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霧島

【第12回】霧島 <戦艦>


日露戦争直後にイギリスが導入した巡洋戦艦に大きな関心を抱いた日本海軍は、その建艦技術を習得するため、1番艦をイギリスのヴィッカース社に発注し、残りの3隻については、国内の造船所で建造することとした。そうして国内で造船されたのが「霧島」である。

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「金剛」型巡洋戦艦「霧島」の誕生

デアゴスティーニ編集部

▲「金剛」型の4隻は、薄かった水平防御の装甲が改装で厚くなり、対魚雷バルジが付加された。撃沈されたものの装甲が脆弱と言われていたイギリス海軍の巡洋戦艦でしばしば見られたように、攻撃による艦内の誘爆で破壊されたものは皆無だった。(写真/U. S. Army)

日本海軍の発注を受けたヴィッカース社は、当時建造中だった「ライオン」級巡洋戦艦「プリンセス・ロイヤル」の設計に改良を加え、速力は「プリンセス・ロイヤル」とほぼ同じ、343mm砲10門の代わりに36cm主砲8門を搭載し、防御力が強化された艦を設計した。それが巡洋戦艦「金剛」である。「金剛」型の3隻の姉妹艦(「榛名」「比叡」「霧島」)は日本初の超弩級巡洋戦艦であり、日本の別々の造船所において短期間のうちに建造された。そのうち「霧島」は、1909年、長崎三菱造船所において起工。1913年12月に進水し、1915年4月に竣工した。
「霧島」は1927~30年と1934~36年の2回、近代化改装を行った。高速空母部隊の構想を温めていた日本海軍は、高速の護衛艦を必要としていたのだ。そして再び「金剛」型に注目し、これを改装することにした。2回目の改装で出力が約2倍になって速力は26kt(48km/h)から30kt(56km/h)に増大し、対空火器を強化して、空母を護衛するための高速戦艦に生まれ変わった。3本あった煙突は最初の改装で2本に減らされ、2回目の改装では前檣が典型的な「パゴダ(檣楼)」となった。戦記などでは、「高速戦艦」と呼ばれることも多い。
1941年12月に太平洋戦争が始まると、「金剛」型4隻で第3戦隊を編成し、「霧島」と「比叡」は真珠湾攻撃の機動部隊に加わる。1942年6月のミッドウェー海戦において、「霧島」は航空攻撃により軽微な損傷を受けた。

待ち伏せ攻撃

デアゴスティーニ編集部

▲「霧島」は1915年に巡洋戦艦として建造されたが、1930年代に高速戦艦に改装された。出力は改装によって約2倍になり、その結果速力が4kt(8km/h)増加した。(写真/U. S. Army)

「霧島」は姉妹艦「比叡」とともに、1942年11月12日から13日にかけての夜、ガダルカナルのアメリカ軍部隊を攻撃した。2隻の高速戦艦はアメリカの巡洋艦部隊と交戦し、近距離を挟んで乱戦が行われるなか、巡洋艦「アトランタ」を撃沈、巡洋艦「サンフランシスコ」、「ジュノー」、「ヘレナ」、「ポートランド」を損傷させ、駆逐艦「バートン」と「ラファイエット」を撃沈した。
2日後、日本は再びガダルカナルへの物資の輸送およびヘンダーソン飛行場への砲撃を行おうとしたが、またしてもアメリカ軍部隊と遭遇した。このときはレーダーを装備した近代艦であるアメリカ戦艦「サウスダコタ」と「ワシントン」が支援していたが、日本は優れた夜戦の技量をもって待ち伏せを計画し、アメリカ駆逐艦がその餌食となった。
軽巡洋艦「長良」の探照灯が「サウス・ダコタ」をとらえると、「霧島」はただちに36cm主砲による砲撃を開始したが、混戦のなかで日本の見張員は7,300mから接近する「ワシントン」を見落としてしまった。深夜0時5分、「ワシントン」の406mm主砲の一斉射撃が「霧島」の周囲に炸裂し、406mm砲弾9発と127mm砲弾40発(推定)が命中。7分後、炎に包まれた「霧島」は操舵能力を失い、水線下に受けた損傷によって急速に浸水した。「霧島」は午前3時23分にサボ島の北西約11kmに沈没し、1993年、海底調査によって完全に転覆している霧島の船体が発見された。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲「霧島」は2隻のアメリカ戦艦の砲撃によりサヴォ島近くで撃沈されたが、このとき、敵艦との距離があまり離れていなかったことにも留意すべきだろう。写真は1937年時の高速戦艦「霧島」。(写真/U. S. Army)

霧島(第2次改装後)
排水量:基準31,980t、満載36,600t
寸法:全長222.0m、全幅31.0m、吃水9.7m
推進器:ギアード蒸気タービンで出力136,000馬力を供給し、4軸を駆動
速力:30kt(56km/h)
装甲:舷側76~203mm、甲板121mm、砲搭280mm
兵装:36cm連装砲4基(8門)、15,2cm砲14門、12.7cm連装対空砲4基(8門)、25mm対空機関銃20挺
搭載機:水上機3機
乗員:1,440名(士官および下士官兵)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Navy

公開日 2013/12/26


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