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アトランタ級

【第21回】アトランタ級 <巡洋艦>


「アトランタ」級はアメリカ海軍の軽巡洋艦で、艦名はジョージア州アトランタにちなむ。オマハ級巡洋艦を代替する水雷戦隊旗艦巡洋艦として戦前の計画で初期型・中期型の8隻が、さらに戦時損耗補充分として後期型の3隻が追加された。合計11隻が建造され、防空巡洋艦として活用された。

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11隻の「アトランタ」級

デアゴスティーニ編集部

▲航行中の「アトランタ」(CL-51)。当初は軽巡洋艦(CL)に分類されていたが、生き残った2隻の「アトランタ」級は、戦後になって軽対空巡洋艦(CLAA)にクラス替えされた。

アメリカ海軍の「アトランタ」級巡洋艦には、1938年に計画された初期型のアトランタ (USS Atlanta, CL-51)、ジュノー (USS Juneau, CL-52)、サンディエゴ (USS San Diego, CL-53)、サンフアン (USS San Juan, CL-54)、1940年に計画された中期型(オークランド級軽巡洋艦)のオークランド (USS Oakland, CL-95)、リノ (USS Reno, CL-96)、フリント (USS Flint, CL-97)、ツーソン (USS Tucson, CL-98)、1943年に計画された後期型(ジュノー級軽巡洋艦)のジュノー (USS Juneau, CL-119)、スポケーン (USS Spokane, CL-120)、フレズノ (USS Fresno, CL-121)がある。
1940年春に起工された4隻(CL-51〜CL-54)は、名実ともに多用途艦として設計されていた。1936年に締結されたロンドン軍縮条約で、アメリカは将来の重巡洋艦の建造に関する厳格な制限を受け入れたことが本クラスの建造に影響し、あまり大きくない船体に多くの火力を詰め込むこととなった。主砲は、8基の連装砲塔に収めた127mm両用砲16門という前例のないもので、6基は艦首尾線上(前部に3基、後部に3基)、2基は舷側に配置。また、駆逐艦部隊を指揮する嚮導艦としての役割のため、53.3cm4連装魚雷発射管を2基搭載している。多数の両用莢砲以外にも優れたレーダーと射撃指揮装置を搭載し、真珠湾攻撃後に順々に竣工、太平洋方面においての日本軍との戦闘に投入され、対空戦闘においてVT信管の効果もあって艦隊の防空に貢献した。
このように多数の砲門を配置して、航空機と駆逐艦の両方に対して十分な量の砲弾を撃ち込めるよう意図されてはいたが、Mk37射撃指揮装置が2組しか装備されていなかったため、同時に対処できる目標の数は限られていた。また、前期型は対空砲を過大に搭載したことから復原性が不足していたため、オークランド以降の中期型では両用砲塔の数を削減した。さらに近接対空火器の増備を迫られたこともあり、ジュノー以降の後期型では魚雷発射管の廃止や砲配置の改正等を行ったが、後期型の完成は戦後となった。なお、中期型をオークランド級軽巡洋艦、後期型をジュノー級軽巡洋艦と分類する資料がある。

戦没したアトランタ

デアゴスティーニ編集部

▲1942年10月16日、ガタルカナル島への輸送船団を間接護衛したのち、燃料補給のためエスピリトゥサント島に向かっている「アトランタ」(CL-51)。

「アトランタ」級のうち「アトランタ」 (CL-51)は、第16任務部隊と共にミッドウェー島北西部で活動する空母の護衛を担当し、1942年6月4日の朝に南西部の日本艦隊探知の報を得て、「ホーネット」を護衛していた「アトランタ」は戦闘のために出航した。3隻の空母から発進した航空団は日本艦隊を発見し、その日に「ヨークタウン」 (CV-5) と「エンタープライズ」からの部隊が日本空母4隻に対して致命的な損傷を与えた。日本軍機は「ヨークタウン」を中心とする第17任務部隊に2度の攻撃を行った。その後のミッドウェー海戦を通じて「アトランタ」は第16任務部隊の護衛を担当している。
8月24日、第二次ソロモン海戦で「アトランタ」は日本側の通信を傍受。これをエンタープライズに座乗のフランク・J・フレッチャー中将に報告するとともに、「アトランタ」は13時28分に反撃に備えて戦闘配置を令し、以後5時間半にわたって日本の攻撃隊との戦闘に明け暮れた。
「エンタープライズ」からの攻撃隊と入れ違いに空母翔鶴と瑞鶴からの攻撃隊が第16任務部隊に接近し、17時10分、北西方向から18機の九九式艦上爆撃機が突入してきた。その後の約11分間、ジェンキンズ艦長は「アトランタ」の全ての銃砲、5インチ砲と28ミリ機銃、20ミリ機銃で「エンタープライズ」の頭上に対空弾幕を作り出した。「エンタープライズ」は「アトランタ」の対空砲火に守られ、激しい回避運動にもついていったが、5機の九九式艦爆の攻撃を許し、1発の爆弾が命中した。
11月、「アトランタ」と駆逐艦はルンガ岬に到着し、輸送艦は部隊と物資を揚陸した。その夜、ヘンダーソン飛行場を砲撃すべく進撃する、戦艦2隻、巡洋艦1隻および駆逐艦6隻からなる日本艦隊が接近。「アトランタ」は49発の命中弾(1回の斉射による7発を含む19発は、アメリカの重巡洋艦「サンフランシスコ」から発射された203mm砲弾であった)に見舞われ、さらに日本海軍の93式魚雷の命中を受けた。6基の砲塔が使用不能になり、20分後には浸水によりすべての電源が遮断された。乗組員は12時間にわたって艦の沈没を防いだが、努力は報われなかった。この海域では十分な救援体制も整っておらず、また日本艦隊の再度の来襲も予想された自沈した。
「ジュノー」(CL-52)はもっと不運であった。この巡洋艦は同じ海戦で、93式魚雷が命中して速力が13kt(24km/h)に減じたところへ、日本の潜水艦が2発目の魚雷をまったく同じ場所に命中させた。「ジュノー」は瞬時に沈没し、10名を除く全乗員が道連れになった。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲1942年10月の南太平洋海戦における「アトランタ」(CL-51)。「アトランタ」級の主砲は連装砲塔8基に搭載されたMk12 127mm砲16門であった。当初の副砲である28mm Mk1機関砲は、1943年に40mm機関砲4門および20mm機関砲14門と換装された。

アトランタ級
同型艦:(「アトランタ」級)「アトランタ」、「ジュノー」、「サン・ディエゴ」、「サン・フアン」 (「オークランド」級)「オークランド」、「リノ」、「フリント」(元「スポーカン」)、「トゥーソン」 (「ジュノー」級)「ジュノーII」、「スポーカン」、「フレズノ」
排水量:基準6,718t、満載8,340t
寸法:全長165.0m、全幅16.21m、吃水6.25m
推進器:タービン2基で75,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:32kt(59km/h)
装甲:舷側および隔壁95mm、甲板および砲郭32mm
兵装:127mm砲16門、28mm機関砲16門(1943年に40mm機関砲6門と20mm機関砲14門に換装)、4連装533mm魚雷発射管2基を甲板に装備
乗員:623名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/09/25


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