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プリンス・オブ・ウェールズ

【第27回】プリンス・オブ・ウェールズ <戦艦>


「プリンス・オブ・ウェールズ」は「キング・ジョージ5世」級の2番艦で、1937年1月に起工され、1939年5月に進水、1941年3月末に完成した。艦名は当時の国王ジョージ6世の兄王であるエドワード8世の即位前の称号、王太子(プリンス・オブ・ウェールズ)に由来する。

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「ビスマルク」との対戦

デアゴスティーニ編集部

▲1941年、シンガポールに到着した「プリンス・オブ・ウェールズ」は8日後に日本海軍の航空機によってマレー半島沿岸沖で沈められた。

「プリンス・オブ・ウェールズ」は、ドイツ戦艦「ビスマルク」と戦うため、イギリス海軍本国艦隊旗艦「フッド」および6隻の駆逐艦とともにスカパ・フローから出撃するよう命じられたが、出撃前日の5月21日になっても、運用効率向上のための作業が続けられていた。
当時、「プリンス・オブ・ウェールズ」は依然として初期故障に悩まされていた。356mm砲塔にはいずれも小さな故障が絶えなかった上、その1基は、一度に1発の砲弾しか取り扱えず、新しいタイプ284射撃用レーダーは作動していなかった。さらに追い打ちをかけるように、未熟な乗員が後部の4連装356mm砲塔の装填訓練中にミスを犯し、砲塔を詰まらせるというアクシデントもあった。
5月24日、艦隊は通商破壊を目論んでライン演習作戦で大西洋に進出してきたドイツ海軍の戦艦「ビスマルク」と重巡洋艦「プリンツ・オイゲン」を、デンマーク海峡で巡洋戦艦フッドとともに迎え撃ち、砲撃戦を行った。「ビスマルク」の主砲斉射を浴びて「フッド」が轟沈した後、「プリンス・オブ・ウェールズ」は無傷のドイツ艦2隻の砲火に耐えなくてはならなくなったが、それでもなかなかの成果を挙げた。タイプ281対空警戒レーダーが砲の射程を計るのに使われ、その結果砲弾は「ビスマルク」を夾叉して、2ないし3発の弾が水線下に命中した。これらの命中弾の1発がドイツ艦の燃料油に重大な汚染を引き起こし、もう1発によって「ビスマルク」の速力は2kt(4km/h)低下した。
「プリンス・オブ・ウェールズ」は7発の命中弾を受けたが、炸裂した砲弾が3発だけであったこともあり、比較的軽微な損傷を受けるにとどまった。最も重大な損害は、操舵室に飛び込んだ跳弾によるもので、その場に居合わせた艦長を除く全員が死傷した。

マレー沖での最期

デアゴスティーニ編集部

▲撃沈2日前、シンガポールの「プリンス・オブ・ウェールズ」。

1941年8月には、「プリンス・オブ・ウェールズ」は、ルーズベルト米大統領と大西洋憲章について会談を行うためカナダのニューファンドランドに向かう英首相ウィンストン・チャーチルを乗せて大西洋を渡った。また、10月にはイギリス東洋艦隊司令官トム・フィリップ卿の指揮官旗を掲げることになり、10月25日に巡洋戦艦「レパルス」を伴い、シンガポールに向けて出発した。東洋艦隊Z部隊として展開した2艦は、12月2日にシンガポールに到着するが、その8日後、マレー沖海戦で、日本海軍の航空機によって2艦とも撃沈されてしまう。
「プリンス・オブ・ウェールズ」は、最後尾の133mm砲塔真横の左舷に命中した1発の魚雷によって無力化された。左舷外側のプロペラ軸がひどくねじ曲げられ、これを速やかに切り離すことができなかったため、回転を続けるプロペラが後部隔壁に大きな穴をあけたのである。そして、至近距離で爆発した爆弾の衝撃波が、8台のうち5台の発電機を作動不能にし、船のポンプと対空砲の機能を奪った。舵が効かなくなり、もはや魚雷をよけることもできなくなった「プリンス・オブ・ウェールズ」は、最初の攻撃から約1時間20分後、ついに沈没した。フィリップ提督とリーチ艦長も艦と運命をともにした。
太平洋戦争開戦直後の1941年12月10日、日本軍の上陸を阻止するため出撃した「プリンス・オブ・ウェールズ」は日本海軍航空機の雷撃及び爆撃により、巡洋戦艦「レパルス」と共にマレー沖にて沈没した。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲マレー沖海戦で日本軍の攻撃を受け回避行動を行う「プリンス・オブ・ウェールズ」(画面左前方)

排水量:基準38,000t、満載43,350t
寸法:全長227m、全幅31.40
m、吃水8.50m
推進器:ギアード蒸気タービンで出力110,000馬力を供給し、4軸を駆動
速力:28kt(52km/h)
装甲:舷側356〜281mm、甲板127〜152mm、砲塔305
mm
兵装:356mm 4連装砲2基(8門)および356mm連装砲1基(2門)、133mm連装対空対水上両用砲8基(16門)、2 lb 8連装「ポンポン」砲4基(32門)、12.7mm 4連装対空機関銃4基(16挺)
搭載機:スーパーマリン・ウォラス水陸両用機2機
乗員:1,422名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2015/03/27


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