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ダイドー級

【第35回】ダイドー級 <軽巡洋艦>


ダイドー級軽巡洋艦は、イギリス海軍が建造した軽巡洋艦の艦級。第二次世界大戦中、アメリカ海軍のアトランタに先立って防空巡洋艦として世界で最初に建造された。

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「ダイドー」級の誕生

デアゴスティーニ編集部

▲対艦・対空いずれの任務にも制限があったが、「ダイドー」級軽巡洋艦はバランスのとれた艦であった。

第二次世界大戦直前のイギリス軍艦の設計プログラムには、同国が次第に航空攻撃の脅威を重視しつつあったことが反映されている。1934年に入ってから旧式のC級軽巡洋艦のうち「コヴェントリー」「カーリュー」の主砲を10.2cm高角砲に換装することで防空艦に改装させた。何隻かの旧式巡洋艦を防空艦に改造したことに加えて、イギリス海軍は、近接防御用にI型、II型の2グループに分け、「アーゴノート」や「ユーライアス」など、16隻の「ダイドー」級巡洋艦を取得した。I型は「アリシューザ」級巡洋艦よりもやや大型の最初の11隻で、ほっそりとして均整の取れた、優美な外観であった。副砲はなく、主砲は「キング・ジョージ5世」級戦艦の副砲として開発された133mm連装両用砲10門であった。この砲塔は軽かったため、前部に3段に重ねて設置することができたが、後年になって、上部艤装品が増えたため、一番上のQ砲塔は取り外されることになった。
16隻のうち最後の5隻がII型で、「改ダイドー」級とも呼ばれ、砲は最初から8門で、短い煙突とより頑丈なマストを備えていた。外観はI型とほとんど変わらなかったが、より遠方の戦場にも行けるようになり、I型が主として地中海で行動したのに対し、「改ダイドー」級は北極海での船団護衛にも使用された。北極海では優れた実績を残し、1隻がアンツィオ沖で滑空爆弾の攻撃を受けて沈没したものの、直接的な航空攻撃による喪失は1隻もない。

「ダイドー」級の装備

デアゴスティーニ編集部

▲高速で航行中のI型「アーゴノート」。主砲3基を背負い式に配置したことによる艦首方向への圧倒的な火力を実現した。1941年9月進水、1942年8月竣工。

「ダイドー」級は当初から防空巡洋艦として設計されたため、対水上艦戦を重視していなかった。またイギリスは海外に多くの植民地を持っていたため、それらと本国を結ぶ通商路を保護する必要性から、軽巡洋艦は小型の艦を多数建造するという方針が重視され、「アリシューザ」級よりも少し大きい基準排水量5,500トンと言う小型の船体で設計され、長期航海に耐えるように船体の各所に燃料や各種備品を納める倉庫をおいた結果、本級の防御装甲に割ける重量は減少の一途を辿り、駆逐艦をわずかに上回る程度の防御力となってしまった。水線部装甲は機関部のみ覆う範囲にしか76mmは張られなかった。主甲板は25mmで、弾薬の上面のみ51mmであった。砲塔は前盾のみ38mmで他の部分は13mmで、その下の弾火薬庫は25mmから51mmの防御装甲で囲まれていた。
133mm砲は両用砲として理想的とは言えず、当時の装甲艦に対する水上射撃にはいささか軽すぎ、効果的な対空射撃をするには重すぎたうえに、発射速度と反応速度が遅かった。
戦後のイギリス海軍には「ダイドー」級の使い道ははあまりなく、その大部分は1950年代末までにスクラップにされた。戦時中に失われたのは、「カリブディス」(1943年にフランス北岸沖で魚雷により撃沈)、「ハーマイオニ」(1942年に東地中海で魚雷により撃沈)、「ボナベンチャー」(1941年に東地中海で魚雷により撃沈)、「ナイアド」(1942年にエジプト北東沖で魚雷により撃沈)、「スパルタン」(1944年にアンツィオで滑空爆弾により撃沈)であった。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲1942年、前部マスト上に279型レーダーアンテナ、後部の射撃指揮所に285型レーダーのアンテナを装備した「ユーライアス」。

ダイドー級(II型)
同型艦(進水年):(I型)「ダイドー」(1939)、「ユーライアラス」(1939)、「ナイアド」(1939)、「フィービ」(1939)、「シリアス」(1940)、「ボナベンチャー」(1939)、「ハーマイオニ」(1939)、「カリブディス」(1940)、「クレオパトラ」(1940)、「シラ」(1940)、「アーゴノート」(1941);(II型)「ベローナ」(1942)、「ブラック・プリンス」(1942)、「ダイアデム」(1942)、「ロイヤリスト」(1942)、「スパルタン」(1942)
排水量:基準5,710t、満載6,970t
寸法:全長156.3m、全幅15.4
m、吃水5.3m
推進器:パーソンズ・ギアード・タービンで出力64,000馬力を供給し、4軸を駆動
速力:32.25kt(60km/h)
装甲:舷側76mm、甲板51
mm、砲塔25〜38mm、砲台13〜19mm、司令塔25mm
兵装:133mm連装両用砲4基(8門)、2lb(40mm)連装対空機関砲4基(8門)または6基(12門)、20mm対空機関砲12門、533mm魚雷発射管6基
搭載機:なし
乗員:535名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2015/11/27


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