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ロサンゼルス級

【第7回】ロサンゼルス級


イラク、アフガニスタンなどでの作戦に参加したアメリカ海軍の「ロサンゼルス」級は、同一設計の原子力推進艦としては最多の62隻が建造された原子力潜水艦であり、現在も45隻が運用されている。

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最多の建造数

▲2006年9月、ギリシャのクレタ島に寄港する「ロサンゼルス」級13番艦の「ダラス」(SSN-700)。1981年に就役した同艦は、北大西洋や地中海、ペルシャ湾などに配備されていた。(写真/U.S. Navy)

1972年から建造が始まったアメリカ海軍の「ロサンゼルス」級は、同一設計の原子力推進艦(SSN)としては最多の隻数からなり(最終の62番艦は1992年起工)、先輩格の「スキップジャック」級の優れた速力と、「パーミット」級および「スタージョン」級のソナーと武装を兼ね備えている。先行艦と比べて船体寸法が極端に増大したのは、主として新型原子炉によって利用可能な出力が倍増したためで、「ロサンゼルス」級が搭載するS6G加圧水型原子炉は、「ベインブリッジ」級および「トラクスタン」級原子力巡洋艦のD2G原子炉をベースにしたものである。なお燃料補給(炉心交換)は10年ごとに行われる。
本クラスは当初AN/BQQ-5パッシブ/アクティブ捜索および攻撃ソナー・システムを装備していたが、「サン・フアン」(SSN-751。1985年起工)以降はAN/BSY-1に変更された。「オーガスタ」(SSN-710)および「シャイアン」(SSN-773)にはAN/BQG-5D広開口舷側アレイが装備されている。また全艦が、氷塊探知用のAN/BQS-15アクティブ近距離高周波ソナーを有している。その他のセンサーとしては、「サン・フアン」に最初に装備されたMIDAS(機雷および氷塊探知回避システム)が存在。さらに「サン・フアン」以降の全艦に、吸音タイルが貼り付けられ、水平舵がセイルから船体前部に移された。

優れた対潜能力

▲アラブ海を航行する、「ロサンゼルス」級27番艦の「ノーフォーク」(SSN-714)。同艦は1983年に就役を開始し、現在も運用されている。(写真/U.S. Navy)

「ロサンゼルス」級は優れた搭載システムのおかげで極めて高性能な対潜プラットフォームとなったが、その最初の領域外作戦だった「アルファI」展開時、アイスランド沖で追跡したソ連(当時)の潜水艦は、その水中高速力を生かしてやすやすと逃げ切った。しかしこれは例外と言ってよく、本クラスは通常のソ連/ロシアの原子力推進艦に対しては、探知および追尾の成功率が極めて高く、高性能のAN/BQQ-5システムが2隻の「ヴィクター」級攻撃型原子力潜水艦を捕捉し、長時間にわたりコンタクトを継続したこともある。
「ロサンゼルス」級は射程900〜1,700kmのトマホーク陸上攻撃ミサイル(TLAM)をはじめとする強力な兵器を装備している。また、標準の高性能爆薬単弾頭を重量318kgの成型炸薬弾頭と交換することも可能である。兵装搭載量が限られているという問題を解決するために、「プロヴィデンス」(SSN-719。1982年起工)以降の全艦に垂直発射システムが装備され、ソナー・アレイ後方、耐圧船殻の外側にTLAM用の発射管が配置された。さらに本クラスは、533mm Mk48アクティブ/パッシブ・ホーミング魚雷を搭載することが可能。この魚雷は有線誘導が選択でき、アクティブ・モードで最大距離50km、パッシブ・モードでは38kmで使用できる。重量267kgの弾頭を装着するMk48魚雷は、26発を搭載できるが、魚雷14発および魚雷発射管用TLAM 12発の混載にも対応する。これらは船体中央部に設けられた4基の発射管から発射される。
「ロサンゼルス」級はこれまでにイラク、コソヴォ、アフガニスタンでの作戦に参加している。さらに氷海下作戦においても、2001年半ばには「スクラントン」(SSN-756)が北極海の氷冠を突き破って浮上した。なお2012年末現在、同クラスのうち17隻が退役している。

諸 元

▲「ロサンゼルス」級57番艦の「ハートフォード」(SSN-768)。合計62隻建造され、うち45隻が在役中の「ロサンゼルス」級は、後発の「シーウルフ」級に次いで2番目に高価格のSSNである。(写真/U.S. Navy)

ロサンゼルス級
排水量:水上6,082t、水中6,927t
寸法:全長110.3m、全幅10.1m、吃水9.8m
推進器:S6G加圧水型原子炉1基、蒸気タービン2基で出力35,000馬力を供給し、1軸を駆動
速力:水上18kt(33km/h)、水中32kt(59km/h)
潜航深度:運用450m、最大750m
兵装:533mm魚雷発射管4基(船体中央部)、魚雷発射管発射兵器26発(Mk48魚雷、潜水艦発射ハープーン、トマホーク・ミサイル)、SSN-719以降では外部垂直発射管12基(トマホーク潜水艦発射巡航ミサイルTLAM-C、現在はTLAM-D)
電子機器:AN/BPS-15水上捜索レーダー1基、AN/BQQ-5またはAN/BSY-1パッシブ/アクティブ捜索および攻撃低周波ソナー1基、AN/BDY-1/BQS-15ソナー・アレイ、TB-18パッシブ曳航アレイおよびMIDAS(機雷および氷塊探知回避システム)
乗員:133名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U.S. Navy

公開日 2013/07/25


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