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ロイヤル・ソヴリン級

【第28回】ロイヤル・ソヴリン級  <戦艦>


ロイヤル・ソヴリン級戦艦は、イギリス海軍が建造した戦艦の艦級。近代戦艦の始祖と呼ばれ、日本の富士型戦艦の原型となった。同型艦は8隻あり、これらは海軍造船所と民間の造船所の両方で建造されて1891~92年に進水し、1892~94年に就役した。

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「ロイヤル・ソヴリン」の誕生

デアゴスティーニ編集部

▲1981年に描かれた「ロイヤル・ソヴリン」のイラスト。 (写真/DeA Picture Library)

イギリス海軍の造船所で1隻の戦艦を建造するのに通常5年以上を要した時代に、「ロイヤル・ソヴリン」級戦艦の1番艦である「ロイヤル・ソヴリン」は、ポーツマス造船所でわずか2年8か月で建造された。“ジャッキーフィッシャー”の名で知られ、新たに海軍少将に昇任したジョン・アーバスノット・フィッシャーが、この艦が進水した直後の1891年2月に将官の監督官に就任。この艦を1892年5月に就役させることに個人的な関心を示したからである。本クラスの同型艦はほかに、「エンプレス・オブ・インディア」(当初「レナウン」として計画されていた)、「フッド」、「ラミリーズ」、「レパルス」、「レゾリューション」、「リヴェンジ」(後に「リダウタブル」と改名)、「ロイヤル・オーク」、「フッド」の8隻がある。
1889年の海事国防法に基づいて計画された「ロイヤル・ソヴリン」級は、乾舷の低い戦艦から、砲塔に収められた主砲を有する純然たる前ド級戦艦に至る変遷の中間に位置する過渡期の存在と見なすことができる。
イギリス海軍において帆走の装備が廃止されて以降、近距離からの砲火に対する脆弱性を減らし、装甲が必要な範囲を削減するため、乾舷は低く抑えられてきた。しかしこの乾舷の不足は、あらゆる海面状況において大きな制約となったため、「ロイヤル・ソヴリン」級では艦首から艦尾までを通して甲板を高くし、乾舷を大きくした。
海軍造船局長に新たに任命されたウィリアム・ホワイト卿の全面的な監督のもとに設計された「ロイヤル・ソヴリン」級は、1882~86年に進水した露天砲塔搭載戦艦「アドミラル」級の改良版と見ることができる。満足できる305mm砲がなかったことから、本クラスでは、343mmの主砲4門が高くなった乾舷上のより見晴らしの良い場所に据えられた。その一方で重心の上昇を抑えるため、これらの主砲は重い密閉旋回砲塔ではなく、露天砲塔に取り付けられた。

装備と改装

デアゴスティーニ編集部

▲海軍画家フランシスコ・エルナンデス・モンジョー(1862-1937)が描いた「ロイヤル・ソヴリン」級の海戦。(写真/DeA Picture Library)

この配列において、主砲は装甲を施された低い砲廓内で旋回するターンテーブル上に2門一組で据え付けられた。これら2基の砲塔は、十分な数の副砲を搭載できるよう、中心線上にできるだけ離して配置された。副砲である152mm砲10門は、射界を最大にするためと1発の砲弾が命中したときの被害を少なくするため、2層に分けて据えられた。これらの砲は新型の速射砲(QF)で、増大しつつあった水雷艇の脅威に対する効果的な防御手段として設計されたものである。10門のうち4門は主甲板の砲郭に据えられ、残りの6門は上甲板の弾片よけの後ろに設置された。しかし砲郭砲は水線に近すぎ、弾片よけのついたものも脆弱すぎたため、後者には1902~04年の改装で装甲砲郭が追加された。
乾舷を高くすると当然、側面のより広い部分に防御が必要となる。「ロイヤル・ソヴリン」級は新しい複合鋼装甲板の採用によってこれを達成していたが、防御の点では他国の同等艦と比べて特に優れていたわけではなかった。本クラスの8番艦となった「フッド」は、主砲を砲塔に搭載するため追加重量対策として乾舷を下げ、最後の低乾舷戦艦として改造された形態で建造された。
「ロイヤル・ソヴリン」級は、砲プラットフォームとしての能力を改善する手段として、長く安定したロール(横揺れ)となるよう設計されていた。しかし、初期の運用の結果、ある条件下では横揺れが激しくなりすぎることが判明したため、改造してビルジキールが設けられた。これにより耐航性が向上し、同時に荒れた海でも高速を保てるようになった。
本クラスは全艦が当初は海峡艦隊および地中海艦隊に配属されたが、1902年以降は本国海域にとどめ置かれた。「エンプレス・オブ・インディア」は、1913年にポートランド沖で目標艦となって沈没し、その他の艦は1914年までに除籍された。
「リヴェンジ」は第一次世界大戦の勃発により解体工場から救い出され、1915年に艦名を新しい戦艦に譲って「リダウタブル」と改名、ドーヴァー部隊に配属された。主砲は305mm口径のものに交換され、船体には対魚雷防御と、仰角と射程の増大のため、バラストによって艦を傾けることができるようにバルジが取り付けられた。
同艦はモニター艦の登場までの間使用され、最大14,630mの射程でドイツ占領下のベルギーを砲撃した。「リダウタブル」は第一次世界大戦終戦直後の1919年に、解体のために売却された。

諸 元

ロイヤル・ソヴリン級
排水量:基準14,150t、満載15,580t
寸法:全長125.0m、全幅22.9
m、吃水8.4m
推進器:3段膨張蒸気機関2基で11,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:16.5kt(31km/h)
装甲:舷側356~457mm、甲板76mm、縦隔壁406mm、弾片防御甲板76mm、砲塔最大432mm、砲郭152mm、司令塔356mm
兵装:連装343mm砲2基(4門)、152mm砲10門、6lb砲(57mm)16門、3lb砲(47
mm)12門、457mm魚雷発射管7基
乗員:712名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2015/04/24


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