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XXI型

【第60回】XXI型  <Uボート>


UボートXXI型は、第二次世界大戦中のドイツ海軍の潜水艦である。その特徴や性能から「電気Uボート」や「奇跡のUボート」などと呼ばれ、潜水艦の歴史上、最も強い影響をおよぼした設計の一つ。1950年代半ばに原子力潜水艦が出現するまでは、潜水艦の標準という地位にとどまり続けた。

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奇跡のUボートXXI型

デアゴスティーニ編集部

▲1948年にアメリカ海軍で試験されるU-3008。艦橋後部が流線型に改造されている。

 潜水艦の歴史上、最も強い影響をおよぼした設計の一つであるXXI型Uボートは、1950年代半ばに原子力潜水艦が出現するまでは、潜水艦の標準という地位にとどまり続けた。動力機関としてクローズド・サイクル・タービンとディーゼルのどちらもすでに導入されていたが、両者ともまだ開発の余地があったため、一時しのぎとして、高出力電気推進艦がほぼ確立された技術を用いて作られた。
 早期の戦列化を可能にするため、艦体の設計は水中高速艦として設計されていたXVIII型のものを流用。多数の蓄電池と新たに開発されたモーターの組み合わせにより、本型の最大水中速力は当時の潜水艦としては桁外れの17.5ノットに達した。
 その後1945年4月までに288隻の建造が予定され、1番艦は1944年5月に竣工した。XXI型は航洋型潜水艦で、耐圧船殻の下部に高電力密度電池を配置し、初めて水中で水上よりも大きな出力を出すことに成功した。主推進モーターのほかに、無音潜航するための低出力動力装置も装備され、卓越した能力から奇跡のUボートと呼ぶ者もいた。それ以降も続々と竣工していったが、燃料不足や、乗員の訓練や頻発した初期不良の調整に手間取ったため、出撃できたXXI型は少数にとどまり、終戦までの間の戦果、戦歴等はほとんどない。
 しかし、水中行動を主とするこの型の設計思想は、アメリカ海軍のアルバコアやソ連海軍のズールー型潜水艦など、戦後多くの国の潜水艦の設計に影響を与えた。また、戦後に接収した本型を使用して行われた対潜訓練では、当時最も優れているといわれたアメリカ・イギリス海軍の対潜部隊を持ってしても本型を探知できなかったという逸話が残っている。

二重円筒船殻

デアゴスティーニ編集部

▲接収直後のU-3008。流線型の船体がよくわかる。

 XXI型の耐圧船殻は、XVIIのそれと同様に横断面が二重円筒で、その外側に外部船殻があった。船殻は8区画に分けられてそれぞれ別々の場所で製造され、最終組み立てはハンブルクにあるブローム・ウント・フォス造船所で行われた。外部船殻によって内容積が増加し、しかも流体力学的になめらかな外装を実現することができた。1週間に3隻という建造目標を達成するため、組み立てはすべて溶接で進められ、最終的に1,500隻を建造するという野心的な計画がたてられた。そのため、他のほとんどの潜水艦プログラムは縮小されるか、キャンセルされた(実際には118隻を建造)。
 XXI型は、哨戒中は常に潜航しているように設計されていたので、シュノーケルを使用するのは主としてバッテリー充電のためのディーゼル運転時だけだった。居住性は、エアコンや空気再生装置が設置されたおかげで大いに改善されていた。
唯一の砲はセイルに装備された連装機関砲2基である。アクティブとパッシブ・ソナーを使い分けることによって、潜望鏡に頼ることなく完全な魚雷発射計算解を出すことができた。
 提案されただけで建造されることなく終わったXXIB型とXXIC型という2つの型は、船殻に追加区画を挿入することによって、魚雷発射管の数を6からそれぞれ12および18基に増やすことを意図していた。連合軍側にとって幸いなことに、XXI型は完全な作戦配備に就くことはついになかった。数隻が沈没したが、それらはすべて連合軍航空機によって自国海域内で撃沈されたものであった。
潜航性能に最重点を置いたXXI型の外観は、初期の潜水艦のそれとは対照的である。甲板砲がなくなった代わりに、艦首下部とマストのソナーが目立っている。最初に就役したU-2511はノルウェーを基地としたが、巡洋艦に形ばかりの攻撃を仕掛けたほかに成果は得られなかった。

諸 元

XXIA型
タイプ:航洋型潜水艦
排水量:水上1,621t、水中1,819t
寸法:全長76.7m、全幅6.6m、吃水6.2m
推進器:ディーゼルで水上出力4,000馬力、電動機で水中出力5,000馬力または226馬力を供給し、2軸を駆動
速力:水上15.5kt(29km/h)、水中16kt(30km/h)(主電動機)または3.5kt(6km/h)(低速電動機)
航続距離:水上速力10kt(19
km/h)で28,710km、水中速力6kt(11km/h)で525km
兵装:30mmまたは20mm連装機関砲2基(4門)、533mm魚雷発射管6基(艦首)、魚雷23発
乗員:57名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2017/12/21


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