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ウダロイ級

【第55回】ウダロイ級   <駆逐艦>


 「ウダロイ級」駆逐艦は、ソビエト連邦海軍・ロシア海軍の大型対潜艦(BPK)の艦級。海軍での正式名称は1155型大型対潜艦。通常の大型対潜艦と同様、対潜・対空防衛任務に比重をおいて設計されているが、のちに汎用性を高めた艦として改設計された ウダロイII級が開発されている。

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ウダロイI級

デアゴスティーニ編集部

▲「ウダロイI」級対潜駆逐艦「アドミラル・パンテレーエフ」。

 「ウダロイI」級(プロジェクト1155フレガット)は、旧ソ連の分類では、大型対潜艦であった。このプログラムは1972年に開始され、「ウダロイ」および「ヴィッツェ・アドミラル・クラコフ」が1982年初めまでに就役した。
 「ウダロイI」級は「クリヴァク」級をベースにして、航行中に補給を受けられる設備を施した航続距離の長い対潜艦として計画され、水上任務部隊の支援を目的にしていた。12隻が建造され、そのうち在役艦は7隻であるが、これらは「ソヴレメンヌイ」級の運用をある程度犠牲にして維持されている。
 「ウダロイI」級は、ラストラブ(SS-N-14“サイレックス”)ミサイル用4連装発射筒2基を装備している。艦尾にはヘリコプター発着甲板とユニークな双子型格納庫を設け、Ka-27“へリックスA”対潜ヘリコプター2機を搭載する。このほかの対潜装備としては、ポリノム(“ホース・ジョー”)アクティブ/パッシブ捜索・攻撃用ソナー・システムが装備されている。また対空防御には、クリノク(SA-N-9“ガーントレット”)ミサイル用垂直発射機(回転式シリンダーにミサイル8発収容)8基(ミサイル合計64発)が装備されている。クリノク・ミサイルは最大距離12km、高度3mから12,200mまでの対空目標に対処可能である。
 「ウダロイI」級はロシアの2大艦隊である北方艦隊と太平洋艦隊の主力艦であり、北方艦隊には「セヴェロモルスク」、「アドミラル・カーラモフ」、「アドミラル・レフシェンコ」、太平洋艦隊には「マーシャル・シャポシュニコフ」、「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・ヴィノグラドフ」、「アドミラル・トリブツ」が所属している。

ウダロイII級

デアゴスティーニ編集部

▲「ウダロイII」級対潜駆逐艦「アドミラル・チャバネンコ」。

 「ウダロイI」級に続く「ウダロイII」級(プロジェクト1155.1フレガット)1隻が1995年に就役した。このクラスではよりバランスのとれた能力を持たせることが意図され、ラストラブに代わってP-270モスキト(SS-N-22“サンバーン”)対艦ミサイル4連装発射筒2基が導入された。個艦防御には機関砲とミサイルを組み合わせたCIWSであるコルティック(CADS-N-1)2基が追加された。このCIWSは、6砲身30mm機関砲2基と9M87/9M88(SA-N-11“グリソン”)対空ミサイル8発から構成されている。新型の130mm連装両用砲も搭載され、対潜能力はヴィヨガ(SS-N-15“スターフィッシュ”)ミサイルによって維持されている。このクラスはさらに2隻の建造が計画されていたが、現在までに建造されたのは1番艦「アドミラル・チャバネンコ」のみで、北方艦隊で活動している。
 「ウダロイI」級の性能は、アメリカ海軍の「スプルーアンス」級駆逐艦とほぼ同等で、対潜戦能力に重点が置かれ、対水上戦および対空戦能力は限定されている。「ウダロイII」級の設計ではこの点が見直されて、超音速対艦ミサイルや機関砲・ミサイルを組み合わせたCIWSが導入された。
 ソ連海軍は1990年代初期に継続建造がキャンセルされる前は、7隻の「ウダロイI」級および「ウダロイII」級で2〜3戦隊を展開する計画であった。

諸 元

1155型ウダロイI級
排水量:基準6,700t、満載8,500t
寸法:全長163.5m、全幅19.3m、吃水7.5m
推進器:COGAG方式、M62ガスタービン2基で出力13,600馬力およびM8KFガスタービンで出力55,500馬力を供給し、2軸を駆動
速力:29kt(54km/h)
兵装:4連装ラストラブ(SS-N-14“サイレックス”)対潜ミサイル発射筒2基(再装填不可)、クリノク(SA-N-9“ガーントレット”)対空ミサイル発射機8基(ミサイル64発)、100mm両用砲2基、AK-630 30mm 6砲身CIWS 4基、RBU-6000対潜ロケット発射機2基、4連装533mm魚雷発射管2基、機雷投下用軌条(機雷26発9
電子機器:“ストラット・ペア”対空捜索レーダー1基、“トップ・プレート”3次元対空捜索レーダー1基、“パーム・フロンド”水上捜索レーダー3基、“アイ・ボール”SS-N-14発射管制レーダー2基、“クロス・スウォード”SA-N-9発射管制レーダー2基、“カイト・スクリーチ”100mm砲射撃指揮レーダー1基、“バス・ティルト”CIWS射撃指揮レーダー2基、“ラウンド・ハウス”戦術航法装置(TACAN)2基、“ソルト・ポット”敵味方識別装置2基、“フライ・スクリーンB”航空機着艦誘導装置1基、“フライ・スパイクB”航空機着艦誘導装置2基、“ベル・スクワット”ECM装置2基、“フット・ボールB”ESM/ECM装置2基、“ワイン・グラス”ESM/ECM装置2基、“ハーフ・カップ”レーザー警報装置6基、PK-2デコイ発射機2基、PK-10デコイ発射機10基、“ホース・ジョー”低周波/中周波艦首ソナー1基、“マウス・テイル”中周波可変深度ソナー1基
搭載機:Ka-29“へリックスA”対潜ヘリコプター2機
乗員:220〜249名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)

公開日 2017/07/27


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