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レンジャー

【第71回】レンジャー  <軽空母>


 空母「レンジャー」(CV-4)はアメリカが空母として設計し建造した最初の艦であり、空母の運用経験が事実上ないに等しかったアメリカ海軍が、その設計を実地で経験する対象として建造された艦船である。アメリカ海軍においてレンジャーの名を受け継いだ艦としては7隻目にあたる。

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空母の土台となった「レンジャー」

▲竣工時の「レンジャー」。飛行甲板に遮風柵が見える。

 「レンジャー」は空母「ラングレー」と大差ない排水量の小型空母だった。1922年に締結されたワシントン海軍軍縮条約の結果、新しく建造する空母の総排気量は96,000tとされ、1隻あたりの排水量は最大27,000tに制限された。航空母艦の保有枠の範囲内で「レキシントン」級巡洋戦艦のうち「レキシントン」と「サラトガ」を航空母艦へと改装する事で保有を認められたが、それとは別に純粋な航空母艦として、割り当てられた排水量の範囲で最大の航空艦隊を創設するため、新しい空母を上限をかなり下回る排水量で建造することにした。
 こうして、「レンジャー」では船としての基本的な要求よりも空母としての要求のほうを優先させた結果、他国の海軍の空母と比べて速力が遅く、火砲は貧弱で防御も不十分な反面、排水量が少ないにも関わらず、より多くの航空機を搭載することのできる空母となった。
 「レンジャー」は1931年9月にニューポート・ニューズで起工され、1933年2月に進水した。公式運転では、排水量16,169t、出力54,630馬力で、最高速力29.9kt(55km/h)を記録した。しかし、1934年7月に就役した「レンジャー」は優れた艦とは言えず、1939年には艦長が、縦揺れが多すぎて航空機を発艦させられないと報告している。さらに「レンジャー」は、防御と火砲が貧弱すぎることが指摘され、第一線任務に就くことはできないと見なされた。
 後に建造されるヨークタウン級航空母艦はレンジャーより排水量が10,000トンを超える中型空母で、レンジャーを土台とする事でより能力を高めることに成功した。

構造上の特徴

▲SBDドーントレスやTBD-1デバステーターを駐機させた「レンジャー」。

 「レンジャー」の格納庫と飛行甲板は、船体の上に側面の装甲を付けずに作られており、このため船の構造の強化には役立っていない。「レンジャー」は当初、平甲板として設計されたが、建造の過程で飛行甲板上での航空機の管制などさまざまな理由から、アイランドが必要であることが明らかになった。これにそのほかの変更も加わって、艦の排水量は当初計画の13,800tよりもかなり増大することになった。平甲板のコンセプトに沿った特徴としてヒンジが付けられた煙突が両舷に3基ずつ合計6基あり、これらは飛行作業中は水平位置に曲げられるようになっていた。艦の防御用装備は非常に限られたもので、飛行甲板に25mmと、機械室外側の水線に沿った舷側に51mmの装甲板が付けられているだけだった。これを補うものとして、127mm L/25対空砲8門が備えられていた。艦載空港隊は当初、爆撃機36機、戦闘機36機、多用途機4機で構成されており、航空機取り扱い用の装置として、格納庫と飛行甲板の間を結ぶエレベーター1基、飛行甲板の前端にカタパルト1基、そして両舷に水上機(および艦載艇)を出し入れするためのクレーン3基があった。また「レンジャー」は航空機の運用を支援するため、航空燃料514,210ℓを搭載した。
 それでも第二次世界大戦中に並走が強化され、戦争初期に装備された高角方位盤管制塔は後に1基追加されて2基となった。しかしその作戦活動は、イギリス海軍の本国艦隊とともに参加した1942年11月の北アフリカ上陸作戦と1943年のノルウェー空襲だけだった。
 この後、「レンジャー」は訓練用空母となり、127mm報を撤去して新しいレーダー装置が搭載された。1945年、「レンジャー」は最初の空中早期警戒(AEW)機の試験の一部に参加した。このときまでに、搭載火器は20mm対空機関砲16門だけとなっていた。

諸 元

▲F4F戦闘機を発艦させる「レンジャー」。1942年

レンジャー(CV-4)
排水量:基準14,575t、満載17,577t
寸法:全長234.39m、全幅33.37m(飛行甲板)、吃水6.83m
推進器:蒸気タービンで53,500馬力を供給し、2軸を駆動
速力:29.25kt(54km/h)
装甲:舷側と隔壁51mm、甲板25mm
兵装:(1941年)127mm対空砲8門、27.94mm対空機関砲24門、12.7mm対空機関銃24挺。(1943年)127mm対空砲8門、40mm対空機関砲24門、20mm対空機関砲46門
搭載機:76機、航空機輸送の場合は86機
乗員:1,788名(戦時2,000名)

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2018/11/28


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