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ヨーク級

【第22回】ヨーク級 <巡洋艦>


「ヨーク」級重巡洋艦は、イギリス海軍で最も有名と言ってもよい軍艦で、「ヨーク」と「エクセター」の2艦がある。ほぼ同様の設計で、2番艦である「エクセター」は、第二次世界大戦有数の海戦の一つであるラプラタ沖海戦に参加したことで知られている。

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「ヨーク」と「エクセター」

デアゴスティーニ編集部

▲2本煙突の後部、艦中央部に回転式カタパルトを装備した「ヨーク」。

1920年代中期、イギリス海軍省内部では、小型重巡洋艦を多数保有すべきであるという考えが次第に支配的になっていた。「ヨーク」級は、こうした背景の中、表向きは船団護衛任務向けとして設計された巡洋艦である。「ヨーク」は、先行の「カウンティ」級(「ケント」級、「ロンドン」級、「ノーフォーク」級からなる13隻)重巡洋艦よりも小型で、したがってより安価な「ヨーク」級重巡洋艦の1番艦として、1927年5月16日にパルマーズ社で起工され、1928年7月17日に進水、1930年5月1日に就役した。
「カウンティ」級と比較して排水量約1,600tが削減されたが、これは主に船体の短縮および、203mm砲2門搭載の主砲塔を4基から3基に減らしたことによる。推進器の配置は基本的に変わらず、アドミラルティ3胴式水管缶8基が供給する蒸気でパーソンズ式オール・ギアード蒸気タービン4基が4軸を駆動するが、第1煙突と第2煙突を1つにまとめて2煙突とされたことで、外観の印象は大きく異なることになった。装甲も基本的には変わっていないが、機関部を覆う76mm装甲帯を約2.44m深くし、水線部の装甲帯の厚さを25mmから38mmに増した点が異なる。1931年にカタパルト1基と水上偵察機1機が搭載され、2年後には単装2lbポンポン砲(40mm)2門が撤去された。
1941年、航空攻撃に対する防御力を強化する施策の一環として、ポンポン砲2門(さらにおそらく6門)が追加された。だが対空兵装の増強だけでは防御が不十分であることは、すぐに実証されることになる。1941年3月26日、地中海東部のクレタ島周辺の戦いで、「ヨーク」は300kg爆雷を搭載したイタリア軍の爆装艇の攻撃を受けてボイラー室と前部エンジン室に浸水、クレタ島のスダ湾に着底した。続く数か月間に、身動きできない「ヨーク」は何度も空襲を受け、2発の500kg爆弾を含む3発の爆弾が命中したこともあった。5月22日、爆撃で大破した「ヨーク」は放棄された。
このクラスの艦は砲弾が舷側に直角に当たるよりも、斜めに当たる危険性のほうが高いと判断されたため、機械室を覆う装甲が削減されていた。
1929年7月18日に進水した「エクセター」は、就役すると第2巡洋艦戦隊に加えられ、1933年10月から1939年8月まではアメリカおよび西インド戦隊に加わった。「エクセター」は復原力を増すために横幅がわずかに広く、また中央部にカタパルトを備えていた。

ラプラタ沖海戦

デアゴスティーニ編集部

▲1928年、進水したばかりの「ヨーク」。(写真/DeA Picture Library)

1939年8月25日、「エクセター」は南アメリカに向かい、同年末にはドイツのポケット戦艦「アドミラル・グラフ・シュペー」と戦うことになる。「アドミラル・グラフ・シュペー」は、12月7日までに9隻、総計50,000t以上の艦船を沈め、引き続き南大西洋で通商破壊任務に就いていた。一方の「エクセター」は、ニュージーランド海軍の軽巡洋艦「アキリーズ」およびイギリス海軍の「エイジャックス」からなる任務部隊を率いていた。12月13日6時8分、ラプラタ沖で「アドミラル・グラフ・シュペー」が発見され、連合国艦船との間に戦端が開かれた。「エクセター」、「アキリーズ」、「エイジャックス」に挟撃された「アドミラル・グラフ・シュペー」は、両舷からの砲撃を受けたが、同艦の水上捜索レーダーが「エクセター」を捉え、35分間の砲撃が始まった。「エクセター」には「アドミラル・グラフ・シュペー」の280mm砲弾が複数命中した。「エクセター」も応酬し、203mm砲弾がドイツのポケット戦艦に降り注いで損傷を与えた。「アドミラル・グラフ・シュペー」は中立国ウルグアイのモンテヴィデオ港に逃げ込み、12月17日に自沈した。その3日後、同艦の艦長ハンス・ランクスドルフは自殺した。
「エクセター」は、翌月フォークランド諸島で応急修理を受けた後、本国に戻り長期の改造と近代化を行った。「エクセター」はその後西半球から東半球に移り、1941年3月に「ビスマルク」の掃討に短期間従事した後、シンガポールに向かった。
1942年2月に「エクセター」は日本海軍とのスラバヤ沖海戦において損傷した。2月27日から28日にかけて、スラバヤで応急修理を受けている最中、日本海軍接近との報を受けて「エクセター」は逃走を強いられた。その逃避行の間に「エクセター」は、重巡洋艦「那智」、「羽黒」「足柄」、「妙高」に襲撃されてひどく損傷し、1942年3月1日に沈没した。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲艦中央部に固定式のカタパルトを二基装備した「エクセター」。

エクセター
同型艦(進水年):「ヨーク」(1928)、「エクセター」(1929)
排水量(基準):8,390t(「エクセター」)、8,250t(「ヨーク」)
寸法:(「エクセター」)全長164.9m、全幅17.7m、吃水6.2m (「ヨーク」)全長164.9
m、全幅17.4m、吃水6.2m
推進器:ギアード・タービンで80,000馬力を供給し、4軸を駆動
速力:32kt(59km/h)
装甲:舷側51〜76mm、甲板51mm、砲台38〜51mm
兵装:(「エクセター」)203mm砲6門、102mm砲8門、40
mm対空砲16門、533mm魚雷発射管6基 (「ヨーク」)
203mm砲6門、102mm砲8門、533mm魚雷発射管6基
搭載機:水上機2機
乗員:630名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/10/29


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