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ヒッパー級

【第31回】ヒッパー級 <重巡洋艦>


「ヒッパー」級は、ドイツ海軍の重巡洋艦。5隻が建造され、3隻が就役した。建前上はワシントン条約の10,000tという制限内で建造されることになっていたが、条約制限を大幅に超過していた。「ヒッパー」級1番艦の「アドミラル・ヒッパー」は、日本の大型巡洋艦に匹敵する排水量を持っていた。

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ヒッパー級の誕生

デアゴスティーニ編集部

▲ビキニにおける「プリンツ・オイゲン」1946年。

「ヒッパー」級の重巡洋艦は「アドミラル・ヒッパー」、「プリンツ・オイゲン」、「リュッツオウ」の3隻。ドイツ海軍の近代巡洋艦で主流であった長船首楼型船体から一転して、艦首から艦尾までが一直線の上甲板で結ばれる平甲板型船体だ。これは複雑な加工を要する船首楼型よりも平甲板型のほうが船殻重量が軽減でき、工事も容易であるためである。また船体中央部は平坦な形状であった。
艦首形状は竣工直後は「ドイッチュラント級」と同じく垂直に近い形状であったが凌波性が極めて悪いため、艦首構造は上端を強く前方へ傾斜され、強いシアを持つアトランティック・バウへと改装された。「プリンツ・オイゲン」では艦首は鋭角のクリッパー型とされた。
主砲は新設計の「SKC/34 20.3cm(60口径)砲」を採用した。その性能は122kgの重量級砲弾を仰角37度で飛距離が33,500mと戦艦級の大射程であった。俯仰能力は仰角37度、俯角は1番砲塔・4番砲塔は9度。2番砲塔・3番砲塔は10度である。旋回角度は単体首尾線方向を0度として左右145度の旋回角度を持つ。主砲身の俯仰・砲塔の旋回・砲弾の揚弾・装填は主に電力で行われ、補助に人力を必要とした。発射速度は毎分4~5発。本射撃速度が比較的早い上に高初速砲の常として近距離の貫通力が高く、散布界も良好で、ドイツ海軍が想定した近距離~中距離レンジでの戦闘に適した砲であると言われていた。

実戦活動

デアゴスティーニ編集部

▲「プリンツ・オイゲン」の後部主砲塔。主砲は新設計の「SKC/34 20.3cm(60口径)砲」を採用した。

同型艦の中で最も有名な「アドミラル・ヒッパー」は、1940年のノルウェー侵攻作戦の際、対戦相手のイギリス駆逐艦「グローワーム」から体当たり攻撃を受け、甚大な損傷を被った。その後、1940年から1941年にかけて、短期間大西洋において通商破壊に従事したが、「ヒッパー」級は「短距離走者」として建造されたため、長期にわたる作戦に必要な航続距離が不足していた。
「アドミラル・ヒッパー」は1942年7月には、ノルウェーで連合軍のPQ17船団をほぼ壊滅状態に追い込んだ戦いに貢献し、同年12月31日、ポケット戦艦「リュツォウ」および駆逐艦部隊とともにノール岬沖でJW51B船団を攻撃したが、失敗に終わった。この戦いでは、勇猛果敢なイギリスの護衛駆逐艦が、巡洋艦部隊の応援が到着するまで3時間にわたってドイツ軍を食い止めた。この失態に対するヒトラーの反応は、全大型艦の解役であった。こうして「ヒッパー」は戦争を生き残り、1945年に捕獲された。
「アドミラル・ヒッパー」と同じく1945年に捕獲された3番艦「プリンツ・オイゲン」は、1941年5月にデンマーク海峡の戦いで「ビスマルク」とともに行動していたことで有名であり、後にはブレストからドイツに向けてイギリス海峡を突破した巡洋戦艦「シャルンホルスト」と「グナイゼナウ」に同行していたことでも知られている。
1939年の独ソ不可侵条約により、リュッツオウは1940年11月2日に未完成のままソ連に売却された。大きすぎ、そしてあまりにも複雑で信頼性の低い推進機関に悩まされた「ヒッパー」級は、第二次世界大戦において成功を収められなかった巡洋艦設計の一つである。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲「プリンツ・オイゲン」の10.5cm連装高角砲。この砲は後に同海軍の「シャルンホルスト級」にも採用された。

ヒッパー級(「プリンツ・オイゲン」)
同型艦(進水年):「アドミラル・ヒッパー」(1937)、「ブリュッヒャー」(1937)、「プリンツ・オイゲン」(1938)
排水量:基準14,475t、満載18,400t
寸法:全長210.4m、全幅21.9m、吃水7.9m
推進器: ブラウン・ボベリ・ギアード・タービンで出力132,000馬力を供給し、3軸を駆動
速力:33.4kt(62km/h)
装甲:舷側70〜80mm、甲板12〜50mm、砲塔70〜105mm
兵装:203mm連装砲4基(8門)、105mm連装両用砲6基(12門)、37mm連装対空砲6基(12門)、20mm対空機関銃24挺、533mm魚雷発射管12基
搭載機:水上機2機
乗員:1,450名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2015/07/30


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