個のみ搭載時)、航続距離1,769km(最大機外搭載時)
兵装:4か所の主翼パイロンにAGM-88 HARM最大4発を携行、ほかにAN/ALQ-99送信ポッドまたは1,136r入りドロップ・タンクを機外に携行。中央パイロンにAN/ ALQ-99ポッドをさらに携行可能

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2018/08/28


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