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スタージョン級

【第23回】スタージョン級 <潜水艦>


「スタージョン」級攻撃型原子力潜水艦は、アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦。「パーミット級」の後継で、「パーミット」級(14隻)を上回る37隻が建造され、1960年代末から1980年代前半にかけて攻撃型潜水艦の主力をなした。最後期に建造された9隻は船型が拡大された。

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「スタージョン」級の誕生

デアゴスティーニ編集部

▲前期建造艦である「スタージョン」(USS Sturgeon, SSN-637)。1994年8月1日に退役した。

アメリカ海軍の「スタージョン」級攻撃型原子力潜水艦(SSN)は、基本的には先行の「スレッシャー」/「パーミット」級の設計を大型化し改良して、静粛化を進めるとともに電子機器を追加搭載したものであり、「ロサンゼルス」級が登場するまでは世界最大の原子力潜水艦であった。1965〜74年に37隻が建造されたこのクラスは、先行艦と同様に対潜戦を第一の任務とし、標準的なアメリカ海軍SSNの方式を採用して、船体の両側から斜め前方に発射する魚雷発射管片舷2基から成る魚雷発射設備を船体中央部のセイル後方に設けていた。この方式は、ソナーの配置を優先させたことによるものだが、艦首に魚雷発射設備を配置した艦に比べて、魚雷取り扱い区画を大きくすることができるため、魚雷へのアクセス、所定の魚雷の選択、発射管への再装填に要する時間が短縮されるという利点があった。
このクラスの最後の9隻は、より多くの電子機器を搭載するために船体が延長された。あまり広く知られていないことであるが、これらの9隻は極めて厳重に秘匿された冷戦時代の海軍諜報プログラムに使用されていた。コード名「ホーリー・ストーン」と呼ばれ、1960年代末に開始されたこのプログラムで、これらの潜水艦はアメリカに敵対する国の沿岸近くで高度に専門化された情報収集任務に携わった。
「ホーリー・ストーン」活動に使われた潜水艦では、追加の情報収集機器が特別の区画に設置され、この任務を専門に受け持つ国家安全保障局(NSA)の職員が操作した。この作戦中に他の潜水艦や水上艦との衝突が幾度か発生しており、アメリカ海軍潜水艦が被害に遭ったケースもある。また少なくとも1隻の「ホーリー・ストーン」活動中の潜水艦が、ソ連の極東領海内で任務遂行中に図らずも数時間にわたって海底に着底するということもあった。

艦の特徴

デアゴスティーニ編集部

▲アメリカ海軍の「スタージョン級」原子力潜水艦の8番艦「パーゴ 」(USS Pargo, SSN-650)。1991年4月撮影。

先行する潜水艦クラスの鋭く尖った「高速」船体と対照的に、「スタージョン」級は平行な船体中央部上方に長くて低い乾舷を持ち、十分な艦内容積を有していた。船体外部は、キャビテーションや雑音を発生する不要な突起物がなく、滑らかであった。1軸の大口径プロペラが十字形舵と後部水平舵機構背後の中心軸で回転した。雑音の原因となるため、高速力による航行は極力抑えられていた。
哨戒中の大部分の期間を通じて「スタージョン」は低速力で航行したが、これは探知を避けるためだけでなく、海水および船体の雑音によって引き起こされる自艦のセンサーへの妨害を減少させるためでもあった。センサーはパッシブ、アクティブまたは両機能複合の場合もあったが、アクティブ・ソナー装置は潜水艦の存在を敵に知らせ、ホーミング魚雷を招き寄せる合図となりかねないため、滅多に使用されなかった。
アメリカの設計者は、ソナーは極めて重要であるため、船体の最も良い位置に配置すべきであると考えた。このため「スタージョン」級では、直径4.5mの球体内に多くの変換器群を組み込んだアクティブ装置であるAN/BQS-6ソナーが艦首に位置を占め、魚雷発射管は船体中央部に配置された。捜索目的には、AN/BQR-7パッシブ・ソナーが使用された。
「スタージョン」の船体中央部にある魚雷発射管4基から発射されるのは、目標に合わせて選択される各種の武器で、これらには、有線誘導のホーミング方式で極めて高性能な通常サイズのMk48魚雷(公称50km先から潜水艦および水上艦に対して使用)、カプセル入りハープーン・ミサイル(水上目標に対して「ポップアップ」戦術が可能)、長射程核装備SUBROC(高価値の水中目標を攻撃)、機雷があった。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲水上航走中の「スタージョン級」原子力潜水艦の21番艦「シーホース」 (USS Seahorse, SSN-669)。

スタージョン級
排水量:水上4,266t、水中4,777t
寸法:全長89.1m(ただし「アーチャーフィッシュ」、「シルヴァーサイズ」、「ウイリアム・H・ベイツ」、「バットフィッシュ」、「タニー」、「パーチ」、「カヴァラ」、「L・メンデル・リヴァーズ」、「リチャード・B・ラッセル」は92.1m)、全幅9.7m、吃水8.9m
推進器:ウエスティングハウスS5W加圧水型原子炉1基、蒸気タービン2基で1軸を駆動
速力:水上18kt(33km/h)、水中26kt(48km/h)
潜航深度:運用400m、最大600m
兵装:533mm Mk63魚雷発射管4基(船体中央部)、基本搭載兵器はMk48 533mm魚雷17発およびSUBROC対潜ミサイル6発(後にMk48魚雷15発、SUBROC 4発、潜水艦発射ハープーンSSM 4発に変更)、またはMk57、Mk60(またはMk67)機雷46個。1980年代末の標準搭載兵器はMk48魚雷15発、潜水艦発射ハープーンSSM 4発、トマホーク巡航ミサイル4発。SUBROCは1990年に撤去。
電子機器:AN/BPS-15水上捜索レーダー1基、AN/
BQQ-2またはAN/BQQ-5ソナー装置(後者は曳航アレイ式)1基、Mk113またはMk
117魚雷発射管制装置1基、ESM装置1基、WSC-3衛星通信装置1基、水中電話1基
乗員:121〜134名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2014/11/27


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