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二一型

【第1回】太平洋戦争を通して活躍した二一型


1940(昭和15)年7月15日、制式採用前に実戦配備された十二試艦上戦闘機は、直後に零式一号艦上戦闘機(後に一一型と改称)として制式採用された。同型には、着艦フックなど空母搭載のための装備はなかったが、すぐに艦上戦闘機としての改造がはじまり、12月にはそれらの整備を施した零式一号艦上戦闘機二型(後に二一型と改称)が制式採用された。

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一一型から二一型へ

1940(昭和15)年7月に一一型が制式採用された零戦は、早くも12月には空母搭載のために主翼翼端を折り畳めるようにした一号二型(二一型)が採用された。二一型には主翼の折り畳み機能の他にも、空母で運用するために必要な着艦フックが装備されていた。この部分以外は、基本的に一一型と同じで、形式も一一型のA6M2aに対して小改造をしたことを示すA6M2bに変化しただけだった。
主翼以外に改正されたのが、補助翼である。二一型では高速飛行中でも補助翼がスムーズに作動するよう、翼端近くの補助翼下面にマスバランスという突出した重りを付けていた。このマスバランスは、1941(昭和16)年初頭に補助翼内側後端の補助翼修正タブに改められたが、このタブが原因のひとつと思われる大事故が起きた。1941(昭和16)年4月、二一型に発生する振動の原因を調査するためにテスト飛行を行っていた横須賀航空隊の二一型が空中分解し、操縦していた下川万兵衛大尉が死亡するという事故が起きたのである。事故原因の調査では主翼の強度不足が指摘されたが、その他に、補助翼修正タブが発生させる振動も問題とされたため、修正タブが廃止されて以前のマスバランスに戻された。最終的に補助翼は、補助翼前縁内部にマスバランスを内蔵する形式となり、以後零戦の補助翼は、終戦までこの形式となった。
他に変更があったのは、主翼前縁の20mm機銃の銃口と右主翼前縁の操縦室内冷房用空気取入口だった。20mm機銃の銃口は、一一型では周囲が四角く開けられていたのが、口径に合わせた円形に変更された。また、操縦室内冷房用空気取入口は、楕円形だったものが長方形に変更された。

艦上機特有の装備

デアゴスティーニ編集部

空母「龍鳳」から発艦する二一型。零戦は空母の飛行甲板に着陸するために、甲板に張られたロープに機体を引っ掛けるフックを装備していた。

零戦は艦上戦闘機であるため、特殊な装備を備えていた。艦上機になくてはならない重要なものが着艦フックである。零戦では胴体後部下面の尾輪直前に、断面がT字状の棒の先に鈎状のフックが装備されていた。着艦時には、空母の飛行甲板に張られたワイヤーにフックを引っ掛けて機体を停止させることで、距離の短い飛行甲板での着艦を可能にした。
他の特殊装備としては、空母への帰投時に使用する無線帰投方位測定器があった。零戦に装備されたのはアメリカのクルシー社の製品をライセンス生産したもので、操縦席後方にループアンテナとセットで設置され、空母が発信する電波を捉えて帰投する方位を知るという仕掛けである。この無線帰投方位測定器は海軍機に広く装備され、「クルシー」といえば、海軍内で無線帰投方位測定器として通じるほどだった。しかしこの機器は故障が多く、搭乗員たちは、うまく作動したら儲け物というぐらいにしか認識していなかったともいわれる。また、受信できなかった理由には、交戦中は敵から捕捉される危険があるため、空母が発信を控えたこともある。
さらに、空母で戦闘機を運用するために考慮しなければならないのが、主翼の長さである。零戦の主翼幅は12mだったが、日本の空母の格納用エレベーターの幅も12mだったため、運用が困難だった。このため前述のように当初の設計を若干変更し、主翼端を50cmずつ折り畳めるようにしてエレベーターに乗せやすくしたのである。零戦の主翼折り畳み装置は、あくまでエレベーターに乗せやすくするためのもので、格納庫内のスペースを節約するものではなかったから、主翼を折り畳んでも、結果としてアメリカのF4Fのように搭載機数は増えなかった。

二一型の配備

艦上戦闘機としての特殊装備を施された零戦二一型は、九九式艦上爆撃機、九七式艦上攻撃機とともに、第1航空艦隊旗艦の赤城をはじめ、航空戦隊の加賀、蒼龍、飛龍、龍驤、翔鶴、瑞鶴の6隻の空母に配備された。また、台南空などの陸上基地航空隊にも配備され、日米通商条約破棄後、日増しに緊迫する日米関係に備えられた。
もし開戦となれば、航空機が大きく勝敗を左右すると考えていた当時の連合艦隊司令長官、山本五十六大将の要望にそって、航空機の増産を図ったため、1941(昭和16)年12月8日の開戦時には、日本海軍は約250機の零戦を保有し、各航空戦隊に配備していた。

テクノロジー ─ 艦上機の折り畳み主翼

デアゴスティーニ編集部

空母のエレベータに乗せやすくするため、二一型の主翼翼端は、左右50cmずつ折り畳めるようになっていた。

艦上機の大きな特徴に、主翼の折り畳み機能がある。零戦の場合は、空母のエレベーターでの運用の都合で、主翼端を50cmずつだけ折り畳んだ小規模なものだったが、アメリカやイギリス軍の戦闘機には大きく折り畳むものがあった。主翼の折り畳み装置は通常、単純に上方に折り畳む方式が多かったが、格納庫の高さには制限があるので、九七式艦攻のように、片翼の半分も折り畳む場合は、胴体に覆い被せるようにして固定した。しかし、機体の構造上90°までしか折れない場合は、シーファイアのように二段階に折り畳む機種もあった。中にはアメリカのグラマン社のF4FとF6F及びTBF雷撃機のように、付根付近から捻りつつ後方に折り畳む独特の主翼を開発し、搭載機数を大幅に増加させることに成功した例もある。
折り畳むためには主翼を分割するので、強度を確保しなければならない。特に激しい機動をする戦闘機は、空中分解の危険もある、ため零戦のように当初は折り畳み装置を装備する予定のなかった機体では、翼端を小規模に折り畳むのが限界だったのである。

スペック

デアゴスティーニ編集部

一一型は空母搭載のための装備がなかったが、二一型では艦上戦闘機として必須の着艦フックが装備された。

零式艦上戦闘機二一型(A6M2b)
全幅:12m
全長:8.976m
自重:1,754kg
全備重量:2,421kg
最高速度:533km/h
上昇力:6,000mまで7分27秒
航続距離:3,000km
実用上昇限度:10,300m
発動機:中島「栄」一二型(離昇出力940馬力)
兵装:20mm機銃2挺(翼内)、7.7mm機銃2挺(胴体)、30kg又は60kg爆弾2発

公開日 2013/12/24


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コメント1件

やっしー

やっしー

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永遠の0の機体はこの21型がメインです。
それを1/48のプラモデルで正確に再現しました。

08月14日 22:26このコメントを違反報告する


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