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ワスプ

【第72回】ワスプ  <軽空母>


 ワスプ(CV-7) は、アメリカ海軍の航空母艦。艦形を小型化すべく対空火器のみを搭載した軽空母で、アメリカ海軍でワスプの名を受け継いだ艦としては8隻目にあたる。同型艦はない。1942年9月15日、日本海軍の伊19潜水艦の雷撃を受けて沈没した。

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新しい軽空母

▲停泊中の「ワスプ」。格納庫のシャッターが解放されている。1940年撮影。

  1922年に締結されたワシントン海軍軍縮条約のもと、保有する空母の総排水量を135,000tに制限されていたアメリカ海軍は、「レキシントン」、「サラトガ」、「レンジャー」、「ヨークタウン」、「エンタープライズ」の各空母を完成した後は、排水量147,000tの空母しか建造することができなかった。そこで1935年に、この制限に収まる空母を「レンジャー」の改良型として建造することになり、中程度の速力で軽装甲であるが、多くの航空機を搭載できる新しい空母が発注された。
 「ワスプ」(CV-7)と命名されたこの空母では、「レンジャー」の最悪の欠点は一掃され、適切なアイランド型上部構造物が設けられるとともに、区画の配置が改善されていた。        
 「ワスプ」は1941年4月に就役し、同年秋から大西洋で訓練を開始した。1942年3月下旬には、イギリス空軍のスピットファイアをマルタ島に運ぶために地中海に赴いた。7月初めにはサンディエゴを出発して太平洋に向かい、ガダルカナル上陸作戦に参加、「ワスプ」の艦載機は300ソーティ以上の出撃をこなした。給油のため本隊と離れていた「ワスプ」は、第2次ソロモン海戦には参加せず、ガダルカナル島のアメリカ海兵隊が使用する戦闘機を乗せるため、ヌメアに戻った。

戦闘ダメージに最も弱い空母

▲航海中の「ワスプ」。水線下防御は「ヨークタウン」級よりも脆弱だった。

 1942年9月15日の午後、サン・クリストバル島の南東240kmの海域で、「ワスプ」は戦闘機の発艦作業を行っていたが、その後まもなく日本の潜水艦伊19の発射した魚雷3発が命中した。2発の魚雷は左舷の航空ガソリン・タンクの近くに当たり、3発目はその上方に当たって、すでに損傷していた給油系統を破壊した。
 火災と爆発によって、艦は急速に崩壊した。魚雷によって消防主管も破壊されたため火災に対処することもできず、1時間もしないうちに総員退艦の命令が発せられた。「ワスプ」はこの後さらに3時間あまり萌え続け、結局駆逐艦「ランズダウン」に「ワスプ」の撃沈が命ぜられて、4発の魚雷が発射された。
 「ワスプ」はアメリカの空母の中で最も戦闘ダメージに弱かったとされ、その沈没は将来に貴重な教訓を残すこととなった。査問委員会の調査の結果、最初の2発の命中は推進器と補機に損傷を与えておらず、損傷の大部分は第3の魚雷の命中によって引き起こされたことが明らかになった。しかし、爆発の衝撃と船体の振動によって、配電盤とダメージ・コントロール(応急)系統が破壊された。その後、一連の爆弾、魚雷、火器および航空燃料タンクが誘爆して、「ワスプ」を完全に破壊したのである。

諸 元

▲「ワスプ」に搭載されたF4Fワイルドキャット。

ワスプ(CV-7)
排水量:基準14,700t、満載20,500t
寸法:全長225.93m、全幅24.61m、吃水8.53m
推進器:ギアード蒸気タービンで出力75,000馬力を供給し、2軸を駆動
速力:29.5kt(55km/h)
装甲:舷側102mm、上甲板と下甲板38mm
兵装:(1942年)127mm対空砲8門、27.94mm4連装対空機関砲4基(16門)、20mm対空機関砲30門
搭載機:(1942年)戦闘機29機、急降下爆撃機36機、雷撃機15機
乗員:2,367名

(この記事はワールド・ウェポン<デアゴスティーニ・ジャパン刊>をもとに構成したものです。)
[タイトル写真]U. S. Army/U.S. Marine Corp

公開日 2018/12/25


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