ホビー好きが集まる、ホビコム by デアゴスティーニ

ソヴレメンヌイ級

【第59回】ソヴレメンヌイ級  <駆逐艦>


 「ソヴレメンヌイ」級駆逐艦は、ロシア海軍が運用するミサイル駆逐艦で、アメリカ海軍の「イージス」艦とほぼ同サイズ。旧ソ連海軍での正式名は956型艦隊水雷艇であった。本級は中国海軍にも引渡されて運用されている。

ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは


クレスタ型から派生した「ソヴレメンヌイ」級

デアゴスティーニ編集部

▲1989年8月に撮影された1番艦「ソヴレメンヌイ」。艦名は「同時代の、現代の、近代的な、最新の」といった意味。

 ソヴレメンヌイ」級(プロジェクト956サリッチ)の船体は、それ以前に建造された1134型ミサイル巡洋艦(クレスタI型)および1134A型大型対潜艦(クレスタII型)から派生したもので、僚艦を航空攻撃や水上攻撃から防御する水上打撃力を有する艦として建造された。したがって、このクラスは「ウダロイ」級対潜駆逐艦を補完する対水上防御専門艦と見なされた。
 主機関も1134型・1134A型の構成がおおむね踏襲されており、ボイラーとしてはスーパーチャージャー付きのKVN-98/64型(圧力64 kgf/cm² (910 psi)、温度500℃)、蒸気タービンはTV-12型とされており、合計出力は、最大110,000 馬力 (82 MW)、定格99,500 馬力 (74.2 MW)となっている<sup class="footnote" id="fnr1">1</sup>。また7番艦以降では、ボイラーは、信頼性を向上させたKVG-5に換装されている。
 計画では最大28隻が建造されることになっていたようであるが、実際に建造に着手されたのは合計20隻(ズダノフ造船所、後に北造船所で建造)で、続く3隻はキャンセルされたか、途中で建造が中止された。1番艦「ソヴレメンヌイ」は1977年に起工され、1980年に就役している。
 戦術・技術規則において、本級では、防空戦および対水上戦が重視され、防空については、艦隊防空を補完する艦と位置づけられていた。

水上戦闘用兵装

デアゴスティーニ編集部

▲「非の打ちどころのない」という意味の北方艦隊所属の「ベズプレーチュヌイ」。

 このクラスは、旧ソ連では駆逐艦(ロシア語でEskadrenny Minonosets)と呼ばれ、当初、ロケット/ラムジェット推進P-80ズブル・ミサイルを装備していたが、プロジェクト956Aになって長射程のP-270モスキトに変わった。P-80ズブルは、ハープーンの速度の3倍に相当するマッハ2.2で低高度を飛翔するシー・スキミング・ミサイルであり、320kg通常弾頭または200kT核弾頭を装着する。両ミサイルともNATOコード名でSS-N-22“サンバーン”と呼ばれている。
 対空防御用には速度マッハ3のウラガン(SA-N-7“ガドフライ”)ミサイル・システムが搭載されており、射程44km、高度15,000mの範囲をカバーする。また、2つのアイランドの前後にある一段高い甲板には、合計44発のミサイルを発射する単装発射機が装備されている。プロジェクト956A艦には同じ発射機を使用するヨズ(SA-N-12“グリズリー”)ミサイルが導入されている。
 2000から2001年に中国海軍は、プロジェクト956A艦2隻(ロシア海軍名18番艦「エカテリンブルグ」および19番艦「アレクサンドル・ネフスキー」)を取得し、それぞれ「杭州」および「福州」と命名した。さらに2005年、「ヴヌシーテリヌイ」、2006年に「ヴェーチュヌイ」が引き渡され、それぞれ「泰州」、「寧波」と命名された。

諸 元

デアゴスティーニ編集部

▲「用心深い、慎重な」という意味の太平洋艦隊所属「オスモトリーテリヌイ」。

956型ソヴレメンヌイ級
排水量:基準6,600t、満載7,940t
寸法:全長156m、全幅17.3m、吃水6.5m
推進器:GTZA-674ターボ加圧蒸気タービン2基で出力99,500馬力を供給し、2軸を駆動
速力:33kt(61km/h)
兵装:モスキト(SS-N-22“サンバーン”)対艦ミサイル4連装発射筒2基(再装填不可)、ウラガン(SA-N-7“ガドフライ”)対空ミサイル単装発射機2基(ミサイル44発)、AK-130 130mm連装両用砲2基、AK-630 30mm 6連装CIWS 4基、RBU-1000対潜ロケット弾発射機2基(ロケット弾48発)、533mm対潜魚雷連装発射管2基、機雷30〜50発
電子機器:“トップ・プレート”3次元対空捜索レーダー1基、“パーム・フロンド”水上捜索レーダー3基、“バンド・スタンド”対艦ミサイル発射管制レーダー1基、“バス・ティルト”CIWS射撃指揮レーダー2基、“カイト・スクリーチ”130mm砲射撃指揮レーダー1基、“フロント・ドーム”対空ミサイル発射管制レーダー6基、“ベル・シュラウド”ECM装置2基、“ベル・スクワット”ECM装置2基、PK-2デコイ発射機2基、PK-10デコイ発射機8基、“ブル・ホーン”および“ホエール・タング”船体ソナー、“ライト・バルブ”TACAN(戦術航法装置) 2基
搭載機:Ka-27“へリックスA”対潜ヘリコプター
乗員:296〜344名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2017/11/28


ブラボー0 お気に入り登録0   ブラボーとは



コメント0件


コメントを書く1,000文字以内

Ms_noimage

コメントを投稿するにはログインが必要です。