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ヴィットリオ・ヴェネト

【第54回】ヴィットリオ・ヴェネト   <戦艦>


「ヴィットリオ・ヴェネト」級戦艦は、「リットリオ」級の「リットリオ」、「ローマ」と共に、第二次世界大戦勃発時、イタリア海軍の中核をなす戦艦だ。ターラントを基地とし、その高速力と強力な兵装を生かしてイギリス地中海艦隊を阻止することが期待されていた。

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近代型戦艦の嚆矢

デアゴスティーニ編集部

▲写真は同型艦の「ローマ」。15.2cm三連装砲塔に挟まれるように配置された9cm高角砲がよくわかる。

 「ヴィットリオ・ヴェネト」級は主要海軍国で建造した近代型戦艦の嚆矢で、基本的にはカヴール級の拡大改良型である。1930年代にフランス海軍の「ダンケルク」級戦艦、「リシュリュー」級戦艦への対抗として開発され、1940年から就役を開始した。その建造はムッソリーニの考える新ローマ帝国による地中海支配の一環であった。
 「リットリオ」と「ヴィットリオ・ヴェネト」は、イギリスの作戦に応じてしばしば出動したが、1940年7月9日のカラブリア半島沖海戦には参加しなかった。「ヴィットリオ・ヴェネト」は、1940年11月のイギリス空母艦載機によるターラント空襲の際には幸いなことに無傷であったが、この空襲が直接のきっかけとなってマタパン岬沖海戦が起こり、この戦いでイタリア海軍は劣勢に立たされることになった。
 1941年3月28日、「ヴィットリオ・ヴェネト」は、ギリシャからアレクサンドリアとクレタに兵員を撤退させていたイギリス船団を捜索中、イギリス海軍の「フォーミダブル」に搭載されていたフェアリー・アルバコアの魚雷攻撃を受け、1発が命中した。15時21分、457mm魚雷が「Y」砲塔の後方左舷に命中すると、続いて激しい浸水が生じ、左舷外側のプロペラ軸が止まったが、艦はなんとか航行を続けて北西に徐行した。

ターラントへの帰還

デアゴスティーニ編集部

▲「ヴィットリオ・ヴェネト」の38.1cm主砲塔。「ローマ」にも搭載された。

 機関員と応急員の懸命な防水作業により、20時34分には19kt(35km/h)まで速力を回復した「ヴィットリオ・ヴェネト」は、その夜、イギリス艦隊によって損傷させられることになる巡洋艦「ポーラ」と2隻の姉妹艦を残して、修理のためターラントへ向かった。
 1941年12月に「ヴィットリオ・ヴェネト」はイギリス潜水艦「アージ」の魚雷攻撃を受けて1発の魚雷が命中し、3か月の入渠修理を余儀なくされた。1942年6月中旬にイギリス船団に対する作戦のため「リットリオ」と合流したが、当時イタリアは戦争の主導権を失いつつあり、それ以後はターラントが絶えず空襲にさらされるようになったため、「ヴィットリオ・ヴェネト」はラ・スペツィアに拠点を移した格好になった。1943年6月5日、連合軍爆撃機の攻撃によって損傷し、その年の9月、イギリスに引き渡されるためマルタへと向かう憂鬱な航海“メランコリー・ライン”に参加した。この航海で「ローマ」がドイツの誘導爆弾によって撃沈され、1,200人以上の乗員とともに海底の藻屑となったが、「ヴィットリオ・ヴェネト」の乗員は、それをただ見つめるしかなかった。
 連合軍がイタリア海軍の艦船の将来について議論している間、「ヴィットリオ・ヴェネト」はアレクサンドリアに抑留されていた。2隻の「リットリオ」級を、太平洋での高速空母護衛艦として使用するため熱帯地用に改修することが議論されたが、航続距離が不足していた。これら両艦は1946年にイタリアに戻ったものの、戦後のイタリア海軍が使用することは許されず、1951年にスクラップとして売却された。

諸 元

ヴィットリオ・ヴェネト
排水量:基準41,700t、満載45,460t
寸法:全長237.8m、全幅32.9m、吃水10.5m
推進器:ギアード蒸気タービンで出力128,000馬力を供給し、4軸を駆動
速力:30kt(56km/h)
装甲:舷側60〜345mm、甲板165mm、砲塔と砲台200〜280mm
兵装:381mm 3連装砲3基(9門)、152mm 3連装砲4基(12門)、90mm単装対空砲12門、37mm連装対空砲10基(20門)、20mm連装対空機関銃8基(16挺)
搭載機:飛行艇3機
乗員:1,872名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2017/06/27


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