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U級、V級   

【第41回】U級、V級 <潜水艦>


 「U」級潜水艦は第二次世界大戦直前から戦中にかけて49隻が建造されたイギリス海軍の小型潜水艦。1番艦アンダイン(HMS Undine)の名にちなんで、アンダイン級とも呼ばれる。「V」級は「U」級を改良した後期型で、安全潜航深度が60mから90mになった。

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U級の成功

デアゴスティーニ編集部

▲ホーリー・ロックを出航する「U」級潜水艦アルティメイタム。1943年。

 大成功を収めた「U」級は、本来は老朽化した「H」級艦の後継となる、武装を持たない訓練用の目標として設計された単殻構造潜水艦である。3隻が起工されたが、イギリス海軍が近代的な「沿岸」潜水艦を保有していなかったことから、この潜水艦の艦首を改造して魚雷発射管を搭載することが考案された。後部船体には鋭いテーパーが付けられ、外殻は艦尾の手前で終わっていたため、すべての兵装は前方に配置された。耐圧船殻内に発射管4基が設置され、さらに2基を搭載するために(魚雷を一斉発射した際の命中精度に信頼性がなかったことの反映)、艦首の外殻がふくらんでいた。しかしそのせいで、設計の高さが制限されて潜望鏡深度が浅くなり、艦首外殻が大きくなりすぎたため、一定深度を維持することが困難で、さらに船体より浅い部分の水域に独特な「圧力の山」(艦首波)を生じさせることとなった。
 第二次世界大戦の勃発とともに12隻が追加発注されたが、これらは外部のラインを改良するとともに艦内を広くするため、船体が1.6m延長された。魚雷発射管は、ほとんどの艦が4基に減らされていた。新たに34隻が追加建造されたが、これらは外部のラインがさらに改善され、燃料スペースが増加されていた。「U」級は極めて有用で大きな成功を収め、北アフリカで作戦を行うドイツ軍とイタリア軍への物資供給を効果的に妨害したが、潜航深度が制限され、水上速力も遅いのが欠点だった。

V級の登場

デアゴスティーニ編集部

▲「U」級の改良型である「V」級潜水艦ヴォレイシャス。

 「U」級は再び設計が改良されることになった。今度は、出力を増した機関を収納するため特別な船体中央部セクションが挿入された。安全潜航深度は60mから90mに増し、建造時間を短縮する全溶接構造のモジュール化を可能にする設計の改変が行われた。この後期型は「V」級として知られ、33隻が発注されたが、完成したのは21隻だけだった。
 注目すべき事実として、チャタム工廠で建造された最初の2隻を除いて、「U」級、「V」級のどちらも、バーロー・イン・ファーネスおよびタインサイド(タイン川流域、エルジック)にあるヴィッカース・アームストロング社の2か所の造船所で作られている。
「U」級および「V」級潜水艦は、地中海や北海のような浅く狭い海域に特に適しており、成功は収めたものの、19隻が失われた。1943年に地中海の戦いが事実上終了すると、これらの艦にはほとんど用途がなく、多くが譲渡されるか、地味ではあるが重要な訓練任務に使用された。
 イギリス海軍以外では、ソビエト海軍、ノルウェー海軍、自由フランス海軍、オランダ海軍などに連合国に譲渡され、就役した。

諸 元

V級
排水量:水上670t、水中740t
寸法:全長62.79m、全幅4.88m、吃水4.72m
推進器:ディーゼル2基で出力800馬力、電動機2基で出力760馬力を供給し、2軸を駆動
速力:水上12.5kt(23km/h)、水中9kt(17km/h)
航続距離:水上10kt(19km/h)で8,715km、水中7kt(13km/h)で113km
兵装:76.2mm砲1門、533mm魚雷発射管4基(すべて艦首、魚雷8発搭載)
乗員:37名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2016/05/27


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